本研究の主役は2つで、フォルテオとテリボンです。いずれもPTH製剤です。
PTHは parathyroid hormone、つまり副甲状腺ホルモンのことですが、そもそもヒトの副甲状腺ホルモンは、
骨を溶かして血中のカルシウムを上昇させる作用があります。骨は減るのです。
ところが不思議なことに、PTHを「間欠的に」投与すると、骨がとっても増えるのです。
「間欠的」の方法として、フォルテオは「毎日1回 20ug」を、テリボンは「週に1回 56.5ug」を、皮下注射します。
07PTHとコードされた本研究の目的は、投与方法の異なる2つのPTH製剤(1-34PTH:テリパラチド)で、
骨への効果がどのように異なるかを、HR-pQCTを用いて精査することです。
2つのPTH製剤の特徴を知るにはコントロールが必要であり、今回、経口のビスホスホネート製剤としました。
つまり、連日テリパラチド、週1回テリパラチド、経口ビスホスホネートの3群の、ランダム化比較試験(RCT)としたのです。
本研究の新規性は、
- テリボンは、made in Japan の薬剤であり(旭化成ファーマ)、HR-pQCTのデータが世界にまだないこと。
- フォルテオは、海外データはあるのですが、第一世代HR-pQCTで、結果もバラバラで、第二世代HR-pQCTのデータは世界にまだないこと。
- フォルテオとテリボンの違いを、ランダム化比較試験(RCT)で調査していること。
などで、意気揚々と始めましたが、まぁ、苦労の連続でした。
研究名は、TERABIT study (テラビット スタディ)です。がんばって考えました。
randomized controlled trial of daily TEriparatide, weekly teripaRAtide, or BIsphosphonaTe in patients with osteoporosis
次回より、研究の結果を解説していきます。
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