17IBN

私たちHR-pQCT研究グループ(RiBSLink )からの、第12弾の論文がアクセプトされました。

Effects of monthly intravenous ibandronate on bone mineral density and microstructure in patients with primary osteoporosis after teriparatide treatment: The MONUMENT studyLink

IBNとコードされたこの研究は、骨粗鬆症治療薬ビスホスホネートの1つであるイバンドロネート(ボンビバ 静注1mg、中外製薬株式会社)の骨微細構造に与える効果を見た研究で、MONUMENT studyLink (Effects of MOnthly injected ibaNdronate on bone mineral density and MicrostrUcturE in patieNts with primary osteoporosis after Teriparatide treatment)という研究名称が付けられています。

後日お話するTERABIT studyLink とともに、思い出がつまりまくっている研究で、研究の立ち上げ、リクルート、フォローアップ、解析、論文化、全てにおいて、とんでもなく苦労をしています。
臨床研究法が施行されることを前提とした2015年から立案が始まり、特定臨床研究として、治験レベルの運用を目指すこととなりました。
リクルートもとんでもなく苦労しました。多施設にする必要があり、多くの施設にお願いに駆けずりまわりました。この時期にとても助けてくれた山田先生には本当に感謝しています。

さて、内容ですが、骨粗鬆症の治療は、1つの薬剤で完遂できるわけではなく、いくつかの種類を順番に使い分けていくのが標準的です。よって骨粗鬆症の分野において逐次療法(ある薬から別の薬に切り替えること)は重要なテーマの1つです。

テリパラチドの後にビスホスホネートに切り替える治療は現在でも王道の手法であり、MONUMENT study は、テリパラチドからイバンドロネート(ボンビバ)への逐次療法をテーマにした研究です。ボンビバLink (1mg静注/月)は、内服のビスホスホネート製剤と比較して効果の確実性があり、年1回製剤と比較して副作用が少なく、抗ランクル製剤と比較してリバウンドが少ないため、特に高齢者で、毎月通えて、血管が見えて注射打ちやすい方には良い適応です。

本研究の結果、テリパラチド治療後のボンビバ1年間で、腰椎BMDはさらに平均3.2%の上乗せ効果があり、かつ、骨微細構造では、皮質骨の厚みを平均2.6%増加させることが証明されました。過去のいろんな逐次療法の研究を読みましたが、ナイーブ(治療が初めての患者)の研究と比較して、逐次療法は数字的にはかなり不利で、かつ、本研究は平均77歳の高齢者のstudyとなり、ADL低下も伴いながら良い結果が出るのか、かなりヒヤヒヤしましたが、結果が出てよかったです。

共同著者と謝辞に、これまでで最大の合計53名(21+32名)の名前を書きました。ご協力いただいたみなさま、本当に本当にありがとうございました。

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— posted by 千葉恒 at 05:16 am   commentComment [2] 

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