骨粗鬆症の治療継続

相変わらずWeb講演をやっているのですが、先日、骨粗鬆症の治療継続について質問を受けました。

たしかに骨粗鬆症の治療を継続してもらう事は簡単ではないです。
骨粗鬆症は普段は症状がないので、お薬を飲んでも何か自覚症状が変わるわけではなく、飲み続けるモチベーションが湧きにくい薬です。
しかしながら骨折したときのインパクトは大きく、特に頻度の高い椎体骨折の場合は、症状も残りやすく再発率も非常に高いためタチが悪いです。

継続のポイントは、私の考えとしては以下の4つがあります。

1)定期的な骨密度測定
1つ目は、骨密度を定期的に検査することです。私の場合は6ヶ月または12ヶ月おきに行っています。
腰椎・大腿骨DXAで評価することが大事で、残念ながら橈骨DXAや踵骨QUSでは、骨密度上昇を確認することは容易でないです。
骨密度が少しでも上昇していれば、患者さんとしてはモチベーションが継続できます。
低下したらしたで、お薬を変更したりしてさらに継続することができます。

2)骨代謝マーカーは?
正直、継続率にはあまり役に立ちません。
骨代謝マーカーは患者さんには理解しにくく、そもそも保険診療上の回数制限もあります。

3)治療期間を最初に宣言
あまり知られていないコツですが、最初に治療方針と治療期間を説明することは、治療継続率においてとても重要です。
なぜならば、骨密度を上昇させるには、とっっても長い期間を要する事を、患者さんはほとんど知らないからです。
私の場合は、初回の骨密度検査を見て「少なくとも3から5年の治療期間が必要です」と宣言することが多いです。
その期間は通院しないといけないな、と最初に心構えてもらうことは、意外と重要です。

4)途絶えたら連絡を取る
最後に単純な話ではありますが、通院が途絶えた患者さんに連絡を取ることも重要です。
しかし、連絡をとっても「まだせんといかんの?もう十分したし、症状もないからいいでしょ」となるので、
やはり定期的に骨密度検査をして、現状を把握することが重要となります。

— posted by 千葉恒 at 09:25 am   commentComment [0] 

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