近況としては、第二世代HR-pQCTの普及に関しては、
昨年は世界で28台、アジア・オセアニアで5台(うち3台が日本)でしたが、
今年は世界で40台、アジア・オセアニアで8台となりました。
HR-pQCTの論文は、まだそのほとんどが第一世代を使った研究ですが、トータルで650題となりました。
ちなみに私は一応その中の3つを出しています。
研究の動向としては、多数のコホートのデータを集結させた研究や(BoMIC study:Douglas Kiel, Mary Bouxsein)、
メタアナリシスの試みなどについて報告がありました。
また、やや特殊な応用分野として、小児の骨の評価法や(Mary Leonard)、
膝関節の撮影解析(Andres Kroker)についてもアップデートがありました。
小児は15歳くらいまで皮質骨多孔性が多く見られます。これは長管骨の遠位よりもやや近位部(骨幹端)で観察されます。
骨の成長に伴う多孔性であり、高齢者に発症する皮質骨多孔性とは別の意味をもっていると思われます。
膝に関しては、ACL断裂後に骨髄浮腫(BML)を生じた領域が他部位と比較して骨減少が強いと報告がなされていました。
骨への過度な負担が、骨吸収に働くか、骨形成に働くかは、まだまだ謎が多いです。
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