RiBS

ASBMRの後にサンフランシスコに立ち寄り、UCSFのSharmila Majumdar教授とミーティングをしてきました。

長崎での研究の進捗状況を報告し、例によって喋ってるそばから、鋭い指摘を受けつつ、また、私達研究グループが直面している悩みごとを正直に伝えましたが、いくつかの妙案もいただきました。

1例として書きますと、医師の臨床業務と研究の両立の困難さ、これは日本の臨床研究において最も大きな問題と私は考えていますが、これについては、整形外科医がCTスキャンをしているなんて、「waste of time !」「stupid !」と、いつものごとく、歯に衣着せぬお言葉いただきました~

そして、私達研究グループの名前を考えてくれました。Majumdar教授のラボの名前は、MQIR(Musculoskeletal and Quantitative Imaging Research Group)で、何度か聞くと意外と記憶に残る名前です。

Majumdar教授、この話題に最もハマりまして、真剣に考え込んでくれました。研究内容に合致していて、かつ将来の可能性を限定しないような、シンプル、ある意味、大風呂敷な、、練りだした結果は、、

RiBS(Research in Bone Structure):長崎大学 骨構造研究 グループ です。

小文字のiが、iPad、iPS、みたいで、いい感じですね。アールの発音が苦手なので、LiBSと言ってしまいそうです。

しかし結果として、「あばら骨」です。レストランの名前みたい。しかも整形外科医は肋骨にはあまり興味がないんだけどな。
よし、僕は第1肋骨としてがんばろう!鎖骨に守られつつ。。


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— posted by 千葉恒 at 07:36 am   commentComment [0] 

アトランタ

結局、アトランタには4日間の滞在となりました。

ウィキペディアより、
- アトランタ市は、ジョージア州の州都・最大都市
- 1996年、夏季オリンピックの開催地
- コカ・コーラ、デルタ航空、CNNの本社あり
- 疾病予防管理センター (CDC) が置かれている(アトランタを含むディープ・サウスがマラリアの流行地帯であった時代に、マラリア対策として設立されたものが前身)
- スポーツ:MLBのアトランタ・ブレーブス、NFLのアトランタ・ファルコンズ、NBAのアトランタ・ホークス
- 大学:エモリー大学、ジョージア工科大学(米国工科大学の御三家(MIT,CalTech,Georgia Tech)の1つだそうです)
- 人口の約6割はアフリカ系の住民
- 姉妹都市:福岡市

名物料理は、南部料理で、トウモロコシの粉を揚げたみたいな、、なんだったっけな。写真のせます。

学会がなければ訪れなかったと思いますね。ASBMRは毎年、色んな都市で開催されるので良いです。
大きすぎる学会は、シカゴなど、決まった場所でやりがちなので。
ちなみに来年はデンバー(コロラド州)です。


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— posted by 千葉恒 at 10:56 pm   commentComment [0] 

HR-pQCT Mtg.

HR-pQCTの専門家たちのミーティングが、毎年、ASBMRのに合わせて開催されており、そこで発表をしてきました。
オーラル発表で、今回の学会の最大のストレスでした。

HR-pQCTで、肘関節の撮影・評価をする方法を長崎大学で開発したのですが、
まだどこもやっていないので、発表の機会をいただいた、といった経緯です。

発表でこんなに緊張したのは久しぶりでしたね。
声が震えて、舌が回りませんでしたが、まぁスライドで十分伝わったと思います。
質問も3つぐらいありましたが、なんとなく答えれた感じにできました。

ここまでこれたのも、全ては留学(2011~13)のお陰であり、それなしではありえない世界を経験できています。
あらためて職場の同僚たちに感謝したいですね。

今回のトピックスですが、
1)骨粗鬆症
 - 標準撮影方法の変更について:大激論が交わされました。
 - 骨折予測能:やはり皮質骨の関与が大きいようです。
2)骨粗鬆症以外への応用拡大
 - 関節リウマチ:撮影・評価法の標準化が進められています。
 - 膝、肘の撮影:撮影時間の長さの問題が解決されていません。
 - 小児の撮影
 - 筋肉量の評価(サルコペニア)

新しい技術ですので、多くの点でまだ創世記であり、だからこそ議論は常に面白いです。
ミーティングの最後は、ある統計家の大御所の発言で終わりました。
「コメントさせてくれ。俺はこのミーティングが好きだ。学会ではここまで深く議論ができないしな。」だって。わかるなー


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— posted by 千葉恒 at 11:42 pm   commentComment [0] 

CDC

CDC(Centers for Disease Control and Prevention:アメリカ疾病予防管理センターLink )に、サンフランシスコ時代の友人が勤務しており、学会の最終日の午後に、見学に行ってきました。

CDCといえば感染症ですが、整形外科医の私は、感染症とは決して無縁ではなく、1つは、骨や人工関節の感染症は難治性で大学病院で治療されることが多いので、そこでの接点と、もう1つは、長崎大学医学部には、熱帯医学研究所が併設されており、伝統的に感染症の研究に長けており、BL4施設も建設予定となっており、まぁ、そういった接点があります。

CDCはアメリカの政府機関なので、セキュリティがかなり厳しく、研究所の内部までは入れないのですが、来訪者用のミュージアムがありまして、そこで、CDCでエイズの研究をしている友人のKさん(美人!)と、感染症病理の研究をされているSさん(博学!)に、色んな話を聞かせてもらいました。

感染症は「治す」というより、「闘う」という言葉がふさわしいですね。
人類と感染症の闘いの歴史、そして今、実際に闘っているお2人の話は、本当に刺激になりました。
行ってよかったです。僕の中の開拓魂にまた火がついたような気がしました。


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— posted by 千葉恒 at 03:25 pm   commentComment [2] 

ASBMR@アトランタ-2

今回のASBMRのトピックスは、

1)オダナカチブ開発中止の理由について

残念ながら、今回のASBMRの最大のトピックスになってしまいました。
会場には、今まで見たことないくらいの立ち見が出るほど。

発売目前と思われていたオダナカチブの有害事象の1つであった脳卒中は、当初のデータではプラセボとのハザード比が1.16で有意差がありませんでしたが、独立機関(ハーバード)に再解析を依頼しており、本学会でその結果が発表されました。(ちなみに、抄録には一切結果が書かれていません。)

ブラインドで再解析された結果は、HRが1.32でP値は0.03でした。さらに5年の延長試験での結果はHRが1.37でP値は0.005。
かなりシンプルな発表で、脳卒中の重症度についてのデータは言及なく、聞いてる方としては、ちょっと煮え切らない感じです。

死亡ではオダナカチブとプラセボで差が出ておらず、大腿骨頚部骨折も後遺症や予後の悪さでは、脳卒中なみに問題のある疾病ですので、その辺の判断は難しいものがあったと思います。冗談で言いますが、抗凝固剤との合剤にすれば良さそうですね。。

2)ロモソズマブ・デノズマブ切り替え試験

ロモソズマブ1年、その後、デノズマブ1年の成績が発表されました(FRAME study)。
2年間で、骨密度は腰椎で18%、大腿骨で9%の増加、骨折抑制率は81%で、大変すばらしい結果が出ています。
この内容は、NEJMへの掲載が決まっているそうです。

3)アバロパラチドの経皮製剤

最初に開発された経皮製剤では、血中への移行と骨密度の増加が確認されましたが、先行している注射製剤と比べると、効果が弱く、血中濃度のパターンが再現できていないことが原因とされていました。
今回の発表では、新たに開発された第二世代の経皮製剤が、血中濃度のパターンを、注射製剤のそれとほぼ同じ状態にできた、というものでした。
骨密度などの結果はまた来年だと思われます。注射でないPTH製剤が成功すれば、それはとても意義があると思います。

— posted by 千葉恒 at 07:30 am   commentComment [0] 

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