08Fx

長崎大学のHR-pQCT研究の、第4弾の論文がアクセプトされました。
江良先生の論文です。おめでとう!

HR-pQCTは生体内の骨微細構造を非侵襲的に(骨生検をせずに)解析することが可能で、
おもな応用分野は、「骨粗鬆症」と「関節リウマチ」です。

私たちは整形外科医ですので、もともと「骨折の治癒過程」に興味を持っていまして、
ヒト生体内で骨折がどのように治癒していくかを、HR-pQCTで研究することにしました。

HR-pQCTは手足用の高解像度CTですので、最も良い対象は「橈骨遠位端骨折」です。
しかしながら、現在、私たちは、橈骨遠位端骨折のほとんどを、金属のプレートやスクリューを使って手術で治療しており、
スクリューがいっぱい入っていると、CT画像では、アーチファクトの影響で、正しく評価できないのです(下図のAの断面)。

ところが、試しに撮影してみると、下図のBの断面に示すごとく、
スクリューから少し離れた場所であれば、少々画像は悪いですが、骨微細構造が評価できそうです。

「08Fx」というコードで管理されているこの研究は、
「手術治療した橈骨遠位端骨折の治癒過程をHR-pQCTで評価する手法」を確立するために立ち上げた研究です。

江良先生の論文では、まずは、水風船にプレートを乗せ、HR-pQCTの撮影をし、ノイズの計測を行うことから始まり、
次に、解剖学教室にお借りした人体標本の橈骨に、プレートをあてて、プレートの有無で、骨微細構造計測にどのような影響があるかを調べ、
最終的に、橈骨遠位端骨折患者の撮影において、再現性の評価を行いました。

結論としては、「橈骨背側の、vBMDの評価であれば、正確性も再現性も良好、今後の研究に応用可能」となりました。

リミテーションはいろいろありますが、その1つは、スクリューによるアーチファクトのために、骨折のメインの部分を評価できないことです。
よって本手法は「骨癒合の精査」でなく「ヒト生体内における骨折の治癒過程を研究するための手法」という位置付けです。

本研究は、Bone(Impact Factor: 4.360)Link に掲載されました。PubMedLink


2019-09-01133032



2019-08-28165012



2019-08-28165247



— posted by 千葉恒 at 04:31 pm   commentComment [0] 

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