ナビゲーション手術は、整形外科分野では、脊椎が最も応用されていると思います。他には人工関節でしょうか。骨折治療にはまだ多くの施設は使用していないと思います。
骨折治療のナビゲーション手術では、術中CTまたは4方向撮影の画像と、スクリューガイドを、赤外線カメラとマーカーを介することで、コンピューター内で合成画像を作り、ドリリング時に骨盤内のどの方向に挿入しているかが三次元的にガイドされます。
見学をお願いした先生は、Dr. Matityahu で骨盤骨折治療ではよく知られた人だと思います。今回の症例は仙腸関節部の骨折で、そのスクリュー固定は、骨解剖が三次元的に複雑な形状をしており、かつ仙骨内に重要な神経が走行しており、簡単ではありません。
今回の手術では、マーカーの設置やパソコンの操作などに30分程度の時間を費やしましたが、その後の2本のスクリュー固定が非常にスムーズで30分程度でした。なかなか興味深い技術です。
さらに、一度は行っておこうと思っていた、放射線科の読影を見学してきました。UCSF放射線科 骨軟部グループの教授で、かつ僕の所属するラボのNo2でもある Dr. Link の読影現場を見学してきました。
正直言って、日本とほとんど変わりなかったですね。モニターで画像を見て、以前の撮影やカルテなどを参照にしながら、ディクテーションのマイクを使って所見を記載していました。違うなと思ったところは、臨床研究用の撮影がかなり混じっていたところでしょうか。研究用に撮った画像も勤務時間内に読影して所見を記載していました。たまたま異常所見があれば、クライテリアから外れたり被験者に告知したりする必要があるためです。
ついでに、CTガイド下の生検も見学させてもらいました。週に2-3例はやってるらしいです。
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