外部審議会

以前、うちのラボがもらっている大きなグラントLink について、このブログで少し書きましたが、
今日は、このグラントに対して、外部委員による審議会が行われました。

この助成金はP50と言われていて、$ 6.3 million(5億円)の予算がついています。
NIHのGrantの種類Link はかなり複雑で、最も一般的なものがRシリーズで、R01を取ることが通常のPIの目標です。
他に、Kシリーズや、Pシリーズなどがあり、P50は大きい方のグラントです。

このグラントには、外部審議会Link (External Advisory Board)が設けられており、
同じフィールドの、他大学の著明な研究者や医師などが6人選ばれています。
本日、彼らが各地よりやってきて、丸一日かけて進捗状況を確認します。
内容的には、こちらのPI達によるプレゼンや施設紹介、外部審議会による教育講演と現時点での忠告と提案です。

こちらのPI達と外部審議員のミーティング自体はクローズドなので、細かなやり取りはわかりませんが、
おそらく、研究の方向性や予算の使い方などについて、いろんなツッコミがあるのだと思われます。
僕は、オープンになっている教育講演だけを聞きに行きました。

こういうシステムは興味深く、日本では聞いたことがありませんでした。
日本ですることと言えば、助成の終了後に報告書をまとめたり、報告会で発表することでしょうか。
複数年にわたる助成の場合、年度末ごとに中間報告書を提出します。それでも十分に面倒です。

加えて、最終的に結果がでなくても、金を返せとは言われませんので、
医学の進歩にそんなに役に立ってない研究がたくさん行われているかもしれません。

アメリカでは、このような大きな予算の場合、予算に見合う社会的還元が行われるかが、
外部の人間より厳密に審査される、ということであり、面倒ですが、こうあるべきで、正しいと思います。

ただ、以前も触れましたが、アメリカの研究予算は大きいとは、一概には言えません。
なぜならば、この予算から人件費や撮影費を捻出しないといけないからです。
日本では、人件費は病院や大学から出ていますし、機械の使用費を払うことも少ないですし、
被検者に謝礼を払ってもいけません。

アメリカの、特に研究者を雇うための人件費は、予算のかなりの額を使うと思われます。
興味があるので、今度、直接聞いてみようと思います。。


— posted by 千葉恒 at 04:12 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [7]

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