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骨粗鬆症学会@金沢 -2

金沢開催ということで、千葉ラボ(RiBSLink )からの参加希望も多く、合計で15演題の発表となりました。
ちなみに今回の骨粗鬆症学会は、参加者が多すぎて(5400人)、講演やシンポジウム以外の一般演題は全てポスターとなっています。

千葉 恒  シンポジウム 生活習慣病と構造特性からみた骨質
千葉 恒  シンポジウム 高解像度 CT で捉えた骨粗鬆症治療による骨組織の変化
千葉 恒  シンポジウム 臨床研究サマーセミナー 2024 クイックレビュー 
千葉 恒  ポスター   ロモソズマブによる腰椎・大腿骨 DXA の骨密度変化の特徴
千葉 恒  ポスター   高解像度全身用 CT(Aquilion Precision)による骨微細構造解析:正確性検証のための 基礎試験
白石 和輝 ポスター   健常人女性の DXA による腰椎と大腿骨骨密度の特徴:長崎県健常人コホート研究(J- CaraT study)
新見 龍士 ポスター 長期透析患者における続発性骨粗鬆症の病態解析―HR-pQCT による骨微細構造評価―
池永 仁  シンポジウム 皮質骨多孔性の発生メカニズムに関する研究:HR-pQCT を用いた健常人コホートにおける横断解析
池永 仁  ポスター NDB オープンデータを用いた長崎県の椎体骨折数の推定
渡邉航之助 ポスター 乳癌化学療法の骨密度と微細構造に対する影響
近藤 超子 ポスター 健常日本人における 25OH ビタミン D 測定値とその充足率~J-CaraT study より~
青木 龍克 ポスター FRAX と OSTA を用いた新しい骨粗鬆症検診の精度評価―長崎県コホートデータによる検証―
三溝 和貴 ポスター DISH を有する成人男性の骨密度についての検討
山口 圭太 ポスター 骨粗鬆症進行による大腿骨近位部の構造変化―献体遺体を用いた皮質骨微細構造解析―
向井 順哉 ポスター 大腿骨近位部の骨微細構造は末梢骨、特に荷重肢である脛骨遠位部で間接的に評価しうる

また本学会では長崎大学消化器外科の小林 慎一朗 先生と私たちの共同研究が、研究奨励賞に採択されました。

白石 和輝 研究奨励賞  胃癌に対する胃切除術による続発性骨粗鬆症の研究:HR-pQCT による骨微細構造解析

来年は帝京大学ちば総合医療センター院長、内分泌代謝内科教授の井上大輔会長のもと、千葉県の幕張メッセで開催Link されます。


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— posted by 千葉恒 at 09:27 am   commentComment [0] 

骨粗鬆症学会@金沢 -1

骨粗鬆症学会@金沢Link に参加してきました。
まだASBMRの記事が、残り3つほどアップできてませんが、先にやっちゃおう。

日本骨粗鬆症学会は近年、巨大化が進み、現在の会員はなんと1万1000人。
医師が4000人、メディカルスタッフが7000人ほどです。

そして今回の金沢の学会の参加者は、、なんと5400人だったそうです。お祭りでした。
6年前に長崎で開催Link したときは、3000人程度でしたので、倍になっていますね。

学会長は、私も仲良くさせてもらっています、三浦 雅一先生です(北陸大学 理事・薬学部教授)。
学会の会長をしながら、おそらく事務局長もやっていたと思われ、巨大学会で大変な労力だったと思います。

ランチョンの弁当が、3日間とも、とても美味しくって、これって学会では珍しいことで感激でした。
交流会も、日航ホテルでしたが、食事やお寿司やお酒がどれも美味しくて、食が記憶に残る学会でした。

あと、学会で座長をすると記念品がもらえるのですが、今回、輪島漆器のお箸で、これまたセンスよかったです。



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— posted by 千葉恒 at 09:04 pm   commentComment [0] 

トロント トラブル -2

さぁ、大変なミスをしていました。予定の日に帰国できない?かもしれません。
Youtubeで言うところの「緊急で動画とってるんですけど」みたいな感じで、先にアップします。ASBMRの記事は後で埋めます。

帰りはトロント→ワシントン→羽田 なのですが、なんとワシントンでの乗り換え時間がほとんどないことに直前に気づきました。
予約はANAのサイトでしており、そのサイトは乗り継ぎ不可能な便は表示されないシステムのはずですが、、
確認が足りませんでした。予約後に発着時刻の変更が何回かあったのですが、ちゃんと見てなかったので、その辺かもです。

で、それに気づいたのは帰国前日のオンラインチェックイン後。チェックイン完了しちゃったのがまずかったです。
よくよく見ると、予定到着時刻がボーディング開始時刻、、って無理だろ。もう頭真っ白、、(今回の旅、2回目)

これはマズイと、トロント→ワシントンの早朝(6:15)の便を新たに予約しました。それには成功。
ただ、ややこしいのは、元の便のキャンセルがどうしてもできない。
トランジット扱いになってないので、このままだと手荷物もワシントンどまりで再度チェックインが必要か。
そして、新しく取った便のオンラインチェックインもできない。直前の購入だとできないのかな、カウンターでチェックインせろって表示されてるし、、

不安がつのって、当日に現場で処理できる自信がなく、もう今晩中に解決だ!ってことで、
帰国前日の夜に、空港へ向かいました、、こんな経験、はじめてです。

カウンターでは、状況の説明が難しく、手こずりました。
こんな時はChatGPTですね。状況を英訳してもらい、これを読んでくれ、とお願いし、理解してもらいました。

そこからも長かったです。ANAで購入した複合された便を、ユナイテッドでキャンセル、リファンドするのは、ややこしかったようで、
カウンターの女性が2人がかりで、30分ほどかかりました。

その間、コールセンターに直接電話しろ、と言われて、私が電話をしたり、それがうまくいかずに、カウンターの女性が電話をしたり、
部下の黒人女性が「これはおかしい」、上司のインド人女性が「たしかに」とか言って、新たにどこかに電話をしたり、
解決したと言われて手渡されたチケットを、再度、回収されたり、、

2人ともとても親切で、最終的には、元の便をキャンセルするのではなく、私が慌ててとった新しい便を返金して、元の便を新しい便に変更してくれました。
最後にうまくいった時は、後輩女性が先輩女性とハイタッチして、その後、私もそのハイタッチに混じっていました。海外で追い込まれて変なノリになっていたな。

で、翌日、今、無事にワシントンの空港で、余裕のある乗り継ぎをしている最中です。ラウンジでこの記事をアップしようとしています。
2時間後に出発する羽田便に乗り遅れなければ、無事に帰国できる予定です。今、むちゃくちゃ眠たいんですが、安心して最後にここで眠らないようにします!

毎回、海外出張には息子や娘の何かを「お守り」に持っていくのですが、
今回は、工作好きの娘が小さい時に段ボールで作ったスマホ、ピカピカコーゲキを持っていきました(身内ネタで意味不明とは思いますが、悪い奴をやっつける機能付き)。
いろいろありましたが、体のトラブルなく、パパを守ってくれたと思います。


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— posted by 千葉恒 at 10:02 am   commentComment [0] 

ASBMR @トロント-2

他の薬剤で気になったのは、

2)アバロパラチドと骨折治癒

アバロパラチドが骨盤骨折の保存治療において、骨折治癒を促進する可能性があることを示した報告がありました。

アバロパラチドとプラセボの、Phase 2のランダム化盲検試験で(n=22 vs 26)、
3ヶ月後に骨折部の骨形成をCTで評価しています(Bridging score:0-4)。

平均年齢82歳、94%が恥坐骨骨折で、60%が仙骨骨折の合併、40%に少なくとも1つの転位骨折あり、
アバロパラチド群で、転位のある骨折部でBridging scoreが有意に高いという結果が得られていました。

しかしよく保存治療の骨盤骨折を48例もエントリーできたな。HSS(Hospital for Special Surgery)からの報告でした。


3)ゾレドロネート

私も目をつけていた大腿骨近位部骨折に対するゾレドロネートの研究が、MGH(Massachusetts General Hospital)から報告されていました。

大腿骨近位部骨折を発症した患者に入院中にゾレドロネートを投与すると(In patients zoledronic acid:IP-ZAと称していました)、
再骨折率だけでなく死亡率も改善する、という内容です。

研究デザインがやや特殊で、この問いを解明するRCTは、倫理的に実施不可能ですので、
この研究では、MGH関連の多施設で、ゾレドロネートありと治療なしの人たちを、前向きにデータ収集しておいて、
Propensity score でマッチさせて、RCTを模していました。
これは、いわゆる後ろ向きのPropensity score matchingではないようですが、やはり質疑応答では、病院間のケアの違いを指摘されていました。

結果はすばらしく、ゾレドロネート 652人 vs コントロール1926 人(平均年齢 80.9 歳)の比較を行い、
ゾレドロネート群では、2年後の死亡率を有意に低く(HR:0.62)、
しかもその90%は1回しか投与されてませんでしたが、それでも死亡率の低下を認めていました(HR:0.70)。
ただし、90歳以上のサブグループでは、死亡率に差はありませんでした。寿命もありますからね。

再骨折に関しては、どんな切り口でもゾレドロネート群で再骨折の抑制を認めていました。

ゾレドロネートが死亡率を改善するというのは以前から報告されており、その機序は十分にわかっていないのですが、
大腿骨近位部骨折は1、2年後の死亡率が高いですので、今回の症例数でも結果が得られましたのだと思います。
3〜4割減ですので、なかなかのものです。


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— posted by 千葉恒 at 06:39 am   commentComment [0] 

ASBMR @トロント-1

ASBMR(北米骨代謝学会)、初日です。

毎年追っかけている新薬開発の状況ですが、

1)抗スクレロスチン/DKK1抗体製剤

近年、抗スクレロスチン抗体であるロモソズマブが強力な骨粗鬆症治療薬として日常診療で使用できるようになりましたが、
今回発表された開発中の薬剤は、スクレロスチンとDKK1(いずれもWntシグナルに作用)の両方に対する抗体製剤(Bispecific Monoclonal Antibody)で、抗スクレロスチン抗体よりも強い骨密度上昇作用が期待されています。
AngitiaLink という中国系の企業が開発中Link です。CEOは米国で長く研究者(骨形態計測学)をされていた方だそうです。

投与方法が独特で、1回だけ投与(皮下注)して3ヶ月後に評価する、または、1ヵ月ごとに合計3回投与して6ヶ月後に評価する、この2つのパターンで、様々な容量で、安全性、薬物動態、DXA、骨代謝マーカーなどを評価していました。

その結果、1回の投与で3ヶ月後には、腰椎で+6.4%の骨密度増加。3回(3ヶ月)の投与で6ヶ月後には、腰椎で+11.5%、大腿骨近位部(TH)で+5.3%の骨密度増加と、すばらしい結果が得られていました。
骨代謝マーカーは、3回投与では、PINPが最大約175%増加、CTXが約50%低下し、抗スクレロスチン抗体と同様に、骨形成を上昇させ、骨吸収を抑制していました。
重篤な有害事象は(SAE)0でした。

ただし今回の発表はまだPhase1(全群合わせてN=88、1群は5例程度、健常人)ですので、今後どうなるかわかりません。
今まで多くの薬剤が、Phase 2、3と症例数を増やしていくと、悩ましい有害事象が出てきて、開発が中止されてきました。
まだ時間がかかりそうですが、今後も新しい薬剤が増えることを祈っています。

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— posted by 千葉恒 at 11:40 am   commentComment [0] 

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