02CAD

かなり遅いペースですが、長崎のHR-pQCT研究の、第2弾の論文がアクセプトされました。

「02CAD」というコードで管理されているこの研究は、Cadaver(解剖学実習に用いるご献体)を用いて、解剖学に関するテーマを、長崎大学肉眼解剖学と共同で研究しています。コンセプトは、全身骨の"bone microstructure mapping" で、主に、全脊椎・上肢・下肢を対象としています。

CTには、病院で患者さんに使用する「whole body CT」と、研究室で実験動物に用いる「micro CT」があります。
臨床用の「whole body CT」は、生きた患者さんのどこの部位でも撮影できますが、解像度はスライス厚でいうと0.5mm程度で、骨微細構造の解析は困難です。一方、
実験用の「micro CT」は、主にマウスから摘出された脛骨や大腿骨を、高い解像度、ボクセルサイズ0.01mm程度で撮影できますが、ヒトのような大型の骨は撮影できません。

「HR-pQCT」はその中間の存在で、生きた患者さんに対しては、四肢限定ですが解像度は0.06mmで骨微細構造が解析でき、また、摘出骨であれば、ヒト脊椎などの大きな骨を、小さく加工することなく、そのまま撮影することができます。

大学院生の山田周太先生は、臨床では脊椎外科が専門で、私たちの研究室ではCadaverの全脊椎の研究(CAD spine)をしており、今回、その第一弾の成果が、Bone(IF:4.455)にアクセプトされました。

下図のように、全脊椎を3回にわけて撮影し(N=3)、各椎体を抽出し(total 48 椎体)、終板と後方要素を除いた椎体モデルを作成し、海綿骨と皮質骨それぞれの骨微細構造を解析しました。
加えて、椎体に力学シミュレーションで圧迫をかけて骨折を発生させ、「破壊負荷(failure load)と最も相関する骨微細構造は何なのか?」を調査しました。

予想通り、海綿骨の要素は高かったのですが、意外なことに皮質骨の要素が4割ほどを占め(8割ぐらいは海綿骨が支えていると考えていました)、海綿骨が消失した骨粗鬆症の椎体では、皮質骨も重要な役割を果たしていることがわかりました。

たしかに、椎体の前壁が折れて、椎体骨折が発生しているようなレントゲン画像を見ますよね。

ただ、今回の研究は、シミュレーション(有限要素解析)上のものであり、弱点はいくらでもあります。今後もデータを蓄積し、解析手法のレベルを上げていく必要があります。第一報としては、上出来だと思っています。

Yamada S, Chiba K, Okazaki N, Era M, Nishino Y, Yokota K, Yonekura A, Tomita M, Tsurumoto T, Osaki M.
Correlation between vertebral bone microstructure and estimated strength in elderly women: An ex-vivo HR-pQCT study of cadaveric spine.
Bone. 2018 Dec 13. pii: S8756-3282(18)30447-2. doi: 10.1016/j.bone.2018.12.005. [Epub ahead of print]
Link


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— posted by 千葉恒 at 07:22 pm   commentComment [0] 

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