東京→京都→長崎→鹿児島→佐賀

東京での受賞式の翌日は、共同研究をしている同志社大学(京都)へ移動。理工学部のある京田辺キャンパスの近くには、一休寺がありまして、ちょっと立ち寄ったところ、紅葉が綺麗でした(写真)。
私は大学入試で長崎大学の医学部と慶応大学の理工学部に受ったのですが、そこは人生の大きな分かれ道でした。理工の世界にはいつまでも魅力を感じています。経産省関連の会議が主な用事でしたが、同志社大学の研究室を見学させてもらい、ワクワク、刺激を受けました。

一日長崎に帰って翌日は、鹿児島の今給黎総合病院にお呼びいただき、骨粗鬆症の講演をさせていただきました。鹿児島は10年以上ぶり。写真は長島美術館からの鹿児島市と桜島の眺めです。

講演会では、歯科の先生に、骨粗鬆症治療中の抜歯に関する質問をいただきました。私としては、骨折リスクが高い方はできるだけ休薬したくないですが、リスクがさほど高くない方は休薬してもいいと思っています。しかし、個々の患者さんの骨折リスクの程度は、歯科の先生にはなかなかわからないと思います。
逆に、その患者さんの抜歯をする歯がどれほど重症の状態なのか、治療にどのぐらいの時間がかかるのか(休薬の期間)は、私たちはわかりません。やはり、医科と歯科の連携が大事、ということに尽きますね。呼んでいただいた今給黎総合病院整形外科の松永俊二先生に感謝いたします。

翌日は、佐賀で10年以上続いている骨粗鬆症の勉強会である「こつこつ研究会」で講演させていただきました。和気あいあいな雰囲気の中、レベルの高い質問がたくさん飛び交う、いい会でした。以前一緒に働いていた大先輩や、友人との久しぶりの再会もありました。呼んでいただいた岸川整形外科の岸川陽一先生に感謝いたします。

忙しい一週間でした。これで今年の出張は終了です。学会発表と講演の数は、ぱっと数えたところ29ぐらい。来年はもっと自前のしっかりしたデータを発表できたらと思っています。今はとにかく、私の得意技である「画像解析」の時間がほしいです。あとは「英文論文化」が命題です。


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— posted by 千葉恒 at 09:20 pm   commentComment [0] 

祝600回

祝!チバニアンLink 認定。他人事とは思えない。

祝!武田科学振興財団 医学系研究奨励Link に採択。
昨日は東京で授賞式でした。他大学の先生たちと写真(群馬大学、千葉大学、九州大学)。

そして、祝!ブログ投稿600回。
2011年から始めて6年半。長い日記帳だ、、恒例のLink アクセス数の整理。

2016年
6月 13828  7月 12055  8月 15237  
9月 13193  10月 17526  11月 16504  12月 17432
2017年
1月 18124  2月 13673  3月 19966
4月 22322  5月 29279  6月 29385
7月 25807  8月 25183  9月 25142  10月 22593

2015年にHR-pQCT が導入された時の、54000の自己記録は、今後超えることはないでしょう。



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— posted by 千葉恒 at 06:33 pm   commentComment [7] 

ACR@サンディエゴ -2

私の発表は「手関節」の骨びらんのHR-pQCTによる解析法についてのポスター発表でした。

HR-pQCTでの骨びらんの評価は「MCP関節」がスタンダードになっていますが、病変がより早く生じる手関節および手根間関節での解析法は確立しておらず、今回の私の発表は、手関節の骨びらん体積の定量的評価法としては第一報だと思います。
ただ技術的に難しく、まずは橈骨遠位部だけの発表をしました。次回から、月状骨、舟状骨、有頭骨、、へと解析を進めていきたいです。

今回初めて、ポスター発表の2時間ずっと、自分のポスターの前に立ちっぱなしをしてみました。場所がよかったので、有名な先生にも何人か見ていただけました。

HR-pQCTのStudy group (SPECTRA)のセッションが組まれており(4講演)、チェックしてきました。

1)関節裂隙評価
現在3つの解析法があり(UCSF、Calgary、Lyon)、概ね同じようなアルゴリズムで、標準化が進められています。
解析パラメーターは主に、JSV(体積)、JSW(幅)、JSWmin(最小幅)、JSWmax(最大幅)です。
JSVは、JSWが減少すると関節面が骨棘などで広がってJSVが大きくなってしまうパラドックスがあるのがピットフォールです。
軟骨障害を最も表現しそうなのは、JSWminですが、肢位による再現性がやや不良であることが問題です。

2)骨びらんの同定
骨びらんの鑑別所見である血管孔についての研究を、フレッシュカダバーの血管造影前後のHR-pQCT画像を比較して、検討していました。
骨びらん同定の問題は、健常人アトラスを確立しなければ、解決しないと思っています。

3)骨びらんのHR-pQCTとMRIの比較
BML(Osteitis)とHR-pQCTを比較した過去の報告では(UCSF)、BMLは骨梁の増殖性変化を反映していました。しかしながら、BMLは時間的なフェーズによって様々な状態であるはずですので、この結果は一概には言えず、Nの多い追試を行う余地があると思います。
MRIの解像度が上がっているので、(骨梁と比べて)びらんほどの大きい構造物であれば、HR-pQCTでなくてもいいのでは、という質問がされていましたが(HK Genant)、やはりMRIだとスライス厚はがんばっても300〜500μmでその定量性にはかなり疑問があり、特に薬剤投与6ヶ月後のわずかな変化を捉えることは不可能だと思います。

4)骨びらんのHR-pQCTとUSの比較
USの骨びらん検出力は、感度も高く問題ないかと思います。PDによる血流評価が鑑別情報になるという強みもあります。
HR-pQCTと比較した問題点は、特異度が高くはなく、骨棘などの構造物がまぎらわしかったり、あとは体積や深さなどの定量性は期待しにくいと思います。

サンディエゴはおそらく3回目。空港とダウンタウンとコンベンションセンターがコンパクトにまとまってて良いのですが、ANA(スタアラ)での日本からのアクセスが悪いですね。

前回トラブル続きだった uber ですが、今回はうまくいきました。ホテル→会場といった、シンプルな使い方に限定しました。

今回も、長崎大学の膠原病内科の先生たちと一緒に行動させてもらいましたが、研究を楽しんでいる感があって、いい雰囲気だなと思いました。

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— posted by 千葉恒 at 07:02 am   commentComment [2] 

ACR@サンディエゴ -1

今年4回目の海外出張、、来年からは2回までにしたい。

初ACR(American College of Rheumatology:アメリカリウマチ学会)です。今年は初EULARと初ACRで、来年からどちらに行くかを決めたいと思いました。EULARと比べるとACRは格調が高いというか真面目な雰囲気を感じました。

企業ブースがかなり立派で、縮小傾向のASBMR(骨粗鬆症・骨代謝)からすると、羨ましい思いです。
リウマチ・膠原病の業界は、今後も新しい薬が出そうで、企業も力を入れています。膠原病は、1つ1つの疾患の患者数は多くはないイメージですが、RA以外の疾患にもバイオ製剤の適応が広がっており、それぞれの薬価が非常に高いため、市場としては大きいのかもしれません。

オーラル会場もポスター会場も、広くて数が多かったです。

私は骨粗鬆症に加えリウマチ外科をやっていますので、リウマチ患者さんの膝、股関節、肘、足の手術をしているのですが(手指は手外科、脊椎はもちろん脊椎外科がします)、ACRでは手術治療に関する演題は、とっても少ないですね。


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— posted by 千葉恒 at 04:53 am   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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