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いくらでも書けそうな気がしますが、今回で終わります。

Ct.Po(cortical porosity)のRMS%CVが高い原因ですが、いくつかの理由が候補としてありますが、最も有力な理由は、
検出しているCt.Poの数値があまりに小さいため、その検出の程度が少し異なるだけで、大きな変動になってしまうことです。

例えば、ある症例の橈骨のCt.Poは、0.41、0.54、0.49%という計測値になりました。
0.41%というのは、皮質骨の全体積にしめる、多孔性の体積の割合が0.41%であることを意味し、
これは1%以下のごくわずかな多孔性と言えます。

その症例の2回目の撮影では、検出の程度が0.13%だけ増えて、0.54%になってしまいました。
最終的に、0.41、0.54、0.49%という計測値となり、数値としてはわずかな変動ですが、
計算すると%CVは13.7%となってしまいました。

「出現自体が小さい病変の再現性を見る場合、検出の程度がほんの少し変わるだけで、大きな変動になる」
というのが、Ct.PoのRMS%CVが高くなった原因と考えられています。

では、Ct.Poが使えないパラメーターか?と言われると、実は全く違います。

多くのHR-pQCTの研究で、主に有意差が出るパラメーターが、なぜかCt.Poなのです。
Ct.Poが注目されている理由の1つがここにあります。

「Ct.Poは変動を超える変化をしやすい」ということですが、
そこで参考になるのが、LSC(least significant change:最小有意変化)という概念です。

計測値の変化が有意と考えられる最小の値を意味するのですが、
通常、95%信頼区間を得るために、%VCに2.77をかけたものが最小有意変化とされています。

添付は、各パラメーターのLSCの表ですが、例えば、橈骨のCt.PoのLSCは0.24%で、
橈骨のCt.Poの変化が0.24%あれば、これはかなりわずかな数値なのですが、有意な変化と言える
ということを意味しています。

これはレビュアーとのやりとりの中で気付いたことで、いいレビュアーに出会えたなと感謝しています。

T5



— posted by 千葉恒 at 08:45 am   commentComment [0] 

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