[ カテゴリー » 研究 ]

Denosumab x RA x HR-pQCT

長らく止まっていた論文報告ですが、再開します。

私たちHR-pQCT研究グループLink からの、第23弾の論文が、昨年アクセプトされました。

Denosumab improves bone mineral density and microarchitecture in rheumatoid arthritis: randomized controlled trial by HR-pQCT.Link

Denosumab(デノスマブ、商品名 プラリア)は、破骨細胞による骨吸収を強力に抑制することで、骨密度を増加させる薬剤です。
骨粗鬆症患者に対する調査は多くなされていますが、関節リウマチ患者に対してHR-pQCTを用いて骨微細構造を見た研究はありませんでした。

本研究はデノスマブが、関節リウマチの関節破壊の原因となる骨びらんを抑制できるかを検証したランダム化比較試験のサブ解析で、
本解析(骨びらん)は第一内科の岩本先生が、そしてこの副解析(骨粗鬆症)は整形外科の私が担当しました。

結果は、やはりデノスマブは、関節リウマチ患者においても骨密度増加作用が明確で
(一般論として関節リウマチ患者では活動性の低下やステロイド使用のため、効果が出にくいです)、
骨微細構造では、特に皮質骨への効果が明確でした。

本研究はRCTであり、コントロール群:元々使用していたRA薬±骨粗鬆症薬を続行する群と、
デノスマブ群:デノスマブを追加/切替する群を、比較していますが、

コントロール群は、そもそも骨粗鬆症でなかったり、すでに骨粗鬆症の治療をしている人で構成されているのですが、
そういった、骨粗鬆症の治療対象とならないorすでに治療している関節リウマチ患者さんであっても、
骨微細構造は徐々に劣化していっている、という結果も得られ、こちらの結果の方が重要ではないかと個人的には思っています。

本論文は、Journal of Bone and Mineral Metabolism(JBMM、IF:3.3)にアクセプトされました。
ご協力いただいた皆様、ありがとうございました。


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— posted by 千葉恒 at 06:32 am   commentComment [0] 

明けまして

おめでとうございます。もう1月も終わろうとしていますが。。

今年はなかなか大変になりそうな年です。

夏から医局長になる予定でして、医局の運営や人事などの雑務が、とっっても増えそうです。
私の体調を心配して、しなくていいんじゃないかと止められているぐらいですが、
経験として興味があるので、1年はやってみたいと思っています。

臨床では、人工関節手術を、今よりも多く受け持つことになりそうで、手術も病棟も外来も忙しくなります。
私は、骨粗鬆症の専門外来もやってますし、先輩から引き継いだリウマチ外科もありますので、
マルチタスク気味となっており、ワークシェアをもっと真剣に考えないといけません。

教育に関しては、私の場合、大学院生の指導を主な業務としていますが、現在11人おりまして、
それぞれに割ける時間が短すぎて、これがまた問題となっています。

研究は、現在、30以上の高解像度CTによるリサーチプロジェクトを抱えていて、
そのくせ新しい研究を今後10くらい準備しており、まさにワーカホリックの自作自演です。

自分を苦しめているのは自分自身なので、自分を変えないと、この状況は変わりません。

で、今年の目標Link は何にしましょうか。「ワークシェア」とか「仕事ふやすな!」とかですかね。


— posted by 千葉恒 at 08:36 am   commentComment [2] 

2023年

毎年の恒例で、2023年を振り返ります。

1月 HR-pQCT故障 2週間ほど動かず大変でした
3月 ISCD@シカゴLink (DXAの国際学会)に初めて行ってきました 孤独
4月 大学院生が新たに1名参加(向井先生)
4月 島原病院に月1で応援診療に行き始めました 島原は美しい
5月 骨折事件Link  子どもと遊んでいて激しく足関節を捻挫しました
8月 臨床研究サマーセミナーLink を開催しました 素晴らしい仲間に出会えました
9月 コロナ感染Link (2回目) またメンタルやられました
9月 日本骨粗鬆症学会で 森井賞を受賞Link しました
10月 ASBMRで初のオーラル発表Link をしてきました とんでもない緊張!!
10月 4年ぶりにサンフランシスコに行ってLink きました

今年はとにかく発表ばかりしていた印象で、スライドを数えてみると、、合計56回でした。
週に1回は何らかの発表をしていることになりますね。
研修医の時に、1つの発表がとっても大きい存在だったことを思うと、大人になったなと思います。

論文アクセプトは、今年はなんと1本でした(Dmab-OP)。うーん、ひどいな、、ボトルネックは私です。

現在、サブミット済やほぼ完成の論文は3つあり(PTH-QCT、LC、RA)、
さらに今後、9本ほど完成が予定されていますが(RAC、Cad-Hum、TAA、LIX、AFI、Gx、NOR-Vit.D、PTHvsNOR、PTH2)
、、私がボトルネックです。ふんづまっています。

今年はあと、足関節捻挫(外果裂離骨折)、五十肩(烏口下インピンジメント)、右小指ばね指、
そして、慢性腰痛+急性腰痛発作、と、体を痛めまくって、老化を感じる年でした。

来年からは医局長になろうとしていますが、私の体は大丈夫なんでしょうか?

子ども達との時間は、今だけ、今しかない、かけがえのないもので、
家族イベントは今年も、ハウステンボス、キッザニア、USJ、TDL、、と満喫しました。

来年は数ヶ月間のみサンフランシスコ育ちの長男(K-pon)が小6になりますが、
できるだけ遊びには行きたいなと思っています。

本日、大晦日は、家でゆっくり過ごします。ではよいお年を。

— posted by 千葉恒 at 11:05 am   commentComment [0] 

祝900回!

900回目の投稿です。
ここまできたら、目指せ1000回です。

2011年からブロガーやってまして、インスタやTikTokの世の中でもはや時代遅れですが、
趣味として12年間続いています。

ときどき海外出張でテンションが上がる私の記事を、これからも宜しくお願い致します。

見た目は若いと言われていますが、中身のジジイ化は確実に進んでおりまして、
慢性腰痛、右小指ばね指、今年は、左足関節外果骨折もしましたし(骨片は丸くなりました)、

最近一番つらいのは、右肩関節周囲炎(五十肩)です。
正確には烏口下インピンジメントが起きており、外旋や水平屈曲がとにかく痛い!
夜間痛もひどく、夜中に何回も起きます。

あと、老眼もひどくなり、、言い出したら止まらんな、
遠近両用コンタクトレンズの調整に苦労しまして、やっと最近、落ち着いたところです。

時々、昔の記事を読むのは、楽しいですね。
もともと留学ブログだったのですが、その頃のキラキラ感は、一生モンで、
死んだ時は、このブログは本にして、棺桶に入れてもらいたいです。


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— posted by 千葉恒 at 12:48 pm   commentComment [0] 

ひさびさSF訪問-2

センチメンタルジャーニーのはずでしたが、
滞在した2日間が、やったら暑くて、、サンフランシスコらしくない、南カリフォルニアの感じ、
バス&徒歩でしたので、ひどく消耗し、感傷には吹けれませんでした。

思い出の丘、Bernal heights は、ひたすら暑くて、あと、コヨーテに会ってちょっとビビりました。
おっかけれらて噛まれたらどうしようって、、勝ち目なし。

オレンシアストリートのDandelionは、私のお気に入りのチョコ屋ですが、
日本に出店しすぎて、ここで買う価値が下がってしまうという、あるあるが起きています。
日本には、もう3店舗Link もあるんかい!

さて、今回のSF滞在の一番の目的は、ミーティングx2です。

一つは、UCSF研究者で親友のAndrew Burghardt 先生とのHR-pQCT研究に関するミーティングです。
UCSFは最近HR-pQCTを新型に交換中のようで、現在第1世代と第2世代HR-pQCTの2台持ちになっています。

ミーティングでは、主に私の研究ラインナップを紹介して、コメントをもらいましたが、
彼はやはり技術的なものと、関節リウマチに興味があるようで、
岡崎先生の撮影方法の研究と、白石先生、渡邉先生、飯田先生のErosionの研究には反応してもらいました。
それにしても私の英語力は残念で、もいっかい留学することを決意しました。さらっとカミングアウトしますが。

もう一つは、UCSF Orthopaedic Trauma Institute(OTI)の長尾先生とのミーティングで、
新しいOTI Building(Pride Hall)の施設見学と、UCSF-長崎大学の人材交流や留学に関してお話しができました。

噂には聞いていましたが、新しく引っ越したOTIは驚きの狭さで、スタッフの部屋は、日本の医局より狭かったです。
何か色々な事情でこうなったようですが、みなさん嘆いていました。
とはいえ、スタイリッシュな内装で、カダバートレーニングセンターは、以前よりも規模が大きくなっていました。
コロナ明け、引っ越ししたてで、日本からの訪問第1号だったようです。

夜は長尾家Link で夕食をごちそういただきました。出張最終日に素敵なお庭での日本食は最高でした。
長尾先生の奥様とは、日本人の働きかたについて、激論をかわしてきました。
日本の医者の、自分や家族を犠牲にした働きかたと、米国の医者の、個人や家庭を大事にする働きかたには大きな違いがあり、
その差はシステムの差であり、マンパワーの差であり、財源の差ですので、なんともしがたいですが、
久々このような、留学時代を思い出せるような視点をもてて、とても楽しい会話でした。

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— posted by 千葉恒 at 05:05 am   commentComment [0] 

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