日医放@横浜 -2

展示場で目に付いた機器や技術について、列記してみます。

(全身用高精細CT)
TOSHIBAからついにスライス厚0.25mmの高精細CTが発売開始となりました。商品名は、Aquilion Precision になったようです。開発期間16年、TOSHIBAの名前でリリースできて良かったですね。秋からはTOSHIBAの名前はなくなり、Canonになるそうです。

今まで何十年もの間、全身用CTのスライス厚は0.5mm程度が最高でしたが、このCTは世界で初めて0.25mmを可能にしました。z軸だけでなくxy平面も改良され、in plane 解像度は0.15mm、matrixは標準1024で、最大2048まで可能とのことです、ひえ〜。(ちなみにHR-pQCTの標準は2304です)検出器の列数は160列で、1回転で4cm撮影できます。320列のAquilion ONEと違って(16cm)、スピードではなく高精細であることで差別化しているとのことです。

データが重くなるのが問題で、0.5mm / matrix 512 の時の8倍のデータ量になるので、サーバが大変ですね。あと、モニターも高精細でないと意味がないので、周辺機器も含めたインストレーションが必要とのことです。

(CT:IR、Dual Energy、Filter)
主にSiemens ブースですが、まずは前からの技術ですが、IR(Iterative Reconstruction)によるMetal artifact suppression。あと、これは知らなかったのですが、dual energy の subtraction で、bone marrow のカラーマッピングをして、骨折部をMRIの骨髄浮腫像のように描出できる技術。多発外傷の全身CTでの骨折スクリーニングに応用できそう。ほか、SnやAu(スズ、金)のフィルターで、スペクトラム幅やエネルギーの調整をして、Metal artifact suppressionに応用したり、1管球でDual Energyを可能にしたりしているようで、まぁ、よく考えたなぁ、、と関心してしまいました。

(MRI:compressed sensing)
MRI撮像のスピード化には、前から興味がありますが、以前より parallel imaging というのがあり、UCSFの同僚(フランス人のジュリアン、元気してるかな、)がラボミーティングで時々発表していましたが、今の流行りは compressed sensing(CS) みたいですね。

要は k-spaceからのサンプリングを、どう間引くか、なのですが、CSではランダムサンプリングをしてかなり少ない元データから画像を作っているらしいです。当然ノイズが増えるのですが、計算繰り返すことでどうにかなるそうです。
今後、spin echo や iso voxel系(spaceなど)にも適応されて、短い時間で高い解像度の画像が得られることを期待しています。

ちょっとマニアックな内容になりましたが、さすがに8年ぶりに行くと、新しい技術がいろいろ目について楽しかったです。

— posted by 千葉恒 at 06:46 am   commentComment [0] 

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