OARSIとASBMR

OARSIは学会の名称で、Osteoarthritis Research Society International Link
つまり変形性関節症(Osteoarthritis:OA)の国際学会のことです。

僕の専門はこの変形性関節症でして、4年前より毎年OARSIに出席しており、今年も発表の予定です。

学会誌であるOsteoarthritis and CartilageLink は、IF(インパクトファクター)3.89 で
骨関節の学術誌としては高く、注目度が上昇中の雑誌です。

現在、骨関節領域の研究では、変形性関節症への注目が高まっています。
おそらく背景には骨粗鬆症研究のある種の成功があったからだと、個人的には思っています。
高い有病率で非常に多くの患者がいる骨粗鬆症に対して、効果的な治療薬が登場し、
疫学的にも欧米では骨折率の低下をもたらし、薬業界としては大きな市場開拓がなされました。

変形性関節症は、早期発見や根本的治療が困難ですが、骨粗鬆症以上に高い有病率を有しており、
有効的な検査や治療が開発されれば、多くの障害者を減らすことができると考えられています。
薬業界も明らかに注目しており、言い方は悪いですが、新たな市場と考えています。

ASBMRも同じく学会の名称で、American Society for Bone and Mineral ResearchLink
つまり、米国骨代謝学会のことで、骨関係リサーチの学会としては最高峰の学会です。

学会誌であるJBMR(Journal of Bone and Mineral ResearchLink )はIF 6.043で
骨関連の雑誌としてはやはり最高峰の雑誌です。
基本的には内容は基礎研究に特化しており、臨床、特に整形外科の雑誌としては
やはりJBJS-A(Journal of Bone and Joint Surgery-AmericanLink )が最高峰の雑誌と言えます。

OARSIとASBMR、この2つの学会が、今週末にサンディエゴで開催されます。
共同開催ではありませんが、会場は隣同士で、会期もほとんど同じです。

僕が知る限り、長崎より6人の骨研究関連の先生達がやってきます。
定期的にホームシックですが、最近またホームシックでして、みんなに会えるのが楽しみです。。

— posted by 千葉恒 at 05:32 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

ナパワイナリー

遅ればせながら、ナパのワイナリーに行ってきました。

ナパはサンフランシスコから北へクルマで1時間半程の場所にある、
カリフォルニアワインの有名な産地です。
100以上のワイナリー(醸造所)があり、そこでテイスティングを楽しむことができます。

今日は日本人の友人であるT君にナパを案内してもらいました。
彼はサンフランシスコ在住7年目の大学生で、ワインの達人で、尊敬すべき年下です。

僕自身は、3年前のAAOSでサンフランシスコに来た時以来のナパになります。
そういえば、今年のAAOSも一応演題を出していたのですが、去年に引き続き落ちてしまいました。
申込数は6000題を越えていたそうで、今年も採択率は厳しかったようです。また来年も出してみます。

その際は、宮本俊之先生に引率されて、大人数でおまかせコースで巡ったので
ワイナリー巡りやティスティング料金などの基本的なことを知らなかったのですが、

1日に回るワイナリーは3〜4件ぐらいか妥当のようで、予約がいる所といらない所があります。
10〜20ドルくらいで、3〜4杯のティスティングをすることができます。
白ワインから赤ワインに、徐々に濃い種類のワインが順番にでてきます。
そこで気に入ったボトルを購入すればティスティング料金はタダになることが多いようです。

結局、今日もおまかせコースなのですが、
1件目は、ZD wine というところで、ざっくり言うと全部良かったです。
http://www.zdwines.com/Link
ここで、単身ソムリエ修行中の感じのいい日本人青年に出会って
「阪神、クライストチャーチ、東京、僕が行く先々で大地震に会う」と不吉なこと言ってました。

2件目は、DUCKHORN というところで、またざっくり言うと全部良かったですね。
http://www.duckhorn.com/Link
雰囲気が良くて何度も来たい感じのワイナリーでした。予約が必要です。

ランチは、行列のできる有名なハンバーガー屋さん。
http://gotts.com/about/index.htmLink

午後からの3件目は、SpringMountain というところで、お腹いっぱいでこたえました。
http://www.springmtn.com/Link
解説ツアーを予約してもらっていて、ワイン畑や醸造室でいろいろと解説を聞きましたが、
ちょっと朦朧としてしまいました。

どれも良かったですが、午前中の2件は特におすすめですね。
家に帰ったとたん2人でグーグー寝出して、今、起きてブログを書いてます。書いたら寝ます。

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— posted by 千葉恒 at 01:54 pm   commentComment [3]  pingTrackBack [0]

歯医者

奥さんの歯の詰め物が外れました。。

一時帰省の予定がありましたので待とうかとも思いましたが、2ヶ月も先ですし、アメリカの医療事情にも興味があり、患者の視点に立てるいい機会なので受診をすることにしました。

UCSFのポスドクは恵まれていて、実は僕らの月々の保険金の負担はゼロです。
雇用者である教授が全て負担することになっています。Dentalも Visionもカバーされています。

もちろん日本のような保険ではないので、どんな病院にも3割負担でかかれるわけではありません。
アメリカの健康保険には、HMOやPPOなどいろいろな種類Link があり、僕らは Dentalの保険は Principal PPOというのを選択していました。

日本のように、どんな病院にも自由にかかれて、望んだ治療ができる保険もあるらしいのですが、それに入りたければ、かなり多額の保険金を払わないといけないらしいです。

PPOは、保険会社と契約している医師であれば、どんな専門医でも自由に直接かかることができる保険です。
行きたいクリニックが自分の保険会社でカバーされているかを確認してから、予約をして受診します。
自己負担はHMOよりは少し高くなります。

HMOは、専門医に直接診てもらうことはできず、まずは指定したかかりつけ医に行かなければならない、というものです。
保険会社からの制約があり、日本で聞いていたアメリカの保険会社のイメージですね。

そもそもアメリカには保険に入ってない人も多いです。
5000万人を越えたそうで、17%、5-6人に1人は保険なしです。ひどい話ですね。

本日、友人に勧められた歯科に、ドキドキしながら向かいました。
受付で、SSN(ソーシャルセキュリティーナンバーLink )を提示します。
そこから、僕らの保険の確認ができるみたいなのですが、、どうもうまくいかない。。

最終的には、僕の保険が確認できないとのこと。
奥からいい感じの優しい表情の先生が出てきて、
「詰め物がはずれただけで痛みがないなら、待ってもいいから、保険の確認をしてからがいいよ」と言われ
事前にメールで確認していた、UCSFの事務の人にもう1回メールしたところ、
「おかしいわね、、保険担当に確認してみるわ」みたいな返信で、
その後「されていたはずのSSNのアップデートがなされていない、4-5日後に完了するわ」との返信。

近々、出直すことになりました。これもまたいい経験。。


— posted by 千葉恒 at 01:55 pm   commentComment [4]  pingTrackBack [0]

ジャパンタウン

僕らのライフラインであるジャパンタウンの話をしたいと思います。

ジャパンタウンは和名「日本町」で、日系のスーパーやレストラン、本屋、銀行、美容室などが集中した地区で、
サンフランシスコの日系人コミュニティーの中心地です。
サンノゼ(日本町)やロサンゼルス(リトル東京)にも同様の地区があるらしいです。
その歴史Link は長く、サンフランシスコのジャパンタウンは数年前に100周年を迎えたそうです。

ダウンタウンからクルマで西に10分ほどの場所にあり、その北部はパシフィックハイツと呼ばれる閑静な住宅街で、
隣接する南西の方はアフリカ系アメリカ人が多いエリアです。

去年、草なぎ君主演のドラマになっていましたが、戦時中に日系人は強制収容所Link に送られ、
ジャパンタウンの住民は、土地と財産を残してこの地を一旦は離れていたという経緯があります。
その間、アフリカ系アメリカ人がジャパンタウンに移ってきたらしく、戦後、日系人がこの土地を取り戻す過程で、
隣の地区が黒人居住区になったようで、ジャパンタウンの南西の方は治安は決して良くはありません。
僕がジャパンタウン近くに住んでいた1ヶ月間の間にも、僕の知る限りで、アパートの真横で2件の傷害事件が起きました。

ジャパンタウンのモールやホテルは日本の近鉄グループが経営していたのですが、数年前に撤退したらしく、
日本のものを売っているけど、実際は韓国経営というの店も今は多いらしいです。
実際行ってみると、日本人がいっぱいいるわけではなく、むしろ中国人、韓国人、白人が目立ちます。

コンクリートでできた五重塔は、かなり趣きがないのですが、姉妹都市の大阪から寄贈されたものです。
日本食レストランが30軒以上はあると思います。いつもお客はいっぱいです。
紀伊国屋書店があり、値段は高いですが、本はかなりそろっています。
日系銀行のユニオンバンクもあります。ダイソー100円ショップ($1.5)もあります。

ニジヤマーケットは、日本の食材がそろっており、サンフランシスコの日本人にとって超重要店舗です。
ちょっとお高いですが、毎週、通ってます。
米の種類も豊富です。日本の米もありますし、アメリカ産の日本米も十分おいしいです。
アメリカにはスライス肉の概念がなく、豚肉や牛肉のスライスはここでしか買えません。。
地元長崎のチョーコー醤油のだしの素を見つけた時は感動しました。黒霧もあります。もちろんこちらではワインを飲んでますが。

サンフランシスコは留学先としては恵まれてますねー

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— posted by 千葉恒 at 01:26 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

スタンフォード大学

今週末は、週明けの月曜が Labor day(勤労感謝の日)で、三連休でした。
7月4日の独立記念日以来の祝日です。どうもアメリカの方が祝日が少ない気がします。

今、ググってみたところ、日本の祝日は先進国で最も多い15日間で、
アメリカは10日間だそうです。日本の方が祝日は多いんですねー。

ところが、有給休暇をとる日数が、日本は先進国で最も少ない9日間で、
ドイツにいたっては31日間だそうです。なるほど。。

土曜は、大学時代の先輩で、現在、スタンフォード大学に留学中の、
脳外科のH先生のところに遊びにいきました。

スタンフォード大学Link は、西海岸で名門中の名門の私立大学です。
サンフランシスコから南に50分、シリコンバレーの近くに位置し、
GoogleやYahooなどの創始者を生み出した大学です。

H先生とは、科は違いますが卒後も縁があって、何回か同じ病院で勤務したりして、
留学先でまた再開できるなんで、やっぱり縁があるなーと感じてます。

学内を散策して、ランチして、ラボを見学させてもらったりしました。
キャンパスはやたら広くて、アメリカの名門大学って感じの雰囲気が漂ってました。
なぜか宮殿のような大聖堂があり、結婚式の写真を撮っている人達であふれていました。

ラボは、脳外科の臨床教授が基礎研究グループの教授もかねており、
大きなチームで研究を進めているとのことでした。
H先生の研究は、脳梗塞巣を幹細胞移植で復活させるという壮大なテーマで、
現在は、移植細胞によるシナプス形成を確認する作業に苦心されており、
おそらくは脊髄損傷や末梢神経損傷にもつながる研究で、非常に興味深い研究でした。

渡米して1年半になり、3年間の留学を予定しているとのことです。
テーマが大きくしかも動物実験をしているので、研究には時間がかかり、
実験が夜や週末まで及ぶことも、よくあるとのことでした。
僕の研究にはそれがないので恵まれてます。

いい機会ですので、今後も財産が尽きるまで、アメリカのいろんなものを見て回りたいと思ってます。
今月は、サンディエゴで学会発表もありますし、来月には遅い夏休みを取ってロスに行く予定です。


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— posted by 千葉恒 at 08:45 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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