アメリカでの出産

赤ちゃんが生まれてから,寝不足の日々でした.昨日くらいから母乳が出だして,赤ちゃんが寝てくれるようになり,少し安心しているところです.
今日はアメリカのUCSFでの出産について,日本と違うところをあげていきたいと思います.

1. 入院期間が短い
 1〜2時間,5分毎の陣痛が続いている(第2子以降はあらかじめ主治医と相談)というのが,来院の目安です.もちろん破水,出血があれば緊急で受診となります.
 そして,経膣分娩の場合は産後1〜2日,帝王切開の場合は産後3〜4日で退院となります.

2. 無痛分娩(硬膜外麻酔)が多い
 データは古いですが2001年の調査によると,アメリカでは硬膜外麻酔による無痛分娩の割合は6割だそうです.今はおそらくもっと増えているのではないでしょうか.

3. 夫は立ち会うのが普通
 病室に分娩台などが完備されているので,家族は出産に自動的に立ち会うことになると思います.しかも,はげましたり,水を飲ませたりだけじゃなく,いきむ時に足を持つという役目を言い渡されました.あと,臍帯を切ったりもさせてもらいました.

4. 割礼(circumcision)
 日本ではあまり一般的ではないと思いますが,割礼をするかどうか尋ねられます.あと,出産後も割礼をしたかどうか聞かれることも多いです.circumcisionという言葉に馴染みがないので,最初何のことかわかりませんでした.Wikipediaによると,アメリカでは割礼を受ける人は減ってきてはいるそうですが,6割の人が受けているそうです.
 
5. 母乳主義
 母乳だけで育てるという信念が強いように思いました.母乳が出るまで辛抱強く乳首を吸わせるという感じです.ミルクを足したりとか砂糖水を与えたりとかの説明は全くありませんでした.
 産後3日目に訪問看護にきてもらいましたが,その方が言うには,生理的体重減少が体重の10%を超えたら,ミルクや砂糖水を補うということでした.でも,3日間飲まず食わずで赤ちゃんも辛いのではと個人的には思うので,母乳完全主義じゃなくてもいいのではないかなと思います.

6. 名前は入院中に決めないといけない
 入院期間中に出生証明書やソーシャルセキュリティーナンバーの手続きを病院がしてくれるので,名前を入院中(というか出産翌日まで)に決めないといけません.
 ちなみにうちは半年前に決めていました(笑)
 顔を見てから決めるという人もいると思うので,いくつか候補を挙げておくのもいいかもしれません.
 
7. チャイルドシートがないと退院できない
 チャイルドシート(baby car seat)を病室に持ってきて,持っていることを証明しないと退院できません.
自宅まで車で帰らない人も必要です.

8. 主治医制ではなくチーム制
 外来で見くれていた担当の先生が,出産の時に来てくれるとは限りません.チーム体制になっているので,その時の日勤・当直の先生が来ることになります. 


以上です.病院や担当の先生によって細かいことは変わってくると思います.
今回,入院して思ったことですが,基本的にこちらが訴えないと,それ以上のことはしてくれません.ナースでもすごく気遣ってくれる人からそうでない人まで様々です.希望があったり,疑問に思っていることがあればどんどん主張するのがいいと思います.


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おくるみでおにぎり状態のわが子



— posted by 岡崎成弘 at 02:03 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

長男誕生

無事,妻が元気な男の子を出産しました.
夜中に本格的な陣痛が始まって,そのままMission BayのUCSF Medical centerに入院.
約12時間後に出産となりました.


5分おきに等間隔で陣痛が起こるようになったら連絡するようにと一般的には言われています.ただし,子宮口の開大がすでに始まっている人は陣痛の間隔がもう少し長くても入院になることもあるとのこと.前日の検診ですでに子宮口が3〜4cm開いていたので,陣痛が10分おきになった時点で病院に連絡.
すぐに来院するように言われ,トリアージを受けた後,入院してくださいと言われました.

完全個室で,入院した部屋で分娩する方式です.
入院後すぐに硬膜外麻酔を受け,陣痛が楽になったそうですが,陣痛が0になるわけではないそう.

陣痛が強くなり,子宮口が広がってきたところで,まずは担当のナースが登場(ドクターは娩出直前に来るそう).いきみ方や注意点を電話による日本語通訳を交えて説明してもらいました.(肝心なところは日本語通訳をお願いしたほうがいいと思います.)

僕の想像として,夫は妻の頭側に立って,手を握って,がんばれとか,水を飲ませたり,汗を拭いたりする程度かなと思っていましたが,なんと陣痛の波に合わせて足をもっていきませたりする仕事に就任と相成りました.反対の足はナースが持っています.
もしかして人手不足なのかとか思ったりしましたが,こっちではこれが当たり前?

普段は優しい妻ですが,強くたくましい姿に感動しました.

そして,頭が少し出てきたところで,ドクター(女医さん)がMedical student一人を連れて登場.
(その時はレジデントだと思っていたのですが,翌日聞いたら学生さんでした.やっぱり人手不足?)
妻のいきみ方は上手だったみたいで,みんながほめてくれるんですが.ドクターが「beautiful !!!」と何度も言ってくれるのが個人的にはツボ.笑いそうになりました.(beautifulには立派とかすばらしいという意味があるんですね.)

無事,赤ちゃんが娩出され,産声を聞いた時は感動しました.
分娩が終わった後は疲労困憊の様子でしたが,赤ちゃんと対面した妻の,幸せそうな,そしてやりきったという顔が忘れられません.

今日はこれくらいにしておきます.それでは!


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— posted by 岡崎成弘 at 11:46 pm   commentComment [4]  pingTrackBack [0]

千葉先生,佐田先生訪問 2015年春

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シアトルで行われたOARSIの後,5/3から5/6まで,千葉先生と佐田先生がSFに寄ってくれました.(私は妻の出産が近いので今年のOARSI参加は見合わせました.)
お二人共,お元気そうで何よりです.
いつもおみやげをありがとうございます.千葉先生から子供服を,佐田先生から五島うどんをいただきました.

月曜日のボスとのミーティングでは,千葉先生から今後長崎で行う予定の研究プロジェクトの紹介をしてもらいました.
ラボのDirectorとClinical directorの2人が同席するという豪華なミーティングとなり,非常に有意義なサジェッションを受けることができました.

夜は,長尾先生にTrauma courseが終わりお疲れのところ,食事会に来ていただきました.また,日本人でこちらのM.Dであり,現在MQIRラボで研究をされているKさんにも来てもらい,非常に楽しい夜になりました.


火曜日は,スタンフォード大学に第2世代のHR-pQCTの見学に行ってきました.
僕が被検者になって橈骨遠位,脛骨遠位を撮影してもらいました.
撮影中は動かないようにじっとしていないと,motion artifactという画像がブレてしまうartifactが起きてしまいます.
これは特に橈骨において多く,強い場合は撮り直しになります.
HR-pQCTの撮影時間は一部位につき約2分です.
自分では全く動いていないつもりでしたが,かなり強いmotion artifactが出てしまい,かなりショックを受けました.
手関節・前腕の固定方法,上肢の肢位,呼吸運動による動きなど,どうやったらmotion artifactを減らせるのか,現在みんなで相談中です.


私の留学期間も2ヶ月を切りました.
日本に帰ると忙しくなると思いますが,仕事・研究でいろいろしたいことがあり,SFを離れるさびしさもありますが,今はワクワク感の方が強いです.

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長尾先生,KさんとYuzukiにて


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千葉先生から子供服をいただきました



— posted by 岡崎成弘 at 09:50 am   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

Orthopaedic Trauma Course

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懇親会会場「Great Eastern restaurant」にて


4月30日から5月2日まで,UCSF Orthopaedic Trauma Instituteが主催する,Trauma Courseに参加してきました.
今年で10年目を迎えました.
私は4年前に一度参加したことがあり,ここで長尾先生と初めてお会いしたので,とても思い出深いコースです.

コース前日の4月29日には,日本からコースに参加する先生方向けに,長尾先生からSan Francisco General Hospital (SFGH)の紹介を約2時間かけてしていただきました.SFGHはすべての外傷に24時間対応するレベル1のtrauma centerで,サンフランシスコを始めとするベイエリアの150万の人口をカバーしています(長崎県とほぼ同じ人口ですね).
日本から来られた先生は,旭川3人,秋田2人,神戸1人,沖縄1人(なんと池間先生!)の計7名です,関西医大からは学生さんが2人,4月にSFGHで研修をされていて,症例報告もしていただきました.

Trauma Courseは朝7:30から夜6時頃まであり,とてもタイトなスケジュールが組まれ,講義とハンズオンからなっています.2年間臨床を離れていたのでコースの前は少し心配でしたが,楽しく学ぶことができました.日本ではまだ未承認の機器を見ることができるのも海外のコースに参加する魅力だと思います.


ハンズオンに参加すると,iPadなどの豪華賞品が当たるくじの応募券をもらえるのですが,なんと250ドルのLippincottの図書券をゲットしました!以前から買おうか迷っていたImagingの本を買うことができました.

西尾先生といろいろ相談しながらハンズオンをやったのが楽しかったです.またいい思い出ができました.

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— posted by 岡崎成弘 at 09:43 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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