OARSI@Las Vegas -1

OARSIで発表するためにLas Vegasに来ています。

OARSIは変形性関節症(osteoarthritis:OA)の国際学会で、毎年春に、北米と欧州の持ち回りで開催されています。今年は北米の番で、Las Vegasでした。

9年前のローマから参加しており、OAの最新研究と新薬のアップデートが目的ですが、、とにかく、いい薬が出ない、、
Osteoporosisで言うところのビスホスホネートのような break throughが、OAの世界ではいつまでたっても出て来ないんですよね。

今年の注目は、新しいDMOADsである、wnt signal inhibiter でした。
今まで多くのDMOADsが、Phase3までには消え去りましたが、この薬はどうなるでしょうか。

今回、Phase1の結果が披露されましたが、、微妙、、

PainとFunctionが改善、Joint space width が単純X線でほんのちょっとだけ改善したかも、という結果のみでしたが、、
短期的にPainは減らせるんです。それはプラセボでも減るし、痛みを減らしたければ、cox2 inhibitorとかを併用すればいい話です。
大事な事は、これが本当に disease modify なのか、ということで、できれば、構造変化、つまり、軟骨が少し増えたとか、軟骨下骨の構造が改善したとか、滑膜炎が減ったとか、そういう証拠を示してほしいところですが、、なぜかMRIを評価項目に入れてない。。

ここは古巣のMQIRやSYNARC(BioClinica)の出番だろ、と個人的には思うのですが、とにかく、そういう評価をしていません。Phase1や2ぐらいまでなら、Nも少ないから、やればいいと思うんですが。単純X線伸展位のJSWのあやしい結果だけ見せられて、誰が信用するのかな。

一方、良い点だなと思ったのは、wnt signal inhibiterですがバイオではないようで、安価である可能性。加えて、6ヶ月に1回の注射のようなので、患者さんへの負担が小さいこと、ですかね。
KL-3の初期(KL3も幅広いですから)までに早期発見して、病型を確認して、この注射+cox-2 inhibitorのセットで治療開始、というのはアリかもしれません。

早速、訂正!)MRI評価もしてました。失礼しました。BMEには効果なし、としか書いてません。軟骨評価などをどこまでしたのかは不明です。Phase2からはMRIは無しだそうで、構造変化は、結局わからずじまいになるのかな。

さらに、追記)UCSFのMajumdar教授から情報をもらいました。Phase1ではやはり軟骨評価はしてないみたいです。しかしながら、治験とは別に、UCSFが軟骨評価の研究を受託しているそうです。さすがです。

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— posted by 千葉恒 at 09:55 pm   commentComment [0] 

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