しつこいですが第6弾の記事です。
それにしても、最近このブログは調子が悪いですね。なかなか開かない。引っ越しを計画中です。
この研究は「もう二度とこんな研究はできないんじゃないか」と思うほど、苦労した研究です。
下記に苦労したことを、思いつく限り、、
倫理委員会:
この研究の研究計画書は、臨床研究センターの生物統計家たちと一緒に練りに練って作成したのですが、倫理委員会では骨粗鬆症をよくわかってない人たちにガッツリ否定され、RCTを非ランダム化研究にせろとか言われてリジェクトされました。倫理的におかしくない研究を学内の身内に足を引っ張られ、今でも恨んでますね。
その後、委員に個別に解説をして、1ヶ月後に研究デザインを変えずに再提出し、アクセプトされました。
エントリー:
3種類の薬剤のどれになるかわからないRCTですので、患者への説明も難しく、エントリーは難航しました。
長崎市内の18施設に参加してもらい、各施設に説明しに行き、院長や部長に頭を下げてまわりました。
毎月、エントリー状況をグラフにしたレターを送りましたが、エントリーは予定通りにはいかず、エントリー期間の延長や施設の追加、選択基準の変更まで行いました。
130例達成した時は、感無量でしたね。
脱落:
感無量と思いきや、次に待っていたのは、強烈な脱落です。これは前回の記事でも述べた通りです。
画像解析:
本研究では、私たちが開発した新しい画像解析手法を用いたのですが、確立に時間を要しました。
アルゴリズムを開発、検証し、完成したと思ってデータ解析に取り組んでいたら、途中でエラーが見つかり、アルゴリズムを訂正し、全てやり直したり。
今までの研究は、20例程度を1人で解析するものが多かったので、経験したことがなかったのですが、
本研究のような130名の3回受診となると、データ量が半端なく多く、解析もグループで分担作業で行いますので、そこ出てきた問題が「ヒューマンエラー」です。
ヒューマンエラーにはとても興味があるのですが、とにかく「どのようにエラーを検出するか」がポイントと考えています。
解析者が手技を正確に実行できるように、丁寧に説明書を作り、トレーニングをして開始するのですが、それでもエラーは発生します。
怖いのは、計測結果だけを見ても、エラーがわからないことがあることです。微妙に間違ったまま採用されているデータがあるかもしれません。
どのようにエラーを検出するかは、いくつか技が必要ですが、容易な事ではありません。
統計解析:
本研究は、脱落が多すぎて、有意差が出にくかったことは、惜しまれます。
また、統計家とはキャッチボールがうまくいかまいことも多く、統計解析の結果をもらうまでに数ヶ月間のとてつもなく時間を要しました。
リビジョン:
レビュアーはもちろんのことながら、途中からはエディターも出てきて、けっこうやられました。
PDFプルーフ:
次回の最終回で、お話しますね。
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