ASBMR(アメリカ骨代謝学会)の抄録の締め切りが迫っています。
ぼくらのグループでは最も大事な学会の1つになります。
現在取り組んでいる男性骨粗鬆症を応募しようと急ピッチでデータの統計解析を行っています。
朝早くラボに行って、9時過ぎに家に帰ってくる日が続いていて、少し体がきついです。
きのうはHR-pQCTのグループ内でミーティングがあり、解析結果を一部報告しました。
ぼくの研究では健常男性80名を対象にした1年の縦断研究です。
通常のHR-pQCT撮影部位よりも近位側を撮影したデータで、海綿骨ではなく皮質骨をメインに解析しています。
1年の経過でHR-pQCTやDXA(腰椎、大腿骨近位、橈骨)では下記の解析結果が出ています。
1)脛骨の皮質多孔性が有意に増加し、皮質骨BMDは有意に低下
2)橈骨では1年の経過で明らかな有意差なし
3)DXAでも有意な変化はなし
これらの変化率を算出して、その他のデータ、例えば血液検査、IPAQ(国際標準化身体活動)のアンケート、FRAX score(WHOが開発した10年内の骨折リスクを示す数値)、BMIなどと相関がないかをチェックしています。
皮質骨BMDの低下ですが、昨日のミーティング数時間前に有意差が出ていたことが発覚しました。
baselineとfollow-upの変化率ΔCt.BMDは-0.25±0.63%でした。
変化率が小さいので有意差はないと思い込んでいたのですが、スライドにp値を記入しようと思い計算したところP<0.01でした。
何かの間違いではと思い何度も計算しましたが、同じ結果です。
ミーティングまで時間がなかったのであせりました。
データを比較してみると多くの人がわずかながらfollow-upで数値が減少していました。
勝手に有意差なしと思い込んでいた自分が情けなくなると同時に、こんなわずかな差異を検出できるHR-pQCTの性能に感心してしまいました。
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