DOCSF は Digital Orthopaedics Conference San Francisco の略で、
デジタル技術の整形外科分野への応用を目的とした、UCSFが主催している多職種交流のプラットフォームです。
このイベントの日本版であるDOCSF-JAPANを、大阪大学の 串岡 純一 先生と、私の留学時代のマブダチ、UCSFの 森岡 和仁 先生が運営しており、
初回はWebだったんですが、昨年より東京でオンサイトで開催 を始め、今年もオンサイト開催すると聞き、参加してきました。
今回は、前回よりも内容がパワーアップしており、今年もいろいろ考えさせられました。
今回は主に以下の4つのコンテンツだったのですが、どれもとっても内容が濃かったですね。
「スタートアップ」「産官学共創」「スポーツ医学」「Dr. Stefano Bini 講演(DOCSF創設者 UCSF 整形外科教授)」
スタートアップ:司会の大谷先生がとても上手に仕切っていました。おかげで医師には難解なビジネス用語が、なんとなくわかるような内容になり、聴講者としては充実したものとなりました。起業なんて、これっぽっちも考えたことなかったけど、身近な時代になりました。
産官学連携:めちゃくちゃ勉強になりました。厚労省、文科省、経産省からディスカッサーに来てもらっており、各省のオフィシャルな方針に加えて、官僚の個人的な思いも聞けて、それが思いのほかアツいってことがわかり、日本がんばろう、と思えました。これまた司会のデロイトトーマツの方が、仕切りが上手で、議論に深みがでました。
スポーツ医学:ゲストの女性アスリート、室伏さんの経験談で、スポーツ医学そのものでなく、競技者の専門医へのアクセシビリティがファーカスされていたのが、興味深かったです。室伏さんのお話はとてもお上手でした。
Dr. Stefano Bini 講演:うーん、、かなり刺激を受けました。昨年からもやもや考えていたものが晴れたような。臨床現場の問題点、ニーズ、彼はそれをPain Pointと表現していましたが、これの解決を目的としていない事業は全て失敗する、と言っていました。聴講していて、Pain Pointを知る私たち臨床医の役割は大きいなと感じました。
「スタートアップ」が目的でない、「新技術の応用」が目的でない、「連携」が目的でない、やはり「現場で必要とされる良いもの」でないと、全ては本末転倒です。
最後の森岡先生の締めの挨拶も、このポイントをついていましたので、さすがマブダチ、と思ってしまいました。
「現場で必要とされる良いもの」は、「理想はそうだが実現不能なもの」が多いわけですが、私の経験値や立場もそれを許すようになってきたので、
残りのキャリアでがんばれないかな、と考え始めるきっかけとなりました。
1. KZM — 2024/09/24@01:33:54
デジタルイベントなのにデジタルに振り回されるアクシデントからのスタートでご迷惑をおかけしてしまいましたが、なんとか今回も盛会で幕を閉じることができました
デジタルへの傾倒は、より便利になるという性善説を元にあえて機能している現状を壊す活動になり、おかげで本当に便利になる実感が得られるまでユーザーへ一方的に負担を強いることになります
観方によってはデジタル信者をスクリーニングしているとも言え、使いこなせる人しか便利にならない現状は決してベストな状況ではなく、むしろ過渡期にあると言えます
社会全体がデジタルヘルスを推す時代になったので新しい技術が次々に現れており、ユーザーは適宜キャッチアップして取捨選択できるフェーズにもあると言えます
先生のおっしゃるとおり、DOCSF-JAPANは、形を問わず「潮流を知り、課題感を共有できる」機会を提供するハブとして、今後もこの分野に貢献できればと思っております
今後も年2回のイベントとオンラインでの情報提供を継続していきますので、よろしくお願いいたします!
https://www.youtube.com/@DOCSFJAPAN/playlists