みなさま,ご無沙汰しております.久しぶりのブログ更新です.
ASBMR (北米骨代謝学会)のために,アトランタに来ております.長崎大学からは千葉先生2題,岡崎1題,佐田先生2題(うち1題はUCSFから),横田先生1題のHR-pQCTを用いた研究のポスター発表を行いました.ポスターセッション中は,自分のポスターの前で質問を受けるという形です.UCSF時代の同僚との再会もあったり,思わぬ大御所の先生からの質問を受けたりと,とても有意義な時間になりました.
長崎大学整形外科は2015年7月に日本で初めてHR-pQCTを導入し,早いもので1年ちょっと経過しました.私が現在行っている「健常人における骨微細構造の解析」は皆様のご協力のおかげで,先日被験者の数が100人を超えました.目標の症例数は3年間で500人ですので,まだまだ症例数が足りない状況です.ご自分の骨密度を測ってみたい方や,お知り合いの方で興味をお持ちの方がおられましたら,ご紹介いただければ幸いです.
11月20日から11月22日まで韓国の馬山にあるMurup Hospitalに行ってきました.この病院で,米倉先生が脛骨顆外反骨切り術 (TCVO)のLive surgeryをされるとのことで,そのかばん持ち 兼 助手として連れて行ってもらいました.TCVOは長崎発祥の術式であり,近年,日本の各地で注目され始めています.
馬山は釜山から車で30分くらいのところにあります.Murup Hospitalに到着すると,病院の玄関にデカデカとLive surgeryの広告が貼ってあり,「A. Yonekura」の名前が! Murup HospitalはDr. JungのPrivate Hospitalで,ここで毎年,Live surgeryを行っており今回で8回目を迎えました.Dr. Jungの専門は膝関節で,今まで7000例以上のTKAをされたそうです.
韓国に着いた日の夕方に高位脛骨骨切り術(HTO)の手術見学をさせてもらい,HTOの術中合併症の一つであるLateral hinge fracture (LHF)を起こさないための工夫を教えてもらいました.また,LHFは,術中の透視や術後X線ではわからないこともあるので,術後5日目にルーチンでMRIを撮影しているそうで,とても参考になりました.LHFの発見には,CTよりもMRIの方が感度が高いとのことでした. そして,翌日,いよいよLive surgeryの日. 米倉先生には手術に集中してもらうため,手術手順などの説明は僕がすることになりました.手術手順を前日までに英訳し,暗記していきました.前日の飛行機の中で秋田大学の斎藤先生にチェックしてもらったおかげで,内容をよりわかりやすく変えることができました.(斎藤先生,ありがとうございました!) Live surgeryの枠は1時間30分と限られており,海外で手術をする,しかも今までに経験したことのないLive surgeryという重圧の中でしたが,米倉先生はいつも通りの落ち着いたメスさばきでした.TCVOにHTOを追加するというやや複雑な手技になりましたが,手術は無事に終わりました.用意していった原稿の1/4も話すことができませんでしたが,TCVOの手術について,韓国の先生たちにも理解していただけたかと思っています. 貴重な経験をさせていただいた,Dr. Jung,米倉先生,そして応援してくださった日本から参加された先生方,本当にありがとうございました.
野母崎の高浜八幡神社で行われた奉納相撲に行ってきました.現在,生後4カ月の我が子は「泣き相撲」に参加させてもらいました.
100年以上続く伝統行事だそうで,土俵に上がるのは一歳未満の赤ちゃんで,男の子に限られています.赤ちゃんの健康を願い,大人の力士が土俵の上で赤ちゃんをやさしく転がして泣かせようとします.赤ちゃんたちは,化粧まわしと法被,鉢巻姿で登場します.
まだ人見知りをしない我が子は結局泣かず,ちょっとだけ笑ってました.子供がだんだん少なくなってきているそうですが,ずっと続けて欲しい伝統行事ですね.
みなさま,ご無沙汰しております.日本に帰国して早3カ月が経とうとしています.日本の生活に戻るのはあっという間ですね.アメリカでの生活は,今となっては夢のようです.
現在,私は長崎大学の関連病院に勤務しています.久しぶりの臨床ということもあって,昔のことを思い出したり,知らないことを学んだりと大変な面もありましたが,やっぱり臨床はおもしろいです.
尾﨑教授,千葉先生が主体となって長崎大学に導入したHR-pQCTの研究もお手伝いしています.
今日は講演の機会をいただき,留学報告も兼ねて,変形性膝関節症についてお話をさせていただきました.自分にとって初めての講演であり,「変形性膝関節症の診断と治療の最前線」という自分を追い込みすぎるタイトルをつけてしまい,かなり苦労しましたが,なんとか終えることができました.
講演の機会を与えていただいた長崎臨床整形外科医会の朝永先生,座長の堀内先生,お忙しい中講演を聞きに来てくださった先生方,会の準備に尽力してくださった中外製薬のみなさまに御礼申し上げます.
・帰国2日前引っ越しは日通さんにお願いしました.見積もりの時,単身パックで十分と言われたので,単身パックのスタンダードにしました.1000ドルちょっとかかります.(ワイン2ダースと,三脚も送ったので追加料金がさらに300ドルほどかかりました.)6月は帰国する人が多いそうなので,早めの予約をおすすめします.
夕方に日通さんが荷物を取りに来るとのこと.荷造り上手な妻と,転勤族なので引っ越しは慣れていると自負している私.これが大きな落とし穴でした.息子が泣き喚いたり,おむつを変えたり,授乳に時間を取られ,作業に集中できず,ほぼ徹夜の状態でダンボールに詰め終わりました.業者の人が帰った後,押し入れを見たら,預け忘れたダンボールを発見….ひえーっ.
・帰国前日日本領事館に,息子の「帰国のための渡航書」を取りに行ったり,Fastrak(日本のETCみたいなもの)を返却に行ったり,最後にダウンタウンに行って日本へのおみやげ購入.
最後に残った荷物をパッキング.またもやほぼ徹夜になりそうな予感.疲労困憊状態で二人ともイライラ状態.息子もそれを察知して,泣き叫ぶ始末.パッキング作業はなかなか捗りませんでした.
・帰国日帰国当日の朝を迎えても,なかなか部屋は片付かず.日本に持って帰らないものは,寄付のために1階の踊り場まで持って行っていましたが,だんだん余裕がなくなり,最後の方はどんどん捨ててしまいました.佐田先生と妻のお友達に手伝ってもらって,なんとか空港に到着.
飛行機の中では息子もよく眠ってくれて,あんまり手がかからなかったのでよかった…帰国の時は少し涙ぐむかなと思っていましたが,バタバタと帰国したので感傷に浸る間もありませんでした.
帰国前日までにアパートを出たほうがよかったなと反省しています.
いろいろありましたが,私達の2年間のアメリカ留学生活はこれで終わりです.今後は佐田先生にバトンタッチします.
何はともあれ,二人とも健康で,大きなトラブルもなく過ごせたことは幸せでした.留学に快く送り出していただいた尾﨑教授を始めとする長崎大学整形外科の先生方,同門会の先生方,サンフランシスコでとてもお世話になった長尾先生を始めとするベイエリア整形外科の会のみなさま,本当にありがとうございました.
帰国前の解約リストを挙げておきます.
1. アパートUCSF housingの場合,退去日の30日前までに申し出る必要があります.直接出向くか,メールするようにしましょう.
2. PG&Eアメリカの電気・ガス会社です.私は電話で解約しました.UCSF housingのホームページに「Take the billing out of my name.」と言うようにと書いてあります.決して「Turn off power at my apartment.」と言わないよう.
3. Fastrak契約はとても簡単なFastrakですが,解約方法がネットでなかなか見つからず,少し苦労しました.このページに行き,「How can I return my toll tag and close my account?」のところにあるAccount closure formを作成して,Customer service centerに送り返すか,直接持っていくかしましょう.ダウンタウンのFirst streetにあります.
In-Person Service and Call Center62 First Street, San Francisco, CA 94105
4. 携帯電話Verizonを利用していましたが,ネットでは解約できないので,店舗に赴く必要があります.
5. 銀行口座口座からの支払いや振り込みが,帰国後もあることが予想されるので,住所変更だけ行い,口座は残してきました.Union bankの場合,1年間利用がないと,口座が凍結されるので注意しましょう.
6. 保険の解約自動車保険などは自動更新のことがあるので,早めに連絡して解約しましょう.
以上です.解約手続きはどことなくさびしさがありますね.
今日が最後の出勤日でした.ボスのシャーミラを始め,研究の相談によく乗ってくれたアンディ,気さくに話してくれるマットとランディ,妻と子供の心配をよくしてくれたアディーティ,ギータ,本当にありがとうございました.
成果としては,HR-pQCTについての論文を一つsubmitするのが精一杯でしたが,MRIによる軟骨・半月板の解析にも参加することができました.中ボスの一人が出した論文のFigureを作成したりもしましたが,それもいい経験でした.
ラボのみんなにさよならを行って回りましたが,みんな,やさしい言葉をかけてくれました.決まり文句なのかもしれませんが,「Good luck with everything.」「Take care and all the best for your future career and life」「I wish you and your family all the best.」「It has been wonderful knowing you.」などなど,覚えているところではそんな感じです.
そういえば,英語って,言われてとても気持ちがいい言葉が多いですね.「Have a good day.」や「Have a nice weekend.」そして,お返しに「You too.」.人生を楽しんでいるということが言葉からもうかがえるような気がします.
最後にIDカードを返却してきました.2年前に撮ったこの写真は,不安でいっぱいな表情をしていますね.自分ではあまりわかりませんが,妻が,この時に比べて表情が明るくなったと言ってくれました.
今日はSan Francisco General Hospitalの長尾先生の外来を見学させていただきました.(本当は佐田先生と行く予定だったのですが,UCSFのIDカードがまでできておらず,私一人で行ってきました.佐田先生はあと2年あるから,時間を見つけていつか行ってくださいね.)長尾先生はリハビリテーション医として働かれており,UCSFの整形外科に所属しています.木曜日は脊椎専門外来の日で,手術が必要そうな患者さんを整形外科の先生が診て,ブロックなどの保存治療主体となる人を長尾先生が診ておられました.毎週金曜日にや硬膜外や神経根ブロックをしています.アメリカの整形外科医は手術を専門としており,保存療法にはそこまで興味がないそうです.ギプス巻きは救急外来ではすることはありますが,日勤中は自分ですることはあまりないとのことです.
アメリカの外来は部屋がいくつもあって先に患者さんが部屋に待機して,ドクターが入っていくという方式です.日本の場合はドクターが部屋にいて,患者さんを呼び入れますよね.患者さんの出入りする時間,着替えたりする時間を考えると,かなり効率的です.まあ,広いからなせる技かもしれませんがね.
小型のイメージを置いている診察室があって,イメージ下に指関節に注射をやっていました.撓骨遠位端骨折の整復もここでしているそうです.透視室に行く必要がないのでとても便利ですね.
長尾先生は,説明もわかりやすく,笑顔が素敵でとてもやさしいので,患者さんにすごく信頼されている印象を受けました.異国の地で第一線で働かれているのでご苦労も多いと思いますが,ますますのご活躍をお祈りいたします.
長尾先生から出産のお祝いで息子の名前と誕生日入りのブランケットをいただきました.大切に使わせていただきます.
今日は歓迎会・送別会を兼ねて,オイスターBBQを森岡先生幹事で開いていただきました.送別される人は西尾先生と僕,歓迎されるのは,4月からUCSFに来られた,石井先生,大谷先生,スタンフォードに来られた鍋島先生,そして6月に来たばかりの佐田先生です.
場所はTomales Bay Oyster Company.牡蠣の有名な産地であるPoint Reyesにあります.ここは2年前に千葉先生の送別会,僕の歓迎会を開いてもらったところで,思い出の場所の一つです.スーパー幹事の森岡先生,ありがとうございます.
2012年にUCSF日本人整形外科として始まったこの会は,2014年9月にスタンフォードに留学している整形外科の先生もお招きして,ベイエリア日本人整形外科の会となり,今では総勢13名の大きな会となりました.
オイスターは生食でもOKの新鮮なものを購入できます.みんなでワイワイ言いながら牡蠣を開けるのも楽しいです.長尾先生から「牡蠣の顔を見て,ナイフを入れる方向を決める」という名言も飛び出しました.スタンフォードから通称黒肉(Schaub's Meat Fish & PoultryのFred’s Marinated Sirloin)も買ってきてもらい,こちらも焼きました.今まで高くて手が出せなかったのですが,本当においしかったです.森岡先生ご夫妻のケーキ入刀に引き続き,西尾先生と僕のケーキ入刀もさせてもらいました.参加できなかった妻と息子にプレゼントまでいただき,初めから最後までほんとうに楽しい送別会でした.
みなさんにお会いできたことは,この留学で得た大きな財産です.ベイエリア日本人整形外科の会のますますの発展を祈念いたします.
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やっと,UCSFでやった研究の論文を,本日投稿しました.内容はHR-pQCTを使った骨粗鬆症の研究です.本来春くらいに投稿する予定でしたが,データがなかなか揃わなかったりして,ここまで遅くなってしまいました.まあ,アクセプトされたわけではないので,めでたくはないのですが,だいぶ肩の荷が下りました.
私は初めから英語で書くことができないので,日本語で書いてそれを英訳するパターンです.ネイティブの人に比べると,論文を書く時間が2倍以上かかるかもしれません.
この分野のスペシャリストと仕事ができたことで,とても勉強になりました.私一人では到底思いつかないようなアイデアを出してくれますし.やはりこちらの方々はスマートな英語を使いますね.
今日は安眠できそうです...