ASBMR @Austin -5

さて、ASBMRです。北米骨代謝学会。

骨代謝疾患、主に骨粗鬆症の、基礎〜臨床研究をカバーする世界で最も大きな学会です。
とは言っても、新薬の開発が枯渇してきている本分野は、学会の規模も縮小傾向です。

学会が縮小傾向なのは、不思議な話ではあります。

というのは、骨粗鬆症は患者数が極めて多く、高齢者を要介護状態にするタチの悪い疾患であり、
医療経済的にも、介護に奪われる労働力の意味でも、重要性が高く、
しかも現状、最強と言われている薬を駆使しても、多くの患者さんは治癒することはできません。

つまり、マーケットとニーズはあるけど、開発の積極さは失われている方向性なんです。

そんなこんなで、気になった演題を紹介しますと、

1)KER-012

骨粗鬆症の新規治療薬のPhase1の話題です。
Activin receptor IIB ligand trap という、私もコピペしながら何のことやらわからないものです。

健常女性に対する、KER-012の0.75、1.5、 3、5mg/kgおよびプラセボ(N=8、8、8、8、8)の皮下注射の1回投与での、安全性と4週後の骨形成マーカーを見ています。
その結果、懸念されていた赤血球増多は見られず、骨形成マーカーP1NPは最大量の5mg/kgで40%ほど増加しています。
骨吸収マーカーCTXは、抄録では低下の傾向と記載ありましたが、今回はデータを示していませんでした。質疑でもその点が触れられてましたが、よく聞き取れませんでした。

将来、新しい骨形成促進薬が増えるんでしょうか、、楽しみです。生き残りは容易ではないとは思いますが、今年の明るい話題でした。
一方、ロモソズマブ(イベニティ)は2週間でP1NPを150%増加させますので、本薬がどの程度インパクトのある薬剤となるかは不明です。


IMG_4202



IMG_4206



— posted by 千葉恒 at 06:40 am   commentComment [0] 

コメントをどうぞ。 名前(ペンネーム)と画像認証のひらがな4文字は必須で、ウェブサイトURLはオプションです。

ウェブサイト (U):

タグは使えません。http://・・・ は自動的にリンク表示となります

:) :D 8-) ;-) :P :E :o :( (TT) ):T (--) (++!) ?;w) (-o-) (**!) ;v) f(--; :B l_P~ (QQ)

     

[X] [Top ↑]

T: Y: ALL: Online:
Created in 0.1849 sec.

prev
2022.9
next
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30