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骨研究者ミーティング 2

以前も書きましたが、コロラド大学関係で骨研究をしている研究者のミーティングが存在します。
2か月前から参加させてもらっているのですが、今回はオンラインで行われました。
オンライン会議は、初めての試みだったのですが、気楽でいいですね。

内容の1つは、Julio先生と、もう一人の研究者がprincipal investigator(PI)として申請したgrant(研究助成金)に関する内容でした。
つまり、アメリカでのNIHグラントである、RO1申請について受け取ったフィードバックを、皆でディスカッションしました。
(NIHグラントのしくみについては、こちらLink

研究内容は、MRIを用いたbone marrow fat (骨髄脂肪)に関する研究です、くらいにしておきます。
計画書や予算など具体的なものを見れて、いい経験になりましたし、後からその仕組みも知る事ができました。
先生の役割は、あくまでも画像解析ですので、メカニズムとかよくわからんけど、そこは頑張るよと笑っていました。
ただ、まだ審査の途中のようでしたね(スコアも分かったうえで、再提出の期限も話していたので、2次審査前?)

これが、あの頃の先生を多忙にさせていた1つだったんだなあと振り返っています。
引きこもってたり、所在不明で、後から謝られたりもしました。

あと、これは個人の問題なのですが、なんだか英語のリスニング能力が落ちた気がしてなりません。
元々、たいしてあるわけではないのですが、うーん、この2か月の影響かな??
妻に聞いたのですが、別の日本人留学生も同じ事を話していたみたいです。
Julio先生の英語は慣れてるので、聞き取れるのですが、頭が英語モードへ全然切り替わってないような・・・。

今のノルマが落ち着いたら、何か考えようかなあ。

1



— posted by 白石和輝  at 02:20 am   commentComment [0] 

English proficiency policy

こちらでも、ペットの散歩時などにマスク着用が推奨されてるようになりました。
あれだけマスクしていなかったアメリカ人が、きちんとマスクしている姿は、異様な光景に思えてしまいます。
また、スカーフを口周りに巻き、かつサングラスをしている人が多くおり、一見すると日本でいう悪い人に見えてしかたありません。

この状況の下、アメリカ大使館による非移民ビザや面接が中止されており、留学を予定していた方にとっては、非常に難しい状況ですね。
今後、留学を少しでも考えている方にとっても、さらに考える事が増えたような気持ちになる方もいらっしゃるのではないかと考えます。

ただ、留学に関するやりとりが再開された時に備えて、前もって確認しておいたほうがいいことの一つが、このEnglish proficiency policyだと思います。
これは、英語能力の証明といいますか、大学の方から一定の英語能力があることを公式に証明することが求められています。

これは、経験されておられない先輩留学生も多く、比較的新しいことなのかもしれません。
ですが、検索をかけてみると、多くの大学で同じような制度が設けられており、その内容は多少違っているようなので、
各大学のHPで必要かどうかを確認されたほうがいいかもしれません。

ちなみに、University of ColoradoのJ-1 Exchange visitorでは、ココLink が参照です。

その内容に関しては迷うことは少なく、この中の1、2、4、5に該当する人は非常に少ないと思われ、現実的に3から選ぶことになります。
(4/17 追記
1のオンライン面接については、150$かかる上に、詳細が書いていないのですが、コメント欄を参考にされてください。
英会話に自信のある人は、最短で終わらせる方法かもしれません。)

3については、添付画像のとおりで、TOEFL、IELTS、Cambridge English、TOEICの中から、最低得点を上回るスコアを提出することになります。

僕自身の経験をお話すると、留学先の研究機関からOKが出て、ようやく手続きの話をもらったと思ったら、いきなりこの話からスタートしました。
当時は、留学スタートの残り期間を考えると、いきなりつまづいた感じで、焦りましたね。

僕の場合、この中で、現実的に最短勝負できるのはTOEICかなと思い選択しました。
いつかは受けようと思って、勉強を少ししていた時期があったからです。
ただ、TOEIC試験もすぐ受けられるわけではなく、申し込みは本試験1ヶ月半前くらいに締め切られます。
そして、長崎のような田舎は、2ヶ月に1回しかありません。
このため、慌てて福岡まで受けに行きました。

今、振り返ってみると、この添付画像に記載されている証明は過去2年間に遡って有効ですので、
それを知っていれば、もう少し早く受けにいっていたと思うんですが。

ただ、いいわけになるかもしれませんが、長崎でただ実力を試すだけのために、受験しようとした場合、
貴重な日曜をこのためだけに何ヶ月も前から空けておくのは、やはり考えてしまいませんか??
いつかはいつ?とはよく言いますが、土日には、学会や当直、バイト、家族の行事、大学院生は授業、専攻医は専門医試験の勉強・・・。
医師の土日は、色々と予定が詰まっていますよね。
これを書きながら、日本の現実生活を思い出してしまいました・・・。

ちなみに、直接の師事を仰ぐボスが、所属する研究機関のトップで必要なかったというケースもあるみたいです。
いずれにしろ、この確認と、早めの勉強や対策が慌てずにすむかなと思って、書いてみました。
参考になれば、幸いです。

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— posted by 白石和輝  at 03:36 pm   commentComment [4] 

ダ・ヴィンチの絵

あいかわらず、コロナウイルスの収束の兆しはなく、外出禁止令は予想通り4月末まで延長されました。
日本でも非常事態宣言がでて、少し状況が変わってきている印象を持っています。
長崎は落ち着いているようで何よりですが、皆さん健康にお過ごしください。

さて、みなさんは、美術好きですか?
僕は、小さい頃よく絵を描くのが好きでしたし、今でも美術館に行くのも好きです。

少し前にニュースになったのですが、レオナルド・ダ・ヴィンチの絵に関する研究の話をしたいと思います。
元ネタは、こちらのニュースLink です。
今回の研究では、X線と新しいアリゴリズムを使って、キャンバスに描いた最初の下絵を解析したみたいです。
下絵は、今の完成された絵からは全く見えない隠れている部分なのですが、それをどのように抽出したかが興味深い内容でした。

その解析方法は、記事を訳すと、まず層別化した各ピクセル単位で解析を行います。
解析した各ピクセルはダヴィンチが使った材料を基にした異なる元素で構成されており、各ピクセル毎の違った情報が得られます。
それを全体で組み合わせていけば、隠れていた下絵が抽出されたとのことです。

これ以上の詳細は書いていないので分かりませんが、
おそらく下絵が描かれた部分と同じピクセルを、何らかの方法でクラスタリングして分画化したんだろうと思います。
最終的に抽出された下絵の天使と赤ちゃんは、見事なタッチですよね。

個人的に、この記事に敏感に反応したのは、こちらに来てからの研究は、これと似たような考え方をしていまして、
VBM(Voxel-based-morphometry)といいます。

もちろん概要が同じようなものであるというだけで、こちらの方が3次元でやり方は、より複雑です。
このやり方は、最初は脳科学から流行ったやり方で、それをJulio先生が骨に応用しています。
その方法で、骨全体をボクセル単位で解析し、2つの異なる集団や、同じ集団の縦断における局所的な比較ができます。
詳しく書くと長くなるのですが、簡単にいうと、色々と前処置をして、最終的に各ボクセルが持つ特性(骨で言えばBMDやBV/TVなど)を統計学的に評価することになります。

ということで、個人的に印象に残るニュースでした。





— posted by 白石和輝  at 03:54 pm   commentComment [0] 

コロラド州デンバー3 ~肥満少ない??~

Stay at home order (外出禁止令)では、公園は閉鎖されていますが、
Social distancing (対人距離)をきちんと保っていれば、必要最低限のペットの散歩やサイクリングが、ある程度認められています。

家にずっといると、色んな事でイライラは募るし、子供達も体力が有り余っています。
なので、雪の日以外は、たまにサイクリングに出かけるようにしています。
デンバー市は、前にも書きましたが、サイクリングコースが充実しています。
今はこういう状況で、平日でもいつもより多いですが、
普段からランニングなどの運動をしている人は多いし、自転車の保有率も絶対に高いと思います。

子供のいる人でも積極的に運動しています。
ベビーカーを押しながら走っている母親も、たくさん居ます。
自転車で牽引するチャイルドトレーラーを持っている家族も多いです。

ということで、近所の人がしばらく使わないからと、このチャイルドトレーラーを借してくれて、我が家もみんなでサイクリングしています。
一番チビは、いつもこのトレーラーの中で爆睡しているので、乗り心地はよさそうです。

このデンバーでは、このように運動している人もたくさん居て、学校で会う父母の中にも俳優さんみたいにスタイリッシュな人もいたり、
アメリカにしては、明らかに肥満の人が少ないなあと感じていました。

それもそのはずで、添付のデータを見ると、納得です。
コロラド州のBMIは、日本から見ると高いかもしれませんが、肥満国アメリカではダントツに低いです。
これは、素晴らしいことだと思います。


徐々に日本も、感染者が増えてきているみたいですね。
今のこちらの状況は、回復の兆しもなく、精神的にもきついです。
日本も感染者が増え続けて、今のこちらと同じ状況にならないように願っています。

NONALNUM-b2Jlc2l0eeacgOS4i-S9jQ-E
    真ん中の黄色いCOがコロラド州


  チャイルドトレーラー


— posted by 白石和輝  at 04:05 pm   commentComment [0] 

グランドラウンド 2020年3月 

2週前になりますが、3月のグランドラウンドは、予定を変更して行われました。
日本も同じ状況だと思いますが、講演会は全てキャンセルになっています。
変更された内容は当日知ったのですが、大学の役職( Professor/Associate Professor/Assistant Professor)に関する事や、
研究助成金に対する説明や支援に関する事でした。

今回の内容で気になったのは、academic metricsについてです。
日本語訳したら、学術指標といったらいいのでしょうか??
役職にapplyするためには、こういうのを指標にしましょうということで、下記が示されていました。

・Number of PubMed papers (total)
・Number of PubMed papers (per/yr)
・Number of PubMed papers (1st or senior author)
・h-index
・RG percentile score
・Number of Grants (total)
・Number of Grants (Federal/DDD/NSF)
・Number of Grants (Society/Award)
・Number of Grants (Industry)

この中で何だろうと思ったのが、h-indexとRG percentile scoreでした。
研究者の中では、もしかしたら常識なのかもしれませんが、恥ずかしながら僕は知らなかったので、ここに残しておきたいと思います。

その時の説明は、
h-index: number of highly impactful publications a researcher has published.

・Assistant professor = 1-10
・Associate professor = 10-20
・Professor = >20

RG score: Measures scientific reputation based on how your work is received by your peers
でした。

この時は、何の事かさっぱり分かりませんでしたので、後で調べてみました。

h-indexに関してはココLink がわかりやすかったです。

つまり、ある研究者が、どれだけ被引用数の多い論文を、できるだけ多く発表しているかを表したものになるみたいですね。
単に発表が多いだけで、その多くの論文が引用される事が少ない価値の低い論文だった場合、評価を下げてしまいます。

一方で、RG scoreは、ココLinkココLink が参考になりました。

RGとは、ResearchGateの略で、2008年からサービスを開始している研究者のためのソーシャル・ネットワーク・サービス(SNS)です。
この中での活動、主に、他の研究者とのやりとりを行うことで評価され scoringされる仕組みみたいです。
登録していれば、自分の論文が読まれた数、web上でのCV登録、人気の論文の通知設定、論文のダウンロードなどのサービスもできるとのことでした。

なるほど、どういうものか分かったのですが、日本の一流研究者の間では、これらは浸透しているんでしょうか???
やってる人に、感想を聞いてみたいです。

IMG_4946
近くのスーパーの棚は、こんな事になってます・・・・


— posted by 白石和輝  at 12:22 pm   commentComment [0] 

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