[ カテゴリー » 研究 ]

骨研究者ミーティング

主に、コロラド大学と小児病院に勤務する研究者のミーティングが不定期で開催されています。
僕もメンバーに入れてもらえるようになり??、この間、2回目の参加をしてきました。

参加者は、ざっと確認できた限りで、整形外科、内分泌内科、放射線科、小児科、バイオエンジニアリングなど多岐に及びます。
10数人のメンバーですが、ほとんどの人が、アメリカ骨代謝学会(ASBMR)に毎年参加しているみたいで、
本会の後に、この会でフィードバックをしたりするとJulio先生が前に仰ってましたね。
残念ながら、今年はありませんでしたが・・・

1回は、運動療法と骨の関係を研究している研究者をゲストに招いてのpresentation、discussionでした。
肥満者が運動をして体重減少したときに、その行った運動療法でも骨減少に違いがでるらしいです。
ちなみに、所属部門は、Department of Health and Exercise Science。
日本語訳できない、というか日本には存在します??
そして、運動療法の種類も、その世界では常識??のようにさらっと言われ、後でGoogle先生に教えてもらいました。

もう1回は、1型糖尿病と骨に関する研究でした。
nも十分で、DXAのデータまではそろっていましたが、今後どうするかのdiscussionが白熱してました。
疾患の背景から、どうしても平均年齢が40代で若くなり、骨生検まではやりすぎなのではないかという話がありました。
最後の方で、誰かの、HR-pQCTが来るまで待ってみては?という発言もありましたね。

そうなんです。実は、当大学にも、第2世代のHR-pQCTが導入されるという話があります。
これはほぼ決定事項で、うちの研究室は、がっつり絡んでいます。
ただ、今のところは、もう少し先の話になりそうです。
当たり前になってしまいがちですが、HR-pQCTがあれば、少ない放射線量で患者さんに侵襲がなく検査できる。
これって改めてすごい事だなと思いました。
長崎では、この長かった議論は発生すらしないでしょうし。

また次回。

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— posted by 白石和輝  at 03:49 pm   commentComment [0] 

インフルエンザ

前回の記事をアップした後ですが、なんと妻がインフルエンザにかかりました。
翌日には、子供達もあやしくなり、近くのクリニックへ連れて行きました。

インフルエンザの初期の頃は、検査が陰性のこともあり、時間がたって再検査すると陽性に転じるパターンを臨床でも経験します。
今回は、まさにこのパターンで、2回連れていくことになり、最終的に子供達にもインフルエンザAの診断が下りました。

2回とも担当してくれた女医さんは、優しい先生でよかったですが、
何が大変かって、待っている人はどう見ても多くない割に、2回とも長時間待たされたことです。
これが、アメリカなんだろうと思いますが、日本では、絶対にクレームですね。
この検査のためだけに、何時間かかるのか・・・。

そこから、タミフルをもらうために近くの薬局へ行く必要があり、そこでも、さらに時間がかかりました。

肝心の診察代は、保険でカバーしてもらいました。
そして、お薬は後から領収書を提出して、保険で返金してもらう予定です。
保険がないと、本当にとんでもないことになりますが、普段高いお金払ってるので、このくらい払ってもらわねば。

あと、薬局で店員さんに、自慢げにこれだけディスカウントしたぜと言われたのですが、どういう仕組みなのかは気になりました。
確かに、ディスカウントしてない薬の元値はびっくり仰天で、諭吉さんが何人必要なの??っていうレベル。
それを見たら、ここまで来て拒否する人もいるんじゃないかと思うくらいです。
誰か知っていたら、教えてください。

現在、タミフルの効果が絶大で、回復傾向です。


追伸:最後にお会いした乳腺外科の花村ファミリーには、この件でご迷惑をおかけしました。
特に、みなさん問題なさそうで何よりです。
デンバーに来てから、最初にお呼びいただいたのは、花村家でしたね。
また、近所の方が居なくなられるのは、寂しい限りですが、日本での再会を期待しています。

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— posted by 白石和輝  at 04:25 pm   commentComment [0] 

ノーベル賞公演

2019年のノーベル生理・医学賞を受賞された米ジョンズ・ホプキンズ大学のセメンザ(Gregg L. Semenza)教授の特別公演がありました。

セメンザ教授は、低酸素状態で腎臓がエリスロポエチンを分泌して赤血球を増やし,酸素の運搬能力を上げようとする際に、この反応を活性化するタンパク質を発見。
これをHIF-1(低酸素誘導因子,hypoxia-inducible factor 1)と名付けたのが最初で、後に遺伝子同定されています。

この低酸素反応の研究が評価され、後に、酸素が十分な状態では逆にHIF-1αを減らす仕組みを研究した2人の研究者との共同受賞となったようです。

実は、昨年末に知り合いの家でテレビを見ていると、サイエンスzeroという日本の番組で、偶然この特集をしていました。
麻酔科領域など、低酸素に絡む分野の研究では有名な遺伝子で、虚血の研究をしていた妻とその話をしたばかりでしたが、まさか本人の公演があるとは。
(余談ですが、テレビジャパンというチャンネルでは、日本の番組を放送しています。
永住組のご家庭では、契約されているところもあります。)

公演では、これまでの研究が順を追って説明されていきました。
最近では、低酸素感知以外にも、血管新生促進の働きなどにも着目されており、
腎性貧血改善の薬だけなく、がんや目の疾患に対する治療の研究も進んでいるようです。
最後には、超低酸素環境のチベット族の、この領域の遺伝子変異の研究のお話まであり、内容は多岐に及びました。

発見はもちろんすごいことなんですが、その発見が世の中の役に立つようになるまでの、一つ一つの研究の積み重ねと、
そこに関わってきた多くの研究者の存在が印象的でした。


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— posted by 白石和輝  at 02:15 pm   commentComment [0] 

ホワイトサンズ国定記念物

こちらは、祝日で3連休でした。
実はアメリカの方が、日本より祝日が少なく年間10日です。
イメージでは多そうなのに、意外と少ないですよね。
というわけで大事な休みを充実させるべく、今回もロングドライブへ。

ホワイトサンズ国定記念物(White Sands National Monument)は、ニューメキシコ州の南部にあります。
石膏の結晶でできた、サラサラの白い広大な砂丘が広がっています。
Youtubeで見た時から、遠いけど絶対に行っておきたかった場所です。

ビジターセンターが近づくにつれて、雪山かなと思うくらいの真っ白な丘が見えてきて、テンションが上がります。
エントランスから続くDunes driveでは、砂丘内を8kmにわたってドライブ可能です。
砂丘の中は、砂を持ち帰ったり、植物や動物に危害を与えなければ、ある程度自由で、みんな自由に歩き回っていました。
定番のそり滑りのために、そりを持参。よく滑って、子供はエンドレス、大人も楽しいくらいでした。

どこまでも白くて、最高の景色でした。

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— posted by 白石和輝  at 04:58 am   commentComment [0] 

論文の参考書

変形性膝関節症の論文ですが、ようやくproofsも終わりまして、最終版となりました。
In vivo analysis of subchondral trabecular bone in patients with osteoarthritis of the knee using second-generation high-resolution peripheral quantitative computed tomography (HR-pQCT)Link

この論文に携わっていただいた医局の先生方や研究グループの皆様には、感謝の気持ちでいっぱいです。
本当に、ありがとうございました。

一段落しましたが、僕はまだバリバリの大学院生です。
思い出してみると、確かそろそろ大学院の入学テストの時期ではなかったかと思います。
ということで、今回は、医学論文を書くにあたって、読んだ本をあげてみたいと思います。
今後、入学する後輩の先生方にとって少しでも参考になれば幸いです。

●千葉先生が以前書かれている’論文の書き方’に関するブログはこちら

http://blog.nagasaki-seikei.com/kohchiba/index.php?mode=show&date=20130206Link
http://blog.nagasaki-seikei.com/kohchiba/index.php?mode=show&date=20130208Link

〇雑誌編集長が欲しがる!! 医学論文の書き方 (Dr.あさいのこっそりマスターシリーズ)

一番最初に読んだ本で、統計に関する本もある、このシリーズ。
前半に初心者向けに論文や医学雑誌を中心に研究世界のバックグラウンドを書いてあり、
全く未知の世界を知るにはちょうどよかったです。
内容は、論文の書き方が徹底して書いてあるわけではないですが、最後の方は、レターの書き方や採択率を上げ方の考察もしてあります。

〇必ずアクセプトされる医学英語論文 完全攻略50の鉄則

必ずと豪語するなんてと思っていましたが、ヒントを与えてくれるいい本だと思います。
東大メソッドで、東大整形外科教授推薦の辞から始まります。ノウハウ多数。
医学論文執筆で、どういったことを書いたらいいのか考えるくらいなら、この本を読んだ方がいいです。

〇査読者が教える 採用される医学論文の書き方

これは、他の本と少し毛色が違いまして、査読者の視点で展開されており、説得力があります。
もっとこうすれば論文が改善される、これはやってはいけないなど。
書く順番は、千葉先生と同じで、図、表からスタートを推奨。
当時悩んでいた事で、ヒントがあったので思わず購入してしまったのですが、一番最初に読む本ではないかもです。

〇アクセプトされる英語医学論文を書こう! −ワークショップ方式による英語の弱点克服法

人から借りて一番よかった本は、この本でした。
英語表現が盛りだくさんで、論文を書く英語力をあげるには手っ取り早いです。
最初は、初版が古いのが気になっていましたが、読むと十分お腹いっぱいになります。

以上がメインで読んだ本です。
この他にも似たような本があり、当時他にもないかと、ジュンク堂で3時間ほど立ち読みしてみましたが、医学論文に絞った方が読みやすく書くときに参考になると思います。
書く前と書き始めた後に読むと、全然印象が違ってくるので、まずは先輩に借りてみるのもいいかもしれません。
僕もまだまだペーペーなので、今後も何回も読んでいきたいと思っています。
ただ最近は、その研究に関する分野の論文を読み漁る事が、一番役立つかなと思っています。

— posted by 白石和輝  at 02:43 pm   commentComment [0] 

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