肩関節鏡手術トレーニング①

cadaverを使った肩関節鏡手術のトレーニングコースがハワイであり、参加してきました。
ホテルで大学病院の梶山先生、済生会病院の西野先生と合流し、その日はアラモアナセンターに行き、お土産などを買いました。
 
トレーニング1日目はARCR(鏡視下腱板断裂修復術)を行いました。
後方のポータルからSAB(肩峰下滑液包)の鏡視を行い、まずは視野を確保するために滑膜を切除していきました。
CA ligament(烏口肩峰靭帯)をメルクマールに肩峰下面を同定して、ベーパーで軟部組織を取り除き、アブレーダーで肩峰下面の骨棘を切除(肩峰下除圧)しますが、これがなかなか難しかったです。
アブレーダーをここにもっていってこの骨棘を取り除きたいと思っていても、それができない(関節鏡初心者の先生はよく経験することだと思いますが・・)。
小さなポータルが支点となっていて、手元を動かしても手術器具の先端は弧状に動いてしまうから??なんでしょうか?
うまく先端をもっていったとしても、アブレーダーが硬い骨棘で弾かれてしまい、何度も同じ箇所を往復しました。
 
除圧が完了したところでSSP(棘上筋腱)に断裂を作成(時間がなく、梶山先生に行っていただきました)。
SABからカテラン針をSSPに刺し、GH(肩甲上腕関節)から鏡視して位置をチェックされていました(LHB(上腕二頭筋腱長頭)の後方に断裂はできやすいそうです)。
不全断裂を完全断裂にしてから修復する際はこのようにしてやられているとのことでした。
 
断裂の修復にはsuture bridge法を行いました。
内側にアンカーを挿入し腱板の断端部に縫合糸をかけ、外側は大結節にアンカーホールを作成して、外側用アンカーを挿入します。
結紮が滑液包側にできず、引き寄せた腱板を線ではなく面で固定できる利点があります。
全体の位置を確認してから上記の手順を踏みましたが、予想外に全体を見渡せるviewを映し出すのが難しかったです(近すぎると全体が見えない、遠すぎると位置関係の詳細がわからない)。
最後は時間がなくバタバタしましたが、なんとか終了できました。
 
3年前のcadaverトレーニングよりも少しはスムーズにできたかなと思います。
梶山先生と西野先生のお陰です。ありがとうございました。
数日前から手術の手順などを思い出すためにネットの動画を見ていたのもよかったです。
Arthrex社のホームページの中にわかりやすいアニメーションがあり、非常に助かりました。
 
ScreenShot2016-06-18at95244PM
肩峰下面の除圧
ScreenShot2016-06-18at100048PM
内側アンカーの挿入
 
ScreenShot2016-06-18at102129PM
断裂部位の修復
NONALNUM-44OP44Ov44Kk-E

— posted by 佐田潔 at 10:10 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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