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HR-pQCT 7周年 & 46歳

毎年8月にアップする恒例の記事を忘れてました。
もう2ヶ月たってるぞ。

HR-pQCTLink長崎に来てLink 、7月26日で丸7年になりました。

この間、立ち上げた研究は「50」(やりすぎ?まだまだネタあり)
研究をした大学院生Link は「19」
獲得した外部資金は「32」
アクセプトされた英文論文Link は「19」、和文論文は「15」

がんばってますが、
近年は、明らかに助成金の獲得ペースが減っています。どうにかせねば、、
一方、データが蓄積し、作れる論文はいくつもあるんですが、書く時間がありません。

7-10年の戦略は下記です。
1)日本人の骨微細構造の基準値(YAM)を作る
2)骨粗鬆症治療薬の大型研究を開始する
3)関節リウマチの解析をさらに進める
4)骨折治癒・骨移植の世界に本格参入

7年経ってこれか。予定より進んでません。時は過ぎるのは早いな。
最近は、私が生きてる間に、したい研究の全てができるのか、不安になるほどです。

で、8月8日で、46歳です。
去年までは四捨五入して50歳かな?いや、そうじゃない、ような気分もあったのですが、
46歳は45歳より急に重くなりました。

今年も去年に引き続きLink 、リサーチグループでは、
リアル千葉ケーキでお祝いしてもらいました。去年より大型化しています。
私の立ち姿、猫背な感じまで、細かな表現ができています。

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— posted by 千葉恒 at 06:45 am   commentComment [2] 

ASBMR @Austin -11

最終回です。

帰路でもいろいろありました。

今回の旅は、ダウンタウンのホテルが、物価高+円安+何かのイベントのせいで激上がりしており、ダウンタウンから車で10分ほどのモーテルにしたのですが、
今までモーテルは何度も泊まって来ましたが、ここは思いのほか、ボロモーテルで、

衝撃だったのは、初日の夜中にはっと目覚めたところ、私の枕にコオロギがいたことです。その時の写真はありますが、気持ち悪いのでアップしません
結局、滞在期間中に部屋にコオロギが3回出てきましたが、もう3回目となると、外に放り出すのも諦めて共存することにしました。

そんなコオロギボロモーテルとも今日でお別れ、ウーバーで空港に向かいました。
今回の旅もウーバーを駆使しましたが、総額235ドルも使用してました。これに145円をかけたくないな、、

空港で待っていたのは、またもバゲージ問題でした。Overweightです。
これはたまにあることなんですが、なんとユナイテッド曰く、140$の追加徴収! 高!

「スターアライアンスゴールドなのにおかしいんじゃない?」
「いやお前はユナイテッドゴールドじゃないだろ」 みたいな攻防があり。

途中で、地上係員の若者(通称ひょろひょろ)の処理が、何か辻褄があわないことが判明し(磯部ナイス!)、
こちらの形勢が有利になりました。

上司が登場し確認したところ、何かが変だったのかよくわかりませんが、140ドルの追加徴収はなくなりました。
クレジットカードを一回きって凹んでましたが、最後はリファンドできました。勝利です。

乗継はロサンゼルスで、どこ行っても異常な冷房のアメリカに最後まで悩まされ、そして、深夜便で羽田空港に無事帰国しました。
羽田の入国審査では、なぞの段取りの悪さに、日本人はシステム作り関しては本当にバカなんじゃないかと悲しくなりました。

今回の長旅は8日間におよび、アドバイザリーボード、学会聴講、ポスター発表、外人との社交、観光、HR-pQCTミーティングと、身体的な疲労はかなり溜まりました。
が、メンタルはかなりポジティブモードになりました。
学会では、新しい情報、アイデアなど得てモチベーションが上がり、ホテルでは仕事もかなりすすめれましたし。

今回の出張で、カバン持ちをしてくれた磯部先生、ありがとう。楽しかったですね。
そして、この期間、お留守番してくれている同僚や家族に、心から感謝しています。


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— posted by 千葉恒 at 10:43 am   commentComment [0] 

ASBMR @Austin -10

連投続いてます。テンション高いです。
書き溜めちゃったんで、小出ししているだけなんですが。

最終日は恒例の、HR-pQCT Users’ Meeting です。

ASBMRの最終日の翌日に、HR-pQCTを使用している世界の仲間たちが集まって
近況をアップデートするミーティングで、3年ぶりの開催となります。

気になったテーマですが、

1)Scanco Medicalより年次報告
2022年現在、世界には96台のHR-pQCTが稼働しているとのことです。
第一世代が36台、第二世代が60台で、新旧の入れ替わりが進んでいます(北米5+28、南米3+1、欧州24+18、アジア豪4+13)。
HR-pQCTを用いた研究論文は、毎年100を超え、2022年9月時点で合計1234件におよびます。
その18%がJBMR(IF:6.7)、15%がBone(IF:4.4)、12%がOsteoporosis internationaI(IF:4.5)で、骨の専門誌3つで半分が占められています。

2)3D Registraion
縦断研究における骨の変化を詳細に見るための、新しい3Dマッチングの手法が開発されています。
私たちもやっているのですが、今回のを聞くと、すこしmodifyが必要かもしれません。

3)小児の撮影方法
骨が刻一刻と成長する小児の撮影部位や解析方法は、まだ確立していません。
現時点でも意見が分かれているような印象でした。私たちはもう少し様子を見ようかと思っています。

4)HR-pQCTガイドライン2020
HR-pQCTによる骨評価のガイドライン2020が、パブリッシュされました。
このUser’s Meeting が2019年以来でしたので、内容について親友のBurghardt 先生から報告がありました。
私たちが推している Relative offset method はガイドラインでも認められており、これで堂々と発表できます。
また、種々の用語も統一され、意義のあるガイドラインだったと思います。

ちなみに、このミーティングの前日には、恒例の気が重〜い、立食パーティーがあるのですが、

みんなワイワイやってるんですが、まぁ何をしゃべっているのかわからないわからない、、身の置き場がつらいです。
でも今回は、優しい人たちに救われて、磯部先生も大健闘して、2-3時間滞在することができました。

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— posted by 千葉恒 at 06:59 am   commentComment [0] 

ASBMR @Austin -8

アメリカでのマスクと握手の現状ですが、
マスクは、国際線(ANA)では義務になっていましたが、アメリカの国内線からは、皆さんほとんどマスクしてませんでした。
街を歩く人たちも、ほとんどマスクはしてませんでしたが、店員さんはつけている人も多かったです。
握手ですが、普通にしています。ただ、相手がグーできたらグーのようです。

私は喉が強くないので、機内ではよくマスクをするのですが、今回のパンデミックのおかげで市民権を得て、
今後はアメリカでマスクをつけていても、不審な視線を感じずに済むようになったのは良かったことかな。

今回の旅は、今年、整形外科になったばかりの磯部先生Link について来てもらいました。
もちろん、私も磯部先生も、発表(ポスター)がありました。

今年のASBMRには、日本からの医師の参加はとても少なかったのですが、
懇話会では、日本の骨分野のベテラン医師であるI先生とご一緒させてもらいました。

私たちがモジモジしていると、I先生は「ぶつかっていけばいいんだよ」と、
少しでも知ってる人がいれば、どんな著名人でもどんどん、話しかけていました。
その積極性と話術にはとても学ぶものがありました。

下の写真は、懇話会での、ミュラー教授との写真です。骨バイオメカニクスで超有名なスイスの教授です。
実は、ミュラー教授のラボは、私が留学を検討していた、2つの候補の1つでした。
私の留学先がスイスだったら、また違う人生が待っていたと思います。

会場の近くにあるコロラド川にかかる橋には、コウモリが大量に生息しており、
夜に何千匹も一気に飛び立つのを見るのがオースチンの人気観光の1つになっており、
懇親会のあとに、レーン教授が、特に頼んでもないのに、そこに連れて行ってくれました。

橋にはコウモリの飛び立ちをひたすら待つ人だかりがあるのですが、
彼女は誰かに「どんな感じ?」と話しかけて、10分ほど話し込んでいました。
雰囲気からして、てっきり学会の知り合いかと思ってましたが、完全に他人でした。

誰とでも会話をする米国人の社交性にひさびさ触れ、社交性のない私としては、刺激を受けました。
「ぶつかっていけばいいんだよ」ですね。



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— posted by 千葉恒 at 07:20 am   commentComment [0] 

ASBMR @Austin -7

3)ROM 非椎体骨折抑制効果

非椎体骨折って何?という方もいるかと思います。

椎体骨折(いわゆる脊椎圧迫骨折)は、転倒しなくても自然発症もあるため発生頻度が多く、
椎体は海綿骨が多いため薬物治療の効果が高く、よって骨粗鬆症治療薬の治験では、骨折抑制効果が出やすい部位です。

逆に非椎体骨折、つまりは、四肢の骨折と考えていいのですが、基本的には転倒がないと発症しないため、発生頻度が低いです。
ただ、大腿骨近位部骨折は非椎体骨折に含まれるため、非椎体骨折への効果も、新薬治験では結果がでてほしいところです。

最強の治療薬とされているロモソズマブ(イベニティ)ですが、プラセボ対照試験であるFRAME試験では、
非椎体骨折とのP<0.05の有意差が出なかったため、ざわつきました。

これにはいくつか言い分があり、1つは、現在のプラセボ対照治験は、昔と違って、骨折リスクが高い集団では実施ができません。
骨折するのがわかっているような人にプラセボを投与するのは、倫理的に問題があるとされるからです。

よってFRAME試験は、骨折の既往がない集団を対象としています。
そのような集団では、四肢の骨折はなかなか発生しませんので、差も出にくかった、ということです。

加えて、エントリー促進のために、南米の症例を大量にリクルートしたところ、
かなり骨折リスクの低い集団となった可能性が指摘されています。

さらに、P<0.05の有意差が出なかったと言いましたが、治験の結果は、2年目でP=0.06ではありました。
P=0.050と0.049で急に結論が変わることはおかしく、P=0.06でも一定の効果はあったと解釈できます。

今回も前置きが長くなりましたが、
今回の発表では、FRAME試験の参加者の中で、骨折リスクが高め集団を比較したらどうだったか?という内容です。

当たり前な解析かと思われるかもしれませんが、これには順序がありまして、
近年、AACE(American Association of Clinical Endocrinology)がOsteoanabolic Therapy(ロモソズマブやテリパラチドの治療)の適応に関するクライテリアを提唱したのです。

そのクライテリアでは、骨折がなくとも、BMDがとても低い(T-score<-3.0)、または、FRAXがとても高い(MOP>30%)ならば、イベニティ開始も可とされます。

すると、FRAME試験の7180名の中には、上記を満たす参加者が2825名いました。
そして、この集団でロモソズマブとプラセボを比較したところ、非椎体骨折の発生率が、
2年目でP<0.05の差がついたどころか、1年目でもP<0.05の差がついたのです(0.9% vs 1.9%)。

敵討ちに成功したような発表であり、そして、巨匠McClung教授曰く、自分のASBMRでの最後の発表とするとのことでした(たぶん。リスニング力不足)。
これには、前述のEgo教授から何らかジョークのコメントがありましたが、内容はわかりませんでした(リスニング力不足)。

— posted by 千葉恒 at 02:28 pm   commentComment [0] 

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