OARSI@Las Vegas -2

長崎からは、私と岡崎先生の2人がポスター発表をしました。
「膝OAの軟骨下骨の構造変化を、HR-pQCTで解析する」という内容で、一応、世界初で、Limitationも多いのですが、膝OAの軟骨下骨の骨微細構造の変化を見るには、理論上は最も優れた方法と考えられます。

注目度はなく、人が集まることもなく、何人かに写真は取られていましたが、質問もヨーロッパ人から撮影の仕方について質問がちょっとあったぐらいだったな。

Las Vegasは3回目でした。今回はちょっと郷愁の旅みたいな部分もあって、前回は留学中にLink 妻と2人で来て、ベラッジオの噴水見たなーとか思って、写真を撮ってみたり、ここでランチ食べたなーとか思って、そこでランチしたり。

カジノには全く興味がなくて、触れもせず、ショーにも結局行かずでした。Elton John が年中ショーをしていて、ちょっとだけ行きたかったのですが、ほんの数日前に病気で帰国Link したみたいで全キャンセルになっていました。

そういえば、前回はなんとも思わなかったトランプホテルが、今回は気になりましたね。学会の開催中に、北朝鮮が日本海にミサイルを打って、CNNのbreaking news で、「North Korea が Sea of Japan に missile を launchした」って、やっぱり「Sea of Japan」ってのが効いてて、日本のかなり近くに打ってると思われてるかもしれません。日本と戦争する気じゃないか、と思われてるかも。


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— posted by 千葉恒 at 03:10 pm   commentComment [2] 

OARSI@Las Vegas -1

OARSIで発表するためにLas Vegasに来ています。

OARSIは変形性関節症(osteoarthritis:OA)の国際学会で、毎年春に、北米と欧州の持ち回りで開催されています。今年は北米の番で、Las Vegasでした。

9年前のローマから参加しており、OAの最新研究と新薬のアップデートが目的ですが、、とにかく、いい薬が出ない、、
Osteoporosisで言うところのビスホスホネートのような break throughが、OAの世界ではいつまでたっても出て来ないんですよね。

今年の注目は、新しいDMOADsである、wnt signal inhibiter でした。
今まで多くのDMOADsが、Phase3までには消え去りましたが、この薬はどうなるでしょうか。

今回、Phase1の結果が披露されましたが、、微妙、、

PainとFunctionが改善、Joint space width が単純X線でほんのちょっとだけ改善したかも、という結果のみでしたが、、
短期的にPainは減らせるんです。それはプラセボでも減るし、痛みを減らしたければ、cox2 inhibitorとかを併用すればいい話です。
大事な事は、これが本当に disease modify なのか、ということで、できれば、構造変化、つまり、軟骨が少し増えたとか、軟骨下骨の構造が改善したとか、滑膜炎が減ったとか、そういう証拠を示してほしいところですが、、なぜかMRIを評価項目に入れてない。。

ここは古巣のMQIRやSYNARC(BioClinica)の出番だろ、と個人的には思うのですが、とにかく、そういう評価をしていません。Phase1や2ぐらいまでなら、Nも少ないから、やればいいと思うんですが。単純X線伸展位のJSWのあやしい結果だけ見せられて、誰が信用するのかな。

一方、良い点だなと思ったのは、wnt signal inhibiterですがバイオではないようで、安価である可能性。加えて、6ヶ月に1回の注射のようなので、患者さんへの負担が小さいこと、ですかね。
KL-3の初期(KL3も幅広いですから)までに早期発見して、病型を確認して、この注射+cox-2 inhibitorのセットで治療開始、というのはアリかもしれません。

早速、訂正!)MRI評価もしてました。失礼しました。BMEには効果なし、としか書いてません。軟骨評価などをどこまでしたのかは不明です。Phase2からはMRIは無しだそうで、構造変化は、結局わからずじまいになるのかな。

さらに、追記)UCSFのMajumdar教授から情報をもらいました。Phase1ではやはり軟骨評価はしてないみたいです。しかしながら、治験とは別に、UCSFが軟骨評価の研究を受託しているそうです。さすがです。

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— posted by 千葉恒 at 09:55 pm   commentComment [0] 

日本リウマチ学会@福岡

4週連続出張の3つめ@福岡です。近場でしたが、いわゆる「特急かもめ疲れ」ですね。
長崎新幹線には実は期待してますが、まだまだ先ですね。求めているのは速さではなく快適さです。

日医放総会とリウマチ学会の発表内容はかなり似ていて、「関節リウマチの骨破壊(erosion)をHR-pQCTを用いて解析する手法」について発表しました。

日医放では思ったより質問をいただけて、よかったです。

- erosion と 血管孔 の鑑別は? → かなり鋭い質問。この手の研究をしていた方でしょうか。SPECTRAというワーキンググループがHR-pQCTによるerosion判定のガイドラインを出しており、血管孔との鑑別は「管状の形状」が主なポイントになっています。個人的にはやや煩雑になりますが、MRIと合わせて判断できないかと思っています。
- erosion が小さくなる症例を経験したか? → 自験例ではまだないのですが、すでにそれをまとめた論文がいくつかでています。デノスマブが期待されています。
- HR-pQCTは手足以外には使えますか? → がんばれば(患者さんが)肘や膝まで撮れます。
- 被曝量は? → 手指の2cm撮影で10µSv。µ(マイクロ)ですから、とてつもなく少ないです。

リウマチ学会での反応は今ひとつでしたが、座長より下記の質問が。

- erosionと傍関節の骨粗鬆症化の関係は? → erosion周囲のBMDとの関係は報告されています。erosion周囲のBMDが低いとerosionは拡大傾向にある、という内容です。
- 大きいerosionの検出は可能か? → そうなんです。浅く広い凹みになると、現在のアルゴリズムでは、検出されにくくなるんですよね。mannual 操作が加わります。

— posted by 千葉恒 at 10:31 am   commentComment [0] 

この花

好きなんですよね。この季節。
なまえは知らないけど。

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— posted by 千葉恒 at 09:04 pm   commentComment [0] 

日医放@横浜 -2

展示場で目に付いた機器や技術について、列記してみます。

(全身用高精細CT)
TOSHIBAからついにスライス厚0.25mmの高精細CTが発売開始となりました。商品名は、Aquilion Precision になったようです。開発期間16年、TOSHIBAの名前でリリースできて良かったですね。秋からはTOSHIBAの名前はなくなり、Canonになるそうです。

今まで何十年もの間、全身用CTのスライス厚は0.5mm程度が最高でしたが、このCTは世界で初めて0.25mmを可能にしました。z軸だけでなくxy平面も改良され、in plane 解像度は0.15mm、matrixは標準1024で、最大2048まで可能とのことです、ひえ〜。(ちなみにHR-pQCTの標準は2304です)検出器の列数は160列で、1回転で4cm撮影できます。320列のAquilion ONEと違って(16cm)、スピードではなく高精細であることで差別化しているとのことです。

データが重くなるのが問題で、0.5mm / matrix 512 の時の8倍のデータ量になるので、サーバが大変ですね。あと、モニターも高精細でないと意味がないので、周辺機器も含めたインストレーションが必要とのことです。

(CT:IR、Dual Energy、Filter)
主にSiemens ブースですが、まずは前からの技術ですが、IR(Iterative Reconstruction)によるMetal artifact suppression。あと、これは知らなかったのですが、dual energy の subtraction で、bone marrow のカラーマッピングをして、骨折部をMRIの骨髄浮腫像のように描出できる技術。多発外傷の全身CTでの骨折スクリーニングに応用できそう。ほか、SnやAu(スズ、金)のフィルターで、スペクトラム幅やエネルギーの調整をして、Metal artifact suppressionに応用したり、1管球でDual Energyを可能にしたりしているようで、まぁ、よく考えたなぁ、、と関心してしまいました。

(MRI:compressed sensing)
MRI撮像のスピード化には、前から興味がありますが、以前より parallel imaging というのがあり、UCSFの同僚(フランス人のジュリアン、元気してるかな、)がラボミーティングで時々発表していましたが、今の流行りは compressed sensing(CS) みたいですね。

要は k-spaceからのサンプリングを、どう間引くか、なのですが、CSではランダムサンプリングをしてかなり少ない元データから画像を作っているらしいです。当然ノイズが増えるのですが、計算繰り返すことでどうにかなるそうです。
今後、spin echo や iso voxel系(spaceなど)にも適応されて、短い時間で高い解像度の画像が得られることを期待しています。

ちょっとマニアックな内容になりましたが、さすがに8年ぶりに行くと、新しい技術がいろいろ目について楽しかったです。

— posted by 千葉恒 at 06:46 am   commentComment [0] 

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