私たちHR-pQCT研究グループ からの、第23弾の論文が、昨年アクセプトされました。
Denosumab improves bone mineral density and microarchitecture in rheumatoid arthritis: randomized controlled trial by HR-pQCT.
Denosumab(デノスマブ、商品名 プラリア)は、破骨細胞による骨吸収を強力に抑制することで、骨密度を増加させる薬剤です。
骨粗鬆症患者に対する調査は多くなされていますが、関節リウマチ患者に対してHR-pQCTを用いて骨微細構造を見た研究はありませんでした。
本研究はデノスマブが、関節リウマチの関節破壊の原因となる骨びらんを抑制できるかを検証したランダム化比較試験のサブ解析で、
本解析(骨びらん)は第一内科の岩本先生が、そしてこの副解析(骨粗鬆症)は整形外科の私が担当しました。
結果は、やはりデノスマブは、関節リウマチ患者においても骨密度増加作用が明確で
(一般論として関節リウマチ患者では活動性の低下やステロイド使用のため、効果が出にくいです)、
骨微細構造では、特に皮質骨への効果が明確でした。
本研究はRCTであり、コントロール群:元々使用していたRA薬±骨粗鬆症薬を続行する群と、
デノスマブ群:デノスマブを追加/切替する群を、比較していますが、
コントロール群は、そもそも骨粗鬆症でなかったり、すでに骨粗鬆症の治療をしている人で構成されているのですが、
そういった、骨粗鬆症の治療対象とならないorすでに治療している関節リウマチ患者さんであっても、
骨微細構造は徐々に劣化していっている、という結果も得られ、こちらの結果の方が重要ではないかと個人的には思っています。
本論文は、Journal of Bone and Mineral Metabolism(JBMM、IF:3.3)にアクセプトされました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。
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