ASBMR@アトランタ-2

今回のASBMRのトピックスは、

1)オダナカチブ開発中止の理由について

残念ながら、今回のASBMRの最大のトピックスになってしまいました。
会場には、今まで見たことないくらいの立ち見が出るほど。

発売目前と思われていたオダナカチブの有害事象の1つであった脳卒中は、当初のデータではプラセボとのハザード比が1.16で有意差がありませんでしたが、独立機関(ハーバード)に再解析を依頼しており、本学会でその結果が発表されました。(ちなみに、抄録には一切結果が書かれていません。)

ブラインドで再解析された結果は、HRが1.32でP値は0.03でした。さらに5年の延長試験での結果はHRが1.37でP値は0.005。
かなりシンプルな発表で、脳卒中の重症度についてのデータは言及なく、聞いてる方としては、ちょっと煮え切らない感じです。

死亡ではオダナカチブとプラセボで差が出ておらず、大腿骨頚部骨折も後遺症や予後の悪さでは、脳卒中なみに問題のある疾病ですので、その辺の判断は難しいものがあったと思います。冗談で言いますが、抗凝固剤との合剤にすれば良さそうですね。。

2)ロモソズマブ・デノズマブ切り替え試験

ロモソズマブ1年、その後、デノズマブ1年の成績が発表されました(FRAME study)。
2年間で、骨密度は腰椎で18%、大腿骨で9%の増加、骨折抑制率は81%で、大変すばらしい結果が出ています。
この内容は、NEJMへの掲載が決まっているそうです。

3)アバロパラチドの経皮製剤

最初に開発された経皮製剤では、血中への移行と骨密度の増加が確認されましたが、先行している注射製剤と比べると、効果が弱く、血中濃度のパターンが再現できていないことが原因とされていました。
今回の発表では、新たに開発された第二世代の経皮製剤が、血中濃度のパターンを、注射製剤のそれとほぼ同じ状態にできた、というものでした。
骨密度などの結果はまた来年だと思われます。注射でないPTH製剤が成功すれば、それはとても意義があると思います。

— posted by 千葉恒 at 07:30 am   commentComment [0] 

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