ASBMR@オーランド -3

続きです。

2)テリパラチド

Zoledronic Acid Maintains Bone Mineral Density after Denosumab Administration (DATA-HD Extension)


去年紹介したLink テリパラチドとデノスマブの新しいコンビネーション治療です。0-9ヶ月でテリパラチド、3-15ヶ月でデノスマブ。つまりは、最初の3ヶ月間だけはテリパラチドを単独で投与して、続く6ヶ月間がコンビネーション、その次の6ヶ月間がデノスマブ単独です。今年はその続きに、ゾレドロネートを投与した、っていう内容で、上乗せ効果があるようでした。

Compared with Daily Teriparatide, Cycles of Teriparatide and Raloxifene Favorably Influence Hip BMD and Cortical Thickness While Comparably Increasing Spine BMD

テリパラチドは大腿骨の骨密度上昇作用が少ないですが、この新しい研究では、テリパラチド単剤群と、テリパラチド1ヶ月→ラロキシフェン1ヶ月を交互に繰り返した(サイクリック)群のRCTを行っています。よく考えつきますね。まだLate breakingの発表で、つまり6ヶ月までの途中の結果ですので、数値的にはまだインパクトがありませんでしたが、サイクリックの方が、大腿骨への影響が良い、という結果でした。ただし、タイトルに反して、データの詳細を見ると、腰椎の上げ幅は下がっているようでした。

3)デノスマブ

Subject Characteristics and Changes in Bone Mineral Density After Transitioning From Denosumab to Alendronate in the Denosumab Adherence Preference Satisfaction (DAPS) Study


デノスマブ1年の後にビスホスホネート1年に切り替えた際、どんな人がBMDが維持されて、どんな人が減るのか、という内容でしたが、話は簡単で、デノスマブ1年でかなり上がっちゃった人は、続くビスホスホネートで下がり、デノスマブでの上がりが平均だと、ビスホスホネートでも維持、デノスマブでの上がりが低いと、ビスホスホネートで上昇、という、日常臨床でよく説明する、「今回よく増えたから、次回はあまり上がらないよ」のままの結果でした。

4)ビタミンD

VITamin D and OmegA-3 TriaL (VITAL): Effects of Vitamin D on Bone Density, Turnover and Structure

天然型ビタミンDのサプリメントでは2000 IUを2年飲んでも骨密度や骨微細構造を改善しないという発表でした。ただ、個人的に面白かったのは、背景情報に、元々のサプリ内服率があって、Caサプリ内服者が16%、ビタミンDサプリ内服者が40%もいたことです。欧米人がサプリをかなり飲んでいることは、人種比較の際に、少し知っていてもいい情報と思います。

今年のオーラルは、全体的に有名な臨床試験の、セカンダリー解析や、新しい切り直しなど、「出がらし系」が目立った気がします。まぁそういう年もあります。

— posted by 千葉恒 at 02:09 pm   commentComment [0] 

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