この会は「CTを愛する」放射線技師さんたちの集まりで、2015年に参加したことがあり 、今回はひさびさの参加となりました。
CTの進歩には、日本の技術が多いに関与しており、特にヘリカルCTの原理は、日本の放射線技師である辻岡勝美 先生が開発しています。
CTサミットは、辻岡勝美先生を中心に発足した研究会で、実に雰囲気の良い会で、医師の参加は少ないですが、こっそり参加しています。
今回気になった話題は、やはり、新しい原理のCTである、Photon Counting CT です。
各社開発しているようですが、Siemens社が実用化に成功し、今年より販売を開始しています(NAEOTOM Alpha )。
CTは、管球からX線が照射され、被写体を通過し、検出器で減衰を測定し、画像化しているわけですが、今回の進歩は「検出器」にあります。
Photon counting detectorは、今までの固体シンチレータと異なり、X線Photonを直接電気信号に変える というものです。
Siemens社は、2009年から開発を開始し、2012年に日本の沖縄の会社(アクロラド社 )が開発したテルル化カドミウム(CdTe)の検出器を用いることがブレークスルーとなり、2021に製品化に成功しました。
今回の進歩は、高解像度、低ノイズ、低線量、スペクトラル画像のさらなる向上をもたらしますので、高解像度画像に興味のある私としては、興奮のニュースでした。
実は、私がUCSFの放射線科に留学中に、2012年に聴講したレクチャー で、Photon counting detector は今後注目だ!と言っていたことを覚えていましたので、それが製品化されたのは感慨深いですね。
(下図:CTサミットおよびSiemensのウェブサイトより)
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