英語論文の書き方−1

実は誰からも教わったことがありません。そういう研究者は多いと思います。
人のを読んだり、投稿してレビュアーにダメ出しされたりして、だんだん覚えていきます。
よって、書き方は人それぞれで正解はなく、以下に参考までに書きます。

僕はまず「図表」から書くようにしています。
解析が終わってデータがそろって「表」を作ります。視覚的に理解してもらいたいところは「図」にします。
得られたデータをすべて出すわけにはいかないので、どのデータを読者に最も伝えたいかを決めなければいけません。
メッセージが決まると帰納的に本文の流れも決まっていきます。

その後「本文」を書きます。
1.「イントロ」は、WhatとWhyを書くところです。1.1 研究の背景で、読者に基礎情報を与え、1.2 なぜこの研究をしたのか、1.3 この研究でやることは何なのかを明確にします。
2.「方法」は、細か過ぎるほどいいと思ってます。それを見て、他の研究者が追試ができるほど。
3.「結果」は、簡潔に。と思ってましたが、今のボスは細かく書くことを求めます。
4.「考察」は、僕はまず頭に、4.1 この論文の特異性、オリジナリティをアピールすることにしています。
その後、4.2 各結果に対して、なぜそうなったのか、それに何の意味があるのかを、深く考察し自分の考えを述べます。その際に、他の論文の引用や比較もしますが、やり過ぎないように。時々、考察が単なる引用論文の羅列になっているものがあります。客観性をもって論理的に考えた自分の解釈がここでは主役です。
4.3 リミテーションで、リビュアーのダメだしを先回りして弁解しておきます。レビュアーはしっかりしたリミテーションの文章を書かれていると、文句を言いにくくなります。
4.4 最後に結論を言います。斜め読み読者の中には、このパラグラフだけを読む人もいますので、ポイントを押さえた内容にします。

本文を書いた後に「アブストラクト」を書きます。本文からエッセンスを取り出して作ります。
アブストラクトの中の結論の2−3文は超重要です。その論文が偉い先生の目につけば、この結論の文章がそのまま、その先生の講演のスライドの文面になって紹介されます。そういう風に取り上げられることを祈って書きます。

最後に「タイトル」をつけます。アブストラクトからさらにエッセンスを取り出します。
内容を要約したようなタイトルが主ですが、最近では、結論を述べたようなタイトル、または疑問形のタイトルも多いです。斜め読みする側からすれば、後ろ二者が引きつけられやすいので、個人的にはそういうタイトルを今後は付けたいと思っています。

タイトルとアブストラクトは周知のごとく超重要で、基本的に読者は「タイトル」で釣られて、「アブストラクト」だけ読みます。興味を持てば「図」を見て内容を視覚的に印象づけられて、「表」でデータの詳細に初めて目を通します。本文の文章を隅から隅まで読む人はそんなにいないと思います。

実際は上記を満たすような論文は自分自身書けておらず、まだまだ修行中もいいところですが、今後もいい方法を模索しようと思ってます。
次回に英語化についての僕の苦労を書きます。


— posted by 千葉恒 at 11:45 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [1]

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