01PRE -2

結果ですが、添付のごとく、かなり複雑な表になります。
表が小さくて見えないかもしれませんが、詳しくは出来上がった論文を参照して下さい。

まず左側に、各パラメーターが記載されていますが、、、説明するのが大変ですね。
これはまたいつか、ゆっくり説明した方がいいですね。

表の上側は、まず、Radius(橈骨)とTibia(脛骨)で分けていて、
さらにIntra-tester(検者内)と Inter-tester(検者間)に分けています。

そして再現性は「RMS%CV」という数値で評価しています。
これがまた説明が難しいのですが、、、

3回撮影した時の「ばらつき」を知りたいわけですよね、、
ばらつきでよく知られているのはSD(標準偏差)です。

しかしSDは、もともとの数値が大きいと大きくなるので、例えば、
1010、1000、990 だと、SDは 10
1.05、1.00、0.95 だと、SDは 0.05
一見、前者のばらつきが大きく見えますけど、それは間違っていますよね。

SDをMeanで割った数値が、CV(coefficient of variation:変動係数)で、それを%にしたのが%CVです。
前者の%CVは1%で、後者は5%となり、後者の方が変動が大きいことになります。

今回の場合、15人の被験者それぞれに対して、%CVが存在します。
では、この15人の集団全体としての%CVをどう表現しましょうか?
平均値、つまり15人全ての%CVを足して15で割ったもの、としたくなりますが、実際はそうはしません。

ブラウザ上で数式をうまく書けませんが、√Σi=1〜15(%CVi)2乗 / 15 という計算をします。
つまり、15人それぞれの%CVを二乗したものを足して15で割ってその平方根を求めます。
これをRMS(root mean square:二乗平均平方根)といい、RMS%CVと表記されます。

骨密度測定装置の世界では、再現性はICCなどよりも、このRMS%CVで表すことが主流です。
一般的には、この数値が、2〜3%以下であれば、許容できる精度と考えられます。

表に示す通り、HR-pQCTが計測するほとんどパラメーターのRMS%CVは2%以下で、
つまり、何度撮影しても1〜2%程度の変動しかない「安定した精度」をもつことを意味します。

今回の調査では、橈骨と脛骨では大差ありませんでした。検者内と検者間も大差なしです。

表を見ると、Ct.Po(cortical porosity)のRMS%CVだけ高く、気になりますよね。
長くなったので、これについては、また後で、、


T3



— posted by 千葉恒 at 10:00 pm   commentComment [0] 

01PRE

予定から遅れること半年、やっと長崎のHR-pQCT研究の、第1弾の論文がアクセプトされました。

「01PRE」というコードで管理されているこの研究は、HR-pQCTの精度(Precision)に関する研究です。

新しい計測機器を日本で初めて使うわけですので、まずその精度を検証するのは、私たちの役割だと思って、この研究を始めました。

まず「計測機器の精度」とは何かですが、「ある計測機器が同じ物を何度計測しても同じ数値がでるか」ということで、
何回計測しても同じ計測値がでれば、それは「完璧な精度の計測機器」ということになります。しかし、そのような計測機器は、実際の医学の世界には存在しません。

研究デザインですが「15人の被験者を、0、1、4週で合計3回撮影し、計測値の再現性を骨構造パラメーターごとに解析する」というものです。(正確には、検者内再現性と検者間再現性の両方を検討したので、検者Aが3回、Bが1回、Cが1回の合計5回の撮影です。)

「15人」は、骨密度測定装置の精度を検討する際に、必要とされる最低人数が14人、という有名な論文があり(1995年にUCSFから出ています:Glüer, C. C. et al. Accurate assessment of precision errors: how to measure the reproducibility of bone densitometry techniques. Osteoporos Int 5, 262–270 (1995).)

それに基づいて、ISCD (International Society for Clinical Densitometry) という骨密度測定装置の国際組織のOfficial Positions でも、「Measure 15 patients 3 times, or 30 patients 2 times, repositioning the patient after each scan」との記載があり、それに従った設定です。

「0、1、4週」にした理由は、同日に3回撮影すると、検者が記憶しているので同じような撮影ができてしまい、
加えて、CTのコンディションも同じなので、有利な結果が導かれてしまうからです。

「15人の被験者を集めて、0、1、4週に来てもらって撮影する」というのは、意外と大変な作業で、
撮影はHR-pQCT導入後の2015年8月から始まって、同年の12月までかかりました。

2016年1月から構造解析、統計解析と進めていきましたが、15人×5回×2部位=150解析はまぁまぁ地道で(検者Bの岡崎先生、検者Cの黒木先生に感謝です)、
しかも解析終了後に、構造解析のアルゴリズムに小さな欠陥があることを発見し、スイスの本社と交渉し、変更を加え、解析のやり直しも行いました。

HR-pQCTを導入して1年以内、つまり「2016年7月までに、論文を1本通す」が私の目標だったのですが、
日々の臨床業務にも追われ、結局、論文が完成したのが、2016年8月。

8〜10月に大きな雑誌にリジェクトされ、10月に投稿したJournal of Clinical DensitometryLink (Impact Factor: 2.644)というマニアック雑誌に、12月にマイナーリビジョンをいただき、そして晴れて2017年1月、予定より遅れることちょうど半年で、アクセプトに至りました。

今はとりあえず、ホッとしています。

長くなりましたので、HR-pQCTの精度の結果については次回、、

— posted by 千葉恒 at 08:14 am   commentComment [0] 

あおむし

「げっつよーび、げっつよーび、りんごをひーとつたべました。」
って、わかります?「はらべこあおむし」

K-pon、ひーたん、どちらも釘付けになります。
よくできた絵本だ。。

「きれいな、ちょうちょになりました~♪」


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— posted by 千葉恒 at 06:06 pm   commentComment [0] 

あけまして

おめでとうございます。

なんとなく過去の正月を懐古してみました。
2016年Link 、目標は「1つ1つ、丁寧に」か。
2015年Link 、目標は「楽しく仕事をする」「エンジョイ」か。ふむふむ。
2014年Link 、「帰国後5ヶ月を過ぎ、アメリカ生活も忘却しつつあります。切ないけど、それが正常。」たしかに。
2013年Link 、アメリカ単身赴任中のひとり正月。やたら懐古してる。懐古好きだなぁ。
2012年Link 、懐かしの写真、1505 4th Street Apt. 309, San Francisco。W夫妻の後ろ姿ですね、ご出産おめでとう。これを言いたかった。

この公開日記帳もなかなかの歴史で、お願いだからサーバダウンしないでほしいです。
簡単なバックアップの方法がないかな。

今年もいろいろあるんでしょうね。悩んだりイライラしたり。
僕は「工夫」という言葉が好きで、工夫すれば全ての困難どうにかなると思っています。
自分には体力も腕力もない、記憶力もない、会話力も文章力もない、ただ、熟考して工夫する力だけはあると思っています。

今年は最近ないがしろにしがちなmy家庭を大事にしたいですね。
もうすぐ4歳のK-ponと、もうすぐ1歳のひーたんがかわいすぎます。
こどもの一番かわいい時期は、親の一番はたらき盛り、です。
あと、健康ですね。。昨年は大変な目にあいましたからね。


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— posted by 千葉恒 at 05:50 am   commentComment [0] 

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