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日本生理学会大会@北九州

最近、もうひとつ追われていたのが、日本生理学会大会@北九州Link の準備でした。

これは依頼でのシンポジストだったのですが、英語での発表20分という、
まぁまぁストレスなお題でした。

英語発表は定期的にしていて、最大は韓国骨代謝学会で25分の講演Link をしたことがありますが、
今回はそれに匹敵する時間で、負担を減らすべく、今回から新たな試みをすることにしました。

あまり前向きな試みではないのですが、
通常、日本語での発表は、もちろん原稿などなく、スライドを見てその場でしゃべってますが、
英語での発表は、原稿を作って、丸暗記していました。

この原稿作り作業がエンドレスでして、、見直すたびに無限に修正されて、
いつまでたっても暗記作業に入れない、という問題をかかえていました。

そこで、変なプライドは捨てて、暗記を放棄することにし、原稿を見て発表しようと。

紙原稿は薄暗くて見えませんので、スマホで原稿を見ながらしゃべってみました。
おそらく私の目線は一回も聴衆に向けられませんでしたが、気楽でスムーズした。

これでポジティブな意味で、一歩後退できた気がします。。
スマホの画面はやはり小さくて、次回からはiPadにしようかなと思います。

ところで、第101回 日本生理学会大会ですが、
101回って、春秋2回ペースでやってたのかな?と思ってしまいましたが、
大変失礼しました、1922年(大正11年)からの歴史Link があるそうです。
その辺の新興学会とは訳が違います。

あとでジワっと気づいたのですが、他界した父Link は、整形外科医に転向する前は、
もともと生理学の学者で、おそらくこの学会でも発表をしたたんじゃないかな。

そう思うと、感慨深いものがありましたが、
あまりにも異分野すぎて、二時間ほどで、学会場を立ち去ってしまいました。


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— posted by 千葉恒 at 08:37 am   commentComment [0] 

抄録ラッシュ

1ヶ月ほど音沙汰ありませんでしたが、
この季節はいつもの、骨関連の4学会の抄録締切ラッシュ、でして、

いつも通り、わが研究グループのギリギリ野郎たち(大学院生)と、ギリギリの戦いをしていました。

第44回 日本骨形態計測学会Link
2024年6月21日(金)~6月23日(日)
福島県福島市
4名参加、4演題

第42回 日本骨代謝学会Link
2024年6月30日(日)~ 7月2日(火)
沖縄県那覇市
1名参加、2演題

ASBMR 2024 Annual MeetingLink
September 27-30, 2024
Toronto, ON, Canada
最低でも、1名は参加、2演題、の予定

第26回 日本骨粗鬆症学会Link  
2024年10月11日(金)~13日(日)
石川県金沢市
10名参加、12演題

今年は大学院生がみな「金沢に行きたい」と。
今までで最大の10名参加となります。開催地って大事、、

そしてもうすぐ、今年度が終わりますね。

長らく研究のお手伝いをしてくれた、医学生の宮崎さんが、宮崎先生になりました(祝)!
TERABIT study の画像解析や、患者さんの誘導などなど、ありがとう。

別れと出会いの季節です。

— posted by 千葉恒 at 02:53 pm   commentComment [0] 

DOCSF-JAPAN

札幌の帰りに、東京で開催された
DOCSF-JAPANというイベントに参加してきました。

DOCSF は Digital Orthopaedics Conference San Francisco の略で、
デジタル技術の整形外科分野への応用を目的とした、
UCSFが主催している多職種交流のプラットフォームです。

このイベントの日本版であるDOCSF-JAPANLink を、UCLAの 串岡 純一 先生と、
私の留学時代のマブダチ、UCSFの 森岡 和仁 先生が
東京でオンサイトで開催すると聞き、参加しに行きました。

イベントでは、日本で行われている産学連携や医師起業の実例、
また、厚労省や投資会社の方のお話を聞けて、とても興味深かったですね。

最後の森岡先生の総括では、現在の流れや今後のビジョンがよく理解できて、
私自身の方向性もいろいろ考えさせられた、影響受けるイベントでした。

そう、そういえば、私が整形外科医を目指したきっかけは、医工学への興味でした。
ただ大人になるにつれて、クラス3は、一般医にはハードルが高すぎることに気づき、
治療機器より評価機器の方向へ流れました。現在もその立場にあります。

昨今スタートアップはブームではありますが、もちろん全てが生き残るわけではなく、
技術ありき、起業ありき、but、現場ニーズなし、臨床的意義なし、の深い谷に落ち込むと、
日の目を見るのはなかなか大変です。

私は自分の専門領域である骨粗鬆症や骨画像解析において、
新規技術に対する、現場のニーズ、臨床的意義、技術の正確性などを、検証することができ、
それは自分の今のキャリアでは当たり前と思っていましたが、
今回の多分野での交流を通して、これは自分の大きな財産で、共有する意義は深いなと、
感じることができました。何かアクションしたくなりましたね。


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— posted by 千葉恒 at 08:11 pm   commentComment [2] 

講演会@札幌

講演会で、冬の札幌に行ってきました。

演者は2人で、私が骨粗鬆症の話題、もう1人は浜松医療センターの小林 祥 先生で、
脊椎手術と疼痛の話題で、2部構成の講演会でした。

今回の講演会を企画し、座長をしていただいた先生は、
札幌医大 整形外科 脊椎グループチーフの黄金 勲矢 先生です。

実はこの3人には共通点がありまして、、それは「留学先がUCSF」ということです。

この講演会は、第一三共株式会社主催の、プラリアとタリージェの会ですが、
黄金先生の発案で、裏テーマは「UCSFの会」でして、

同じ留学先で苦労してきた仲間たちが、今は日本でエクスパートとして活躍し、
そのネットワークで、こういうで講演会を作れるなんて。
しかも、骨粗鬆症&脊椎はかなり相性がいい組み合わせで、Goodな企画でした。

講演会の後は、打ち上げみたいな食事会があるのですが、
留学時代の昔話で、かなり盛り上がりましたね。

共通の話題や知人も多く、カリフォルニアワインまで持ち込みで準備してくれて(しかもDuckhorn!)、
黄金先生の超絶ホスピタリティに感動しました。
終盤にはポケットから全員分のウコンドリンクまで出てきました。

この会には、同じくベイエリアのStanfordに留学していた、
北海道大学 高島 弘幸 先生も参加していただいて、
私と同じ骨軟部の画像解析の専門家で、私としてはさらに盛り上がりました。

しかもしかも、この講演会の開催日は、ちょうど札幌雪まつりの期間で、
というか、黄金先生が、雪まつりに合わせてくれていて、
講演会の翌朝には、雪まつりの会場を散策することができました。気持ちよかった!

こんな巨大な雪像、初めて見ましたが、九州人としてはかなりテンション上がりましたね。
これ自衛隊が作っているんですね。知らなかった。

黄金先生、アメージングな企画、ありがとうございました!!

今後も何か講演会を作る機会があれば、UCSF&Stanford(ベイエリア整形外科会)で
集まってみると、楽しい会にできそうです。

ベイエリア整形外科会のOBリストには、脊椎やスポーツなど、多数の演者が揃っていますので、
企業の方には、何かの企画の際はお声がけいただきたいですね。


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— posted by 千葉恒 at 11:15 pm   commentComment [2] 

Denosumab x RA x HR-pQCT

長らく止まっていた論文報告ですが、再開します。

私たちHR-pQCT研究グループLink からの、第23弾の論文が、昨年アクセプトされました。

Denosumab improves bone mineral density and microarchitecture in rheumatoid arthritis: randomized controlled trial by HR-pQCT.Link

Denosumab(デノスマブ、商品名 プラリア)は、破骨細胞による骨吸収を強力に抑制することで、骨密度を増加させる薬剤です。
骨粗鬆症患者に対する調査は多くなされていますが、関節リウマチ患者に対してHR-pQCTを用いて骨微細構造を見た研究はありませんでした。

本研究はデノスマブが、関節リウマチの関節破壊の原因となる骨びらんを抑制できるかを検証したランダム化比較試験のサブ解析で、
本解析(骨びらん)は第一内科の岩本先生が、そしてこの副解析(骨粗鬆症)は整形外科の私が担当しました。

結果は、やはりデノスマブは、関節リウマチ患者においても骨密度増加作用が明確で
(一般論として関節リウマチ患者では活動性の低下やステロイド使用のため、効果が出にくいです)、
骨微細構造では、特に皮質骨への効果が明確でした。

本研究はRCTであり、コントロール群:元々使用していたRA薬±骨粗鬆症薬を続行する群と、
デノスマブ群:デノスマブを追加/切替する群を、比較していますが、

コントロール群は、そもそも骨粗鬆症でなかったり、すでに骨粗鬆症の治療をしている人で構成されているのですが、
そういった、骨粗鬆症の治療対象とならないorすでに治療している関節リウマチ患者さんであっても、
骨微細構造は徐々に劣化していっている、という結果も得られ、こちらの結果の方が重要ではないかと個人的には思っています。

本論文は、Journal of Bone and Mineral Metabolism(JBMM、IF:3.3)にアクセプトされました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。


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— posted by 千葉恒 at 06:32 am   commentComment [0] 

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