CTの進化

今日は教室主催の 4th Annual Hasegawa Lecture という講演会がありました。

講演会の名前の由来になっているBruce HasegawaLink 氏ですが、SPECT/CTを考案されたUCSFの日系人の教授です。
最近、シンチをオーダーしたら、CT画像にカラフルなシンチが重ねられてますが、それを開発した人です。
2008年に57歳で脳卒中で亡くなられたので、もう少し早く留学していたらお会いできたかもしれませんでした。

今年の演者は Norbert J. Pelc という、スタンフォード大学の教授でした。
タイトルは「CT 2020: Future Prospects in CT」臨床用CTが将来(2020年)どう進化しているか、という講演でした。

例によって、理解できた部分のほとんどが、自分が元々知っていた知識であり(ありがち)、
マニアックな学術講演を英語で完全に理解し、新しい情報を得るのは難しいですね。

臨床用CTの進化の方向性は、僕の理解する限り
1) spatial resolution 解像度
2) time resolution スピード
3) noise ノイズ
4) radiation dose 被曝量
にあると思います。

このうち、スピードと解像度については、近年のハードの進歩で、臨床的にはかなり十分な所までいっています。
検出器の多列化が大いに貢献しています。

今後の当面の目標は、いかにノイズと被曝量を減らすか、です。
つまり、より少ない線量で、よりノイズの少ないきれいな画像を得る、ということです。
もちろん、長期的には、ハードの更なる進化もあると思います。

部位別の進化を挙げると、
X線管球:dual energy、dual X-ray tube
検出器:multi detector、photon counting detector(今後注目とのこと)
データ処理:motion correction algorithm、new reconstruction algorithm(名前忘れました)
などを、挙げていました。
すみません、マニアックな話題で。

CTはMRIと違い、主に企業で(大学ではなく)その進化を遂げてきたという歴史があります。
アカデミアがどう関わっていくかについて、その指南をしていました。

ちなみに、世界のCTの3強は、GE(アメリカ)、シーメンス(ドイツ)、TOSHIBA(日本)です。
僕が日本人というだけで、東芝のCTの質問をされることもあります。
東芝にはがんばってもらいたいです。


— posted by 千葉恒 at 02:27 pm   commentComment [3]  pingTrackBack [0]

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