会場は、北九州市の黒崎で、いつものごとく、早めに現地入りして、街歩きをしてきました。私の趣味の1つです。
昔、整形外科の先輩(後藤先生)から、「いのちのたび博物館 、面白いよ。千葉せんせーは行ったらよいよ。」と言われたことが、ずっと頭の片隅にあって、今回、会場から近かったので、ついに行けました。
恐竜や動物の骨格標本が多数展示してあり、整形外科医にとっては、楽しい博物館です。
整形外科疾患の多くは、二足歩行が原因であり、それを夢中に考えれる空間です。
今回、考えたことを列挙すると、、
- 下肢は脊椎と骨盤を介して骨性につながっていますが、上肢は骨でつながってません。筋肉でつながっています。前鋸筋は私が大好きな筋の1つで、これを考える上で重要です。前鋸筋の面白さは私の父が教えてくれました。上肢と下肢の結合の仕方の違いは、呼吸が関与しています。
- シンプルな疑問として、どうして膝の屈伸機構は肘のような構造にしなかったのかと、以前から不思議に思っています。手を使うからではありません。前肢を捕獲に用いない多くの四足動物でもそうだからです。膝は骨性に不適合な関節でして、肘と異なり、半月板を必要とし、深屈曲ではロールバックしないといけません。ちなみに、四足動物は前肢の方が体重を多く負担し、関節は常に屈曲位です。膝蓋骨と肘頭は同じ役割をもち、伸側に位置し、巨大な種子骨です。
- 下腿骨と前腕骨はそれぞれ2つの骨から成立していますが(脛骨、腓骨)(橈骨、尺骨)、動物によって、片方の役割が少なく退化します。下腿ではたいてい腓骨が退化しますが、前腕は尺骨が大きい種と、橈骨が大きい種があり、その違いが何なのか気になります。
もっとたくさんの古い両生類の骨を見たいですね。そういう博物館に出会えることを期待します。恐竜の骨は実はあまり興味がないんです。あれは鳥ですから。ちなみに、ダチョウの骨格があったのですが、ティラノザウルスとかなり似ていて興味深かったです。ティラノザウルスは強力なダチョウだったのでしょう。
講演会はいつものごとく、骨粗鬆症やHR-pQCTの話をさせていただきました。on-site 10名ほどと、webのハイブリッドで開催されました。
講演会の後は、少人数で食事会があったのですが、やはり対面の交流は良いですね。また知人が増えて、輪が広がりました。
呼んでいただいた、私の大好きな先輩である、産業医科大学の酒井教授と池田先生に心より感謝します。
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