査読

日本滞在中は、妻と赤ちゃんのケア、知人や同僚への挨拶に加えて、
アメリカから持ってきた解析や論文書きなどの仕事もやってます。

最近よくやっている仕事が「査読」です。なぜかこの2−3週で5件ほどやってます。
雑誌に投稿された論文は、エディターがまずレビュアー数人を指定してコメントをもらい、
それを元に、その論文をアクセプトするかリジェクトするかを決めています。
レビュアーが論文の学術的価値や問題点を審査して、コメントを書く作業を査読(さどく)と言います。

以前は、上司の査読のお手伝いをさせてもらうことが多かったですが、
最近は、2-3ヶ月に1回くらい、僕に直接、査読依頼のメールが来ます。
僕の公表してきた論文から僕の専門分野を割り出して、勝手にメールを送りつけているようです。

いつも断ってきたんです。責任が重いと感じていたのと、英語でコメントするのが面倒という理由で。
でも最近は、ちょっとずつ引き受けるようにしています。ハードルが下がった理由は、
僕がどうコメントしようと、最終的にはエディターが決めるし/僕が投稿した論文に対して、適当な感じのコメントを今まで何度ももらってきて、こんなもんでもいいのかなと気楽になって/留学を通して英作文への抵抗が減り/時間があるので今のうちに慣れておくのものいいかな、などが挙げられます。

査読してみて、論文が判定されるプロセスがわかってきたのは、ためになりましたね。

例えば下記の査読結果の入力フォームでは、

1. Subject Appropriateness of the Manuscript
 A. The topic of this manuscript falls within the scope of International Journal of Endocrinology
 B. The topic of this manuscript does not fall within the scope of International Journal of Endocrinology
2. Recommendation
 A. Consider after Minor Changes
 B. Publish Unaltered
 C. Consider after Major Changes
 D. Reject (Paper is not of sufficient quality or novelty to be published in this Journal)
 E. Reject (Paper is seriously flawed; do not encourage resubmission.)
3 Comments
4 Confidential - This part will not be sent to the author

1. この雑誌に適した内容かどうかの判定:つまり、いい内容でも雑誌のテリトリーから外れると、リジェクトされうる、ということです。
2. 判定:特に Reject の do not encourage resubmission は恐ろしいですね。。
3. 筆者へのコメント:ここに査読したコメントを書きます
4. 編集者のみへ送るコメント

別のフォーマットではこうでした。
1. Suggestion
 1. Rejected
 2. Re-review after thoroughly revise as noted
 3. Accepted with major revisions
 4. Accepted with minor revisions
 5. Accepted Without Changes
 6. Strongly Recommended
2. How is this scientific significance likely to change over the next 5 years? G for Grow, R for Remain, D for Diminish :
3. Does the paper discuss novel and/or unpublished work? Y for Yes, D for Don't Know or N for No :
4. Within its field of specialization, is the topic important? Put Y for Yes, M for Moderately or N for No :
5. Comments to Author (General)
6. Comments to Author (Specific)

1. 判定
2. 学術的将来性
3. 研究の新規性:重要なテーマでも、新しさがない研究はダメ、
4. 研究の重要性:新しくても、何の意味があるの?って研究はダメ、ってことですね。
5.6. 筆者へのコメント

なるほど、理屈がわかってきましたね。
新規性、重要性がある研究を、テーマに沿った雑誌に投稿する。当たり前ですが重要です。


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— posted by 千葉恒 at 11:18 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [3]

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