さて、この研究には大きな問題点がありました。それはとっても多い脱落率です。
下図のように、フォルテオは、46例エントリーして、17例が脱落して、18ヶ月までに29例しか残りませんでした。
脱落した17例のうち、10例がフォルテオ群に割り付けられた途端に「自己注射はしたくない」と言って脱落した人たちです。
他の2群になると信じて研究参加に同意したようです。
テリボンは、45例エントリーして、21例も脱落して、18ヶ月までに24例しか残りませんでした。
21例の脱落のうち、12例が治療開始後の「吐き気や倦怠感」などの副作用を原因に脱落した人たちです。
また、フォルテオもテリボンも「高い薬価」を理由に脱落した人もいます。
一方、経口ビスホスホネートは、40例エントリーして、2例しか脱落せず、18ヶ月までに38例も残りました。
効果がさほど強くないこの薬剤は、コンプライアンスはすこぶる良好で「継続は力」を発揮できます。
この脱落のデータは、リアルワールドで、実によく理解できる結果です。
フォルテオもテリボンもせっかく良い薬なのに、自己注射製剤ということ、または、副作用が出やすいということで、
その恩恵を受けれない患者さんがたくさんいる、ということであり、
「良い薬」であるかどうかの大きな条件として、「薬効」以外の要素も大きいことを感じさせます。
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