まず朝が早いです。毎朝6:00から6:45に病棟回診をします。その時に包交も済ませます。アメリカにはNP(ナースプラクティショナー )という、診察や処方ができるナースがいるので、彼女らが日中に色んな業務をしてくれてるようです。MDの病棟業務は朝の1時間の時点でだいぶ済んでいるのかもしれませんね。
毎朝6:45からカンファランス開始です。最初の15分は、前日に来た救患の紹介をします。だいたい毎日5−10例くらい。感心なのは、入院になった患者だけでなく外来患者もちゃんと提示し議論していることですね。
その後、月曜と火曜の7:00~8:00には、術前、術後患者の紹介をします。週に20−30例くらい手術が入ってますが、それをOTIの約30名の医師が2つのチームに分かれて担当しています(Gold、Blueチーム)。それぞれのチームが、月曜と火曜の2日に分けて、交互に術前、術後報告をしています。つまり例えば、月曜にGoldが10例の今週の手術予定を発表し、Blueが10例の先週の術後報告をする、火曜はその逆、みたいな感じです。
テネシー大学の Campbell Clinic に見学 に行った時もそうだったのですが、症例の発表は簡素で、病歴を読む係と画像を見せる係が分かれていて、テキパキしてます。7−8割は定型手術で特に議論をせずに流します。1時間で20〜30例の術前、術後報告が終わってるので、1例2〜3分くらいですかね。時々大激論があります。Lisfranc損傷に対する一次関節固定術について、ほとんどケンカみたいな議論がされていました。
ちなみに、このカンファには、オペ室のナースやインプラントの業者さんも参加しているようです。
あまり感心しない点としては、口頭とXpばかりで、開放創や感染創の写真を見せたり、手術の作図を提示したりはしませんね。その辺はアバウトです。Campbell Clinicと比べると、手術方針に関する具体的な議論が少ない気がします。術後Xpを見てると、レジデントによるものかイマイチな手術も正直散見されます。
月曜と火曜の8:00~8:30は、これもえらいなと思うんですが、引き続き同じ部屋で、病棟合同カンファをしています。レジデントや指導医に、病棟ナースやNPが参加して、入院患者の問題点を議論しています。
水曜~金曜の7:00~8:30は講演会(グランドラウンド)や、専門別(Trauma, Spine, Hnad, Ankle/Foot)のカンファ、レクチャーが入っています。レクチャーは、演者も上手だし、レジデントもスライドごとに必ず質問をするし、インタラクションがあってとっても効果的です。
その後は、午前〜午後と、手術または外来をするのみです。こうして見ると、朝の数時間にミーティングやレクチャーを詰め込んで、後はマイペースに仕事してる感じですね。
手術は、6割が典型的な骨折、2割が難しい骨折、残り2割が慢性疾患の手術(THAやTKAなど)って感じです。日本と同じで、難しい手術は指導医が、中等度レベルはチーフレジデント(5年目医師)が、ジュニアレジデントは筋鈎引きと閉創で、たまに簡単な手術がまわってきます。技術的には上手い人もいれば、さほど手際が良くない人もいて、人それぞれって感じです。肩甲骨Glenoid骨折のORIF、脛骨Tillaux骨折など、普段あまり見れない手術も見れて勉強になりました。
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