長崎のHR-pQCT研究の、第3弾の論文がアクセプトされました。
佐田先生の論文です。長い道のりでした。おめでとう。
HR-pQCTは小型の高解像度CTで、ガントリーが小さいため、
基本的には「手や前腕、足や下腿」の撮影しかできません。
私たちの使用している第二世代HR-pQCTは、工夫すれば、肘を撮影することが可能です。
しかしながら、撮影方法は確立しておらず、論文は出ていませんでした。
「06ELB」というコードで管理されているこの研究は、HR-pQCTにおける「肘」の撮影方法を確立し、
加えて、野球投手の肘の骨微細構造の変化を調査しました。
まずは、肘を撮影するための肘装具を作成し、撮影の体勢を模索しました。
色んなポーズで撮影を試みましたが、下図のような体勢で落ち着きました。
そして、野球投手の左右の肘の撮影を行いました。
野球投手は投球時の外反ストレスに伴い、骨硬化や骨棘が生じ、その延長線上には初期OAが存在します。
肘には内側の腕尺関節と、外側の腕橈関節がありますが、
今回は、内側と外側のそれぞれに計測領域を設置し、骨密度や骨微細構造を解析しました。
その結果、投球側のTb.Th(骨梁幅)が大きく、
その結果BV/TV(骨梁体積密度)やvBMD(骨密度)が高いという結果が得られました。
本研究は、JCD(Journal of Clinical Densitometry)(Impact Factor: 3.015)に掲載されます。
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