各分野のインパクトファクターを調べる手段はいくつかありますが、長崎大学図書館が推奨している、
Journal Citation Reports(JCR) で調べてみます。
整形外科分野では、今、インパクトファクターが1番高い雑誌はAmerican Journal of Sports Medicine(5.810)です。
しかしながら1番権威があるのはJBJS(Journal of Bone & Joint Surgery:4.578)です。このパターンは他の分野でもよくあります。
ほかには、CORR(Clinical Orthopaedics and Related Research:4.329)やBone & Joint Journal(4.306)が有名です。
最近査読をしていてたまたま気づいたのですが、以前からJBJSよりSports Medicineがインパクトファクターが高いことが気になっていたのですが、
JCRのカテゴリーにSports Scienceというのがあってそこで調べてみると、さらに上があって、British Journal of Sports Medicine(12.680)はかなり高いです。
スポーツ科学のインパクトファクターがなぜ高いのかはその背景は知りませんが、医師以外にも理学療法士やトレーナーみたいな方々も研究する人たちが多いのかもしれません。
骨粗鬆症や骨代謝の分野は、逆にJCRのカテゴリーとして独立しておらず、内分泌代謝に含まれているので、わかりにくいのですが、
私たちの業界の常識としては、JBMR(Journal of Bone and Mineral Research:5.854)、Bone(4.147)、Osteoporosis International(3.864)が三大ジャーナルです。インパクトファクターは高くないですが、本分野の研究者はJBMRに何本か載せたら、立派な経歴となります。
リウマチ分野は、Annals of the Rheumatic Diseases(ARD:16.102)とArthritis & Rheumatology(9.586)が2大権威です。それぞれ欧州(EULAR)と北米(ACR)のリウマチ学会の雑誌です。
放射線医学では、Radiology(7.931)で、ここでも同じく、権威のある雑誌がインパクトファクターが1位とは限らないです。
そもそも論文の価値は掲載誌のインパクトファクターと同等ではありませんので、いかに引用されたかで評価が問われます。
加えて、論文がアクセプトされるかどうかなんて、エディター、レビュアーの好みでおおよそ決まるので、インパクトファクターには振り回されない方が良いです。
(下はそれぞれ、ORTHOPEDICS、SPORT SCIENCES、ENDOCRINOLOGY & METABOLISM、RHEUMATOLOGY、RADIOLOGY, NUCLEAR MEDICINE & MEDICAL IMAGING)
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