TCVO -4

すみません。アップをサボっていました。

手術適応についてですが、ポイントはJLCAです。
つまり、外側関節が開いた内側型OAの症例に適応があります。

理屈を整理しますが、
下肢アライメントの内反化は、理論上、下記の3つで発生します。
1)脛骨 :近位部の内反=MPTA↓
2)関節内:外側関節の開大=JLCA↑
3)大腿骨:外弯など=LDFA↑

Standard HTOは、脛骨近位部を外反矯正して(MPTA↑)、アライメントを外反化します。
TCVOは、前述のごとく、脛骨近位部の外反(MPTA↑)と、外側関節の整復(JLCA↓)を同時に行っています。

よってTCVOの良い適応は、脛骨近位部の内反に加えて、外側関節の開大(JLCAの増大)している症例、ということになります。

ここで問題点は、TCVOは原則、外側関節を整復した分だけしか、アライメントが矯正されないので(厳密には違いますが)、
術後に必要とするアライメントの矯正角度と、外側関節の整復で得られる矯正角度の関係を見なければなりません。

例えば、下肢の%MAを65%ぐらいにもっていくために必要な、脛骨の外反矯正の角度が12度だったとして、
外側関節の整復で回転する角度が何度くらいあるかを事前に計る必要があります。

それが12度なくても8度ぐらいあれば持っていけます。その辺が、なんとなくの世界で申し訳ないのですが。。
とにかく、その2つの角度に、大きな乖離がないことが大事です。

ということは、やや拡大した適応では、外側関節の開大が軽度でも、必要な矯正角が少ない場合は、TCVOで対応可能です。
TCVOイコール進行した膝OAの手術、という一般的なイメージに反しますが、実はそちらの方が成績も良い印象もあります。

また、術中に悩むのが、アライメントをどこまで持っていくか、ということですが、
TCVOは下肢アライメント矯正手術であり、アライメントの最適化はファーストプライオリティーです。
私は65%ぐらいがベストだと思っています。プラスマイナス10%の変化が起きても、55〜75%なら許容できますしね。

術前計画で予測した骨切り部の開大幅と、実際に必要だった開大幅との差や、
術中アライメントと、術後の実際のアライメントの差には、今でも悩まされており、今後の課題だと思っています。

やっと別刷が届きましたが、予想通り2ヶ月ぐらいかかって、しかもプリントのクオリティーが低く、カバーとかもなく、200ユーロの価値なしです。
オープンアクセス代は、2376ユーロ(29万円)でしたが、その価値ありだと思っています。ここLink からダウンロードできます。

長くなりましたが、これで終了。

— posted by 千葉恒 at 10:16 am   commentComment [0] 

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