アトランタ報告

無事にポスター発表が終わりました。
UCSFで行った男性骨粗鬆症では何人かの先生方と質疑応答をしました。
解析結果の解釈を修正した方がいいという内容でした。
 
現行)
①DXAで骨粗鬆症or骨量減少症のグループは皮質骨幅の有意な減少がみられた(橈骨)
②DXAの正常群では皮質多孔性の有意な増加がみられた(脛骨)
③①では脛骨、②では橈骨で同様の変化がみられなかったが、荷重骨/非荷重骨の違い、橈骨と脛骨のvolumeの違いなどが推測される
 
メンターのAndyと相談して、DXA正常群とDXA低値群を一元化して考え、それに当てはまらなかった③を補足的に説明というスタイルをとっていました。
しかし、ドイツのEngelke K.氏(千葉先生によるとご高名な方らしいです)のアドバイスではDXA低値群の橈骨で・・、DXA正常群の脛骨で・・というように解析結果をありのままに記載した方がいいということでした。
いま論文を作成しているところだと報告すると、Engelke氏は「その論文はおれが査読するだろうから、がんばれよ」と言ってくださいました(半分は冗談だと思いますが・・)。
 
野球肘に関してはあまり質疑応答などはなく、5人ぐらいの方がポスターの写真を撮っていました(男性骨粗鬆症よりもこちらに質問が殺到するかなと思っていたのですが・・)。
心の中で「まねしていいけど、ぼくが論文を書いてからにしてね」とつぶやいていました。
 
HR-pQCTの研究者が集まるScanco Meetingで千葉先生が野球肘の撮影についてプレゼンをされましたが、そちらの方は反応がよかったです。
撮影風景の写真は先生のプレゼンだけでなく、Andyのプレゼンでも使われ、さらにぼくのポスターにも入れていたので、顔は覚えてもらったのではと思います。
少なくともNagasakiは肘をやっているというのは多くの研究者に伝わったはずです。
 
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— posted by 佐田潔 at 11:55 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

アトランタ到着

無事に学会会場のあるアトランタに到着しました。
心配していたポスターは特に問題なく機内に持ち込めました。
San Franciscoから4時間半ぐらいのフライトで、時差が3時間あります。
チェックインしたのは21時ぐらいでした。
こちらは日中は30℃を超えるようで、夜でも結構暑かったです。
 
ぼくの発表は日曜と月曜です。
長崎からはぼくの2つの発表を含めて6つの演題が予定されています。
特に肘のポスターには多くの質問が予想されるので、スムーズに回答ができるように準備をしておきたいと思います。
 
それと、早く論文にしないといけないと痛感しています。
今回のポスターには撮影方法や測定領域などの画像も取り入れたので、それを参考にして同様の研究を行うグループが必ず出てくると思います。
もし先を越されたら、心に深い傷を負ったままこれから生きていかないといけません・・・。
今回ネタをばらす海綿骨に関しては10月末を目標に書き上げるつもりです(別に計測した軟骨下骨は今回の発表では触れないので、そこまであわてなくてもいいかなと思っています)。
ただでさえ忙しい千葉先生にまた校閲などご迷惑をおかけすると思いますが、よろしくお願いします。

 
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ホテルの一室から

— posted by 佐田潔 at 10:27 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

ポスター完成

アメリカ骨代謝学会(ASBMR)が目前に迫ってきました。
きょうは発表用ポスターの印刷をしました。
幅183cm、高さ107cmと通常の学会よりもひと回り大きなサイズです。
男性骨粗鬆症の研究では皮質多孔性が1年で23%も上昇した代表的症例の画像を入れ、これを十分にアピールしようと思い、印刷の設定を"high quality"にしたところ刷り終わるまで25分ぐらいかかりました。
 
出来上がったポスターを眺めながら、あの状態からよくぞここまでデータをまとめ、興味深い結果に仕上げたなと思います。
データの統計学的解析を始めてからは精神的にほんとうにきつかったです。
どうすれば興味をそそるような結果が出てうまくまとめられるのか、本当に試行錯誤でした(Excelでグループ分けしたパラメータをいったい何回比較したんだろう・・)。
今回のポスターはUCSFでやってきたことの結晶です。
汗と涙がこのポスターにぎゅっと凝縮されています。
現在論文を作成中で今月末までにはメンターのAndyに提出できると思います。
 
長崎でやった野球選手の肘のポスターも出来上がりました。
何回千葉先生にチェックしていただいたことか・・(お忙しい中、本当にありがとうございました)。
こちらもおもしろい結果がでました。
2回の一時帰国を使って撮影と解析をしましたが、朝早くから夜遅くまで医局に引きこもってがんばった甲斐がありました。
HR-pQCTで肘を撮影した報告は今までになく、今回のASBMRではおそらく注目してもらえるのではと考えています。
千葉先生はHR-pQCTを専門にしている研究者のグループミーティングで、この肘の撮影に関して発表される予定です。
 
問題はこのポスターをどうやってアトランタまで運ぶかです。
ラボにはポスターを入れるケースがなく、今回はポスター用紙の芯の中に入れて持ち歩く予定ですが、1mの長さがあるものを果たして機内に持ち込むことができるのでしょうか?
預けてしまうとスーツケースなどに紛れて、大事なポスターがくしゃくしゃになってしまう可能性があります。
日本の国内線では事情を説明していつも機内に持ち込んでいましたが、今回利用するUnitedで果たしてそれができるのか心配です。
 
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55歳男性(脛骨)ΔCt.Po +23%/year
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上腕骨小頭と滑車の計測領域(投球側)
 
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— posted by 佐田潔 at 11:34 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

勉強会

修練医の先生とGeneral Hospitalで開かれた骨折の勉強会に参加してきました。
内容はAO法の基本や原理といったもので、骨癒合の2つの形式、絶対的安定性/相対的安定性、スクリューやプレートの種類とその適応に関しての講義でした。
臨床から離れている自分にとって復習になったし、外傷センターをまわっている修練医の2人にとっても、非常にいい勉強になったのではと思います(しかも英語で)。
 
夕方は2週間長尾先生のもとに研修に来られている札幌医大の先生方と勉強会で、General Hospitalで経験された症例を英語で発表するというものでした。
その1つに肘の手術で難しい部類に入る"Terrible triad"の症例がありました。
肘関節の脱臼骨折で肘関節後方脱臼、橈骨頭骨折、鉤状突起骨折を合併したものをいいます。
両側の靭帯が断裂している場合がまれにあるが、内外側両方を縫合してしまうと関節拘縮が強くなるため片方のみを縫合することが多いなど、勉強になりました。
 
研修最終日の金曜は修練医の先生に骨粗鬆症に関する英語論文を抄読会形式で発表してもらうようにしています。
ぼくなりにチェックをして、それを大学での抄読会に発表してもらうルールにしています(修練医の先生はあまり時間もないと思うので)。
大学での発表があまりよろしくなければ、ぼくの指導力不足だと思うので、その時はメールでご一報をお願いします。
 
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— posted by 佐田潔 at 12:50 pm   commentComment [0]  pingTrackBack [0]

SF研修②

SF研修第2班は中村智治先生と中山先生です。
台風のために航空券を変更し金曜に長崎を発ち、東京で1泊してからやってきたということです。
2人とも時差のため少しきつそうかなと感じでしたが、若いし医局で鍛えられているので大丈夫でしょう。
 
空港で2人をpick upしたのが昼過ぎだったので、まずは腹ごしらえ。
こちらで人気のあるハンバーガーチェーン店In-N-Out(イン・アンド・アウト)に行きました。
昼の時間帯で行くとだいたい20分ぐらい待たないといけませんが、十分にその価値があると思います。
ボリュームはもちろん、レタスや玉ねぎが新鮮でハンバーグといっしょに食べるとものすごく美味しいです。
3人でお店の外のテーブルで食べました。2人からも好評でした。
 
昼食をとったあと、お決まりの『西側コース』をガイドしました。
太平洋が広がるサンセットビーチ(今回は晴れていました)、ぼくが住んでいる$900のシェアハウス、夕日を眺める丘に行き、今回は家から10分ぐらいのところにある湖と、San Franicisco Zooも案内しました。
 
日曜はヨセミテ国立公園のバスツアー、月曜は祝日のため市内観光を予定し、火曜から実際の病院見学やこちらのカンファなどに参加してもらうようにしています。
朝が早く大変ですが、がんばっていきましょう。
 
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— posted by 佐田潔 at 10:32 pm   commentComment [2]  pingTrackBack [0]

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