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フィラデルフィア-3

OARSIの学会最終日には、各分野ごとの今年一年のレビューがありました。僕の専門である画像解析のトピックスは、MRIを中心に下記のようなことが紹介されていました。UCSFの同僚の研究が2つ紹介されていて、うらやましかったですね。

- T2 map:T2 mapのTexture Analysisが紹介されていました。T2 map自体は今後は下火になると思います。
- T1rho map:関節軟骨だけでなく、半月板のT1rho mapが紹介されていました。
- dGEMRIC、EPIC-CT:動物実験レベルですが、軟骨に移行しX線透過性を変化させる造影剤を使ったEPIC-CTという手法が近年話題です。
- Sodium MRI:滑膜に存在するNa由来のシグナルが問題と言っていました。解像度も相変わらず不良です。
- DTI:中枢神経で多く用いられてますが、軟骨評価の試みもなされています。
- UTE:Calcified Cartilage Layerの評価に優れたDIR-UTEが注目されています。

帰りの便までに時間があったので、ダウンタウンから旧市街にかけて2−3時間ほど街歩きをしました。

アメリカ独立関係の建物がたくさんありまして、フィラデルフィア名物の「自由の鐘Link 」を見てきました。Wikipediaを読んでも、どうしてこれがアメリカにとって重要な鐘なのか、よくわからないのですが、とにかく一番の名物なので見ておきました。

帰りがけに、新しいタイプの物乞いにあい、動揺してしまいました。
わりときちんとした格好の若者が、ものすごい悲しそうな表情で、しかも、とっても丁寧なしゃべり方で、「一つお願いごとをしたいのですが。。こんなことを頼むのは本当に恥ずかしいことなんですが、、何か食べるものをいただけませんでしょうか?」と話しかけてきました。

SFの不潔なホームレスから「小銭くれ~」としか迫られたことがない僕には新鮮で、何と言うか、信用したくなる感じの人で、バックの中にコアラのマーチがあったので、あげようか悩みましたが、バッグを開けたとたんバッグごとひったくられるのがこわくって、結局はごめんなさいといって去りました。
その後、妙に後悔しちゃって、追いかけて渡しに行こうかとまで思いましたが、これ騙されてます?


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— posted by 千葉恒 at 10:41 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

フィラデルフィア-2

OARSIの毎年恒例のディベートセッションですが、今年のテーマは "Should We Treat Pain or Tissue?" で、OAの治療は Tissue の修飾を目指すべきか、Pain をターゲットにすべきか、というものでした。

背景を知らないと何のことやらわからないでしょうが、
長らくOA治療の中心は鎮痛剤を中心とした対症療法でしたが、10年ほど前から根治療法を目指した新薬の開発が活発になりました(ちなみにK潤で軟骨が再生することはありません。誇大広告です)。しかし、多くの新薬が作られ治験がなされましたが、決定的な薬は出ていないのが現状で、方向性を考え直す時期に来ています。

すべて病気の治療薬は究極的には根治を目指すべきで、病態に作用する薬を作るのは当然のことです。鎮痛剤でごまかし続けて、取り返しのつかない状態まで悪化したり、副作用を起こすこともあります。しかし、前述のように、OAの病態は多因子過ぎて、新薬開発はうまく行っていません。

一方、患者の主訴は、組織の異常ではなく、痛みです。画像上で組織の異常があっても、痛みが最後まで出ないケースはいくらでもあります。痛みが出ないものを早期発見して無駄な治療をすることはありません。もし副作用の全くない鎮痛剤や、100年の耐性を持つ人工関節があれば、根治薬は不要かもしれないのです。しかし現実的には、そのような鎮痛薬や人工関節は存在せず、極め手の人工関節をしても痛みが残存する例まであり、簡単な話ではありません。

2人のオーソリティーがそれぞれの立場で講演をするのですが、なかなか面白い話を聞けました。

ところで、フィラデルフィアの観光ですが、サンフランシスコやニューヨークなんかに比べると、やはりさほど行くところがないのですが、とあるホームページで一押しだった、フィラデルフィア美術館に行ってきました。

かなりの品揃えで見応えアリです。西洋絵画は、モネ、ルノアール、セザンヌなどをかなり所有してます。その他、ピサロ、ゴッホ、ロートレック、ピカソ、モディリアーニ、、今回、レオン・フレデリックLink という画家の絵に興味を持ちました。
東洋美術の一画には、日本美術コーナーがあり、茶室を再現していました。メトロポリタン美術館でも日本コーナーは存在感があり、ご先祖の努力の賜物です。

この美術館、映画「ロッキー」でシルヴェスター・スタローンがトレーニングして、階段駆け上がってウォー〜ってやつの舞台です。銅像まで立ってました。そのポーズで記念写真を撮る人だらけでしたね。


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— posted by 千葉恒 at 11:56 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

フィラデルフィア-1

たった今、フィラデルフィアから帰ってきました。
OARSIという変形性関節症(OA)の国際学会での発表のためです。5年前より参加していますが、振り返ると、バルセロナ、サンディエゴ、ブリュッセル、モントリオール、ローマと、開催地の良さも個人的には好きですね。

今年も残念ながらポスター発表でした。OARSIの口演発表の採択は各分野(新薬、手術、画像等々)でそれぞれ4-5人程度ですので結構難関です。
ポスター発表は質問者に一対一で答えるだけですが、留学の最後になっても相変わらずの英語力の無さで、なかなか思ったようには説明できません。まぁ、昔はポスター前に立つのも恐怖だったぐらいで(外人に話しかけられるのが嫌で)、今は質問に一応は答えられるし、質問して回ったりもするし、前よりは進歩しましたね。

何百もあるポスターの中から、多くの人に関心をもってもらうのは至難の業で、最近心がけていることを整理すると、以下の5つくらいが浮かびました。でも実際のところ気分次第で、完全には実践できてませんが。。

1、目立つ+わかりやすいポスターを作る: いわゆる "Hook(釣針)" として、興味を引くような図を、できるだけ大きく載せることにしています。
2、隣近所のポスター発表者にからむ: ご近所さんに質問してあげると、質問を仕返してくれます。隣近所はたいてい似たような分野の人なので話も通じるし、将来的にも大事なつながりになるみたいです。
3、通りすがりをつかまえる: 会話のキッカケとして、研究の要旨を30秒くらいで、よどみなく言えるようにしておくといいと思います。
4、遠くから連れてくる: 遠くのポスター発表者と議論していて、僕の見てもらえません?とか言って連れてきたりしたこともあります。
5、結局は内容: 新しくて重要な研究をすることは、簡単なことではないですね。

留学中あるあるですが、アメリカに住んでいると、出張先に行ってもアメリカ料理でなはく、日本料理屋を探してしまいます。

ホテルの近くのその名もYakitori BoyLink で食事をしていたところ、料理長が長崎出身で、しかもカウンターの隣に座っていたお客さんが福岡出身でフィラデルフィアのTemple大学医学部教授の Nobuto YamamotoLink 先生という方で、しかもしかも、山本教授の従兄弟さんが、僕がよく知っている長崎大学整形外科の同門の先生でした。
世界は狭い!と盛り上がりましたね。免疫学がご専門で、もうご年齢は88歳になり、30歳代に渡米して50年以上アメリカで研究者、教授として第一線でやられていたとのことです。いい出会いでした。

写真はクリームチーズが入った「フィラデルフィアロール」で、アメリカではたいていの寿司屋でメニューに入ってる定番です。


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— posted by 千葉恒 at 04:46 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

リハビリ部見学

長崎からサンフランシスコに1ヶ月間の短期留学をしていた理学療法士の下迫先生が、昨日、帰国されました。

この留学には、サンフランシスコ総合病院(SFGH)Orthopedic Trauma Institute の長尾先生にご尽力いただきました。いつも本当にありがとうございます。

おもな留学先はSFGHのリハビリ部で、2週間に渡って毎日マンツーマンでアメリカのPTの仕事ぶりを体験できたようです。日本からPTが見学に来たのは初めてのことらしく、ランチなんかも一緒にしてもらい、皆さんに優しくしてもらったようです。

下迫先生には、30分ほどのプレゼンが課されており、僕も心配で見に行きましたが、日本のPTの事情や専門であるスポーツ障害や転倒予防についての発表を立派にやってくれました。

SFGH以外では、Orthopedic Institute というUCSFの整形外科専門病院のリハビリ部も見学させてもらい、そこには僕も一緒に行かせてもらいました。PTの Weinberg 先生にいろいろ見せてもらいましたが、彼のオリジナルのトレーニング方法や、iPad mini を使った臨床で使える簡易の動作解析(フォームチェック)など、色んな面で創意工夫があって関心しました。

この1ヶ月を通して感じた日本との違いを下迫先生に尋ねたところ、やはりマンパワーだそうです。例えば長崎大学病院は、入院患者数約750人に対してリハビリ部は15人。SFGHは250人に対して30人。約5倍の差がありますね。

その結果、集中的なリハビリが必要な患者さんには1日3回もできるそうです。また、休暇も取りやすく、数週間の休暇を取るPTが常にいるようです。朝は早くて8時くらいから始めるそうで、4時ぐらいにはだいたい終わっているとのこと。

また、4年間の大学を卒業して、さらに3年間のリハビリ科を経てPTとなるので、簡単になれる職業ではなく、世間的な地位も高く給料もいいみたいです。初診の患者情報の取り方などに、レベルの高さを感じたそうです。



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— posted by 千葉恒 at 01:38 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

アクセプト!

昨日、UCSFでやった研究の1つ目の論文のアクセプトのメールが届きました!!
よかった、よかった、、一安心です。。

アクセプトしてくれたのは、その名も「BoneLink 」(IF 4.023) という雑誌です。
僕のためにあるような医学誌です。

この論文は昨年、Osteoporosis InternationalLink という雑誌に落とされていたので、
不安があったのですが、2つ目の雑誌がひろってくれました。

今からまだ校正作業があるので、もう一苦労せねばです。。

余談ですが、最近気づいたのですが、整形外科分野では有名な雑誌である JBJS Br(The Journal of Bone & Joint Surgery, British Volume)は、今年から名前が変わったようですね。
新しい名前は、The Bone & Joint JournalLink だそうです。JBJS Am(American Volume)との差別化のためでしょうか。似たような名前の雑誌が増えて、ちょっと混乱しますね。


— posted by 千葉恒 at 02:17 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

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