HR-pQCT 解説-1

HR-pQCTについて、少しずつ解説を始めたいと思います。

以前も述べたように、HR-pQCTは
- High Resolution  高解像度の
- peripheral     末梢骨用の(四肢用の)
- Quantitative CT  定量的CT
の略です。

1) High Resolution
まず解像度ですが、どのくらい解像度が高いかと言うと、今までのCTの約10倍ほど解像度が高いです。

図にあるように通常のCTは、スライス厚を最高に薄くしても0.5mm程度です。
1mmの半分ですから、これでも十分薄いと思いますが、拡大して見ると、結構ぼやた画像になります。

一方、HR-pQCTのスライス厚は0.06mm。言い換えると60ミクロンです。
1mmの1/10以下ですから、恐ろしく細かいです。

すると、骨のかなり細かい構造が観察できます。
骨は、外側の殻のような「皮質骨」と、内側の網目状の「海綿骨」から構成されています。
この網目の骨の一本一本を骨梁(こつりょう)というのですが、その太さは100〜200ミクロン程度です。
普通のCTではその画像化は困難ですが、HR-pQCTでは骨梁の描出が可能です。

すると、今までは「骨の白さが増したので、骨が増えたんだろう」としか言えなかったものが、
「ここの骨梁が増えている」とか「減っている」といった、骨の本当の変化が見えるようになるのです。

今まで見る事のできなかった新しい世界を見れるというのは、「楽しい!」以外の何ものでもありません。

このHR-pQCTを使えば、骨粗鬆症には、色んな骨の減り方がある、ということ、
種々の治療薬には、色んな効き方がある、ということがわかるようになります。



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— posted by 千葉恒 at 10:22 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

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