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留学派遣 一旦終了

私たちの研究グループ(RiBSLink )からの留学派遣が一旦終了しました。

2011-2013 千葉 UCSF(サンフランシスコ、カリフォルニア)
2013-2015 岡崎 UCSF(サンフランシスコ、カリフォルニア)
2015-2017 佐田 UCSF(サンフランシスコ、カリフォルニア)
2019-2021 白石 UC Denver(デンバー、コロラド)

以前の記事Link でも述べた通り、海外出張すらできない状態で、海外留学は難しいのですが、

最近の周りの情報を収集すると、、意外と新規に留学を開始しようとしている先生方がけっこういます。
I先生はデューク大学に、H先生はミシガン大学に、今年から留学予定です。K先生もオハイオ州立大学と交渉中です。

長い医師人生の中で、留学のチャンスは1回なので(私は今でも2回目に行こうと企んでいますが)、
どんな状況でもそのチャンスをつかんで、一生モノの経験をしてもらいたいです。応援しています。

私たちも数年後に、また留学を再開する計画を立てたいと思います。
デンバーは、受け入れOK、と言ってくれています。他のコネクションもわずかに残っています。

白石先生は今週帰国しましたが、ルールにより2週間の自宅巣篭もりをしており、会えていません。
4月から、臨床(関節外科)も研究(HR-pQCT)も、一緒にすることになっています。
パワーアップした白石先生と一緒に仕事をできることを楽しみにしています。



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— posted by 千葉恒 at 07:28 am   commentComment [0] 

ISCD

ISCD(International Society for Clinical DensitometryLink )に初参加しました。

とは言ってもWebで、参加した、という感覚ではなく、ただ聴講した、ですね。
テンションは全く上がらないです。

International Society for Clinical Densitometry は、その名の通り、骨密度測定に関する国際学会でして、
ここで、骨密度測定に関する、全てのガイドラインLink が決められています。

今まで参加する機会がなかったのですが、昨年、初めて参加しかけて、旅程を全て決めていましたが、コロナで延期Link となりました。
今年は、Webで開催されました。

この学会は、私の好きな「骨微細構造」や「HR-pQCT」に関する発表は皆無で、
それを理由に、今まで参加してなかったのですが、

この学会の雑誌(Journal of Clinical Densitometry)に最近よくアクセプトしてもらってることや、
この学会への日本人の参加者がほとんどいないらしく、
DXAに興味を持ってる整形外科医なんて、まぁ日本にそんなにいないでしょうから、今後は気がけて参加しとこうかな、
というモチベーションで、今回、初めて参加してみました。

感想としては、、うーん、何とも言えませんが、個人的に興味のあった話題は、
1)米国で保険点数が下げられ、DXAは減っている。もちろん日本のDXA保有数は、世界トップレベル。
2)小児は評価にピットフォールがありすぎて深い
3)整形外科手術の成績向上を目的としたDXAの利用が議論されている
4)トップアスリートでの利用

特に3は私の分野ですので、今後追求してもいいのかな、とも思いました。

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— posted by 千葉恒 at 11:27 am   commentComment [0] 

アバロパラチド承認!

先週の2月25日に、新しい骨粗鬆症治療薬が承認されました!

「オスタバロ皮下注カートリッジ / 一般名:アバロパラチド」(帝人ファーマ)です。

骨粗鬆症の新薬は、今後は当面、登場する予定はなく、アバロパラチドで全ての治療薬が出そろった形となります。

アバロパラチドはPTH製剤の1種です。
PTH製剤は、現在、テリパラチドの連日製剤(フォルテオ)と、週1回または2回の製剤(テリボン)の3製剤がありますが、いずれも成分はテリパラチドです。
アバロパラチドは、正確にはPTHrP製剤で、毎日自己注射する製剤です。

アバロパラチドはテリパラチドと比較して、骨代謝や骨量増加に与える効果、副作用などが少々異なるため、
その使い分けに関しては、これから皆んなで探っていくことになると思います。

実はこの薬剤は、既に2017年に米国FDAで承認されており(TYMLOS, Radius Health, Inc.)、
私のブログでも過去に、2015年のASBMRLink2016年のASBMRLink2017年のASBMRLink と、触れてきました。

日本での商品名「オスタバロ」ですが、なるほどそうきたか、「TYMLOS」とはだいぶ違い、
オスタが骨(Osteo-)で、それにアバロ(Abaloparatide)を足したわけですね。覚えやすいかも。

追記)上市時期は未定Link だそうです。

— posted by 千葉恒 at 07:57 am   commentComment [0] 

長崎空港

用事があって1年以上ぶりに長崎空港に行ってきましたが、、
まだまだ欠航が多いね。

今回も飛行機に乗れたわけではありません。
やはく出張、旅行が自由にできる状況に戻れますように。

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— posted by 千葉恒 at 09:49 pm   commentComment [2] 

DXA説明のコツ

私は研究の世界においては、CTや骨微細構造の専門として認知されていますが、
前回話したように、臨床においてはDXAの重要性がとても高いので、DXAへのこだわりは強いです。

今日はDXA説明のコツを、治療モニタリングを中心にまとめてみます。

1)T-scoreでなくYAMで説明
世界標準はT-scoreで、YAMは日本のみ概念ですが、YAMの方が説明が容易です。
若者がYAM100%で、歳をとると誰でも90、80%と減りますが、
70%を下回ると骨粗鬆症と確定診断され、骨折しやすい状態と言えます。

2)治療効果は差でなく変化率で見る
治療効果は変化率で評価するのが世の決まりとなっています。
例えば50%が55%まで上がったとしたら5%アップでなく変化率としては10%アップです。
100%が105%まで上がったら5%アップなので、実は、骨密度は高くなると変化率は小さくなっていきます。

2)腰椎BMD
L1-4で評価します。半年で2~3%上がれば上出来です。

下がった時は、薬が効いてないと判定する前に、この半年間で起きたイベントを聞きます。
例えば何か病気をして入院を1ヵ月間してたとか、それだけでほとんどの方は骨密度の低下が生じます。

また、毎回+2%→+2%→+2%と直線的に上がるわけではなく、
+4%→+0%→+2% や、+4%→-2%→+4%みたいに、上がったり下がったりしながら、トータルとして上がることもあります。
1回下がったからといって、簡単に無効とは判定できません。

椎体骨折が発生するとその椎体のBMDは高くなります。変性側弯は多椎体のBMDを上げてしまいます。
いずれも、L1-4平均値の評価から除外しないといけません。

3)大腿骨BMD
大腿骨全体(Total Hip)と大腿骨頚部(Femoral Neck)で評価しますが、
前者の方が信頼性が高く、モニタリングは大腿骨全体(Total Hip)でします。

大腿骨BMDを上げる事は容易ではなく、半年で1~2%上がれば上出来です。
大腿骨は運動量に関係しますので、上がりが悪い方には、運動療法の指導もします。

大腿骨BMDは、実は左右差があり、ほとんどの施設では片方しか撮影しませんが、本来は左右とも測定ことが望ましいです。

4)そもそも早期発見治療が重要
YAM50%を70%にするには、40%の増加率が必要です。
しかしながら、ほとんどの薬は数年間で40%も増やすことができません。
治療薬は以前と比べて強力になったといえども所詮この程度で、本来はもっと強力な薬が必要です。
そのような薬のニーズはありますが、現在、新薬開発はほとんどなくなってしまいました。
よって今後も、早期発見、早期治療が重要と言うことになります。


— posted by 千葉恒 at 06:29 am   commentComment [2] 

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