HR-pQCT 解説-2

HR-pQCT:
- High Resolution  高解像度の
- peripheral     末梢骨用の(四肢用の)
- Quantitative CT  定量的CT

2) peripheral
つぎにperipheralですが、これは「末梢骨」つまり「手や前腕、足や下腿の骨」
専用であることを意味します。

このCTは、一辺が1.5m程度の直方体の小さいCTで、
写真のように、椅子に座って、手や足をCTのガントリにつっこんで撮影します。

手や足しか撮影できない、というのは、このCTの最大の弱みでして、
もちろんみなさん、骨粗鬆症の主要部位である脊椎や大腿骨を見たいわけですが、
それらの撮影はこのCTでは不可能です。

体幹部が撮影できない(捨てた)代わりに得たかったものが、低被曝線量です。

図のように、HR-pQCTの被曝線量は、通常のCTと比べると、圧倒的に少ないです。
直径の小さい臓器を、直径の小さなCTで撮影する、という条件がなければ、この低被曝線量は実現しません。

その結果、繰り返しCTを撮影することが倫理的に許される、という大きな利点を得ました。
100回撮影しても、通常のCTの1回分よりも、被曝線量が少ないわけですから。

繰り返し撮影ができるということは、骨の微細な構造が、計時的にどのように変化するかを
観察できる、ということを意味します。

加齢や病気による変化、治療や手術による変化を縦断的に解析できる、
これは患者さんを対象とした臨床研究においては大きな強みです。

今までわかっていなかった多くの事が、このCTで解明されるのではないかと期待されています。


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— posted by 千葉恒 at 05:12 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

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