大学院とは

医師が大学院に進むかどうかは、この10〜20年で、考え方が大きく変わって来ているように思います。

かつては、大学院に進んで研究をして博士号を取る事は、キャリアアップの流れの中でごく当たり前のことだったと思います。

しかし現在では、博士号よりは、セミナーや手術見学を通した技術の習得や、各種専門医の取得などが、優先度が高いような印象です。最終的に病院への就職や医院の開業などを考えた時に、博士号は無用、臨床レベルを上げることに専念したい、ということでしょうか。よく理解できます。結果として大学院進学の希望者は多くはありません。

大学院に進むメリットとは何でしょうか? 思いつくままに、、

1)論文をちゃんと読めるようになる: 昔はどんな論文も鵜呑みにしていました。価値のある論文かどうかの判別は、書く側になって初めてわかります。
2)まともな研究デザインを作れるようになる: これじゃ証明できないでしょう、みたいな研究発表はいくらでも目にします。
3)プレゼンのレベルが向上する: 医局内および学会での発表を繰り返すことで、自然と鍛えられます。
4)まともな論文を書けるようになる: 論文の構成や書き方を勉強する、いいチャンスです。
5)全国レベルの人達とわたりあえる: 全国区で活躍する人は、学位ぐらい当然もっています。
6)院生時代の学会出張は楽しい: 院生であることを理由に、様々な出張ができます。貯金は減りますが、いい人生経験です。

まだまだありそうな気がするんですが、とりあえず挙げてみました。
その全てが達成できるわけじゃないんですがね。ご意見のある人はコメントください。

— posted by 千葉恒 at 09:32 am   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

この記事に対するコメント・トラックバック [2件]

Up1. KM — 2015/03/02@18:39:59

研究に触れることによって、臨床に対する考え方や疾患に対する見方が変わりますよね  マクロな事象をマイクロで考えるって大事なことだと思います  せっかく大学で基礎と臨床両方学ぶのだから結びつけないと勿体ないです:)

2. ちば — 2015/03/09@07:05:20

そうなんです。結局、基礎と臨床をつなげられる(トランスレーショナル)のは、医師なんですよね!

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