relative offset method

私たちHR-pQCT研究グループ(RiBSLink )からの、第13弾の論文がアクセプトされました。

Differences in bone mineral density and morphometry measurements by fixed versus relative offset methods in high-resolution peripheral quantitative computed tomographyLink

HR-pQCTによる骨粗鬆症の評価は、橈骨および脛骨遠位部の特定の部位を撮影し解析することが、製造元(SCANCO Medical AG, Brüttisellen, Switzerland)より標準プロトコールとして定められています。
この撮影部位は、橈骨では手関節中央部から9mm近位部、脛骨では足関節関節面から22mm近位部、とされています。

ただ、この撮影部位には以前から疑問があり、複数の研究者、研究グループから、変更が希望されています。
なぜならば、体格によって、解剖学的に異なる部位を計測ことになるからです。
特に日本人のような背の小さい人種においては、撮影部位が相対的に近位となります。

今回の論文は、それを証明する重要な論文となります。
もちろんこのようなテクニカルな研究は、若い院生には難しいので、HR-pQCTの経験が長い岡崎先生が調査しまとめました。

結果は、現在の撮影方法(fixed offset method / absolute offset method)では、体格により特に皮質骨で異なる計測値をもたらすことが証明されました。
私たちは、UCSFによって提案された別の撮影方法(relative offset method):これは橈骨では手関節尺側部から前腕長の4%近位部、脛骨では足関節関節面から下腿長の7.3%mm近位部を撮影するのですが、この方法を推奨しています。

Bone(IF: 4.147)にアクセプトされたのですが、私が見た中で、最も大変なrevisionでした。全例、計測しなおしましたね。
岡崎先生、本当におつかれさまでした。このrevisionをこえるものは当面ないので、次の論文は気楽にいきましょう。


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— posted by 千葉恒 at 09:48 am   commentComment [0] 

第3回 ベイエリア日本人整形外科の会 OB会

このブログで何回も登場している「ベイエリア日本人整形外科の会Link 」ですが、一昨年よりOB会が開催されるようになりました。

第1回は横浜でみんなで集まってLink ワイワイやったのですが、第2回からWebになってLink しまいました。
さみしいな、と思いきや、Webを逆手にとって、米国の会員も参加できるようになり(日本AM9〜11、西海岸PM5〜7)、
今回は、車の中から参加しているツワモノもいたりと、たくましく継続しています。

さらには、日本に帰国しても米国のラボのミーティングに日本時間AM3時に参加しているツワモノ(同一人物)がいることを、
今年のOB会で知り、そのWebのフル活用ぶりは見習うべきものがあります。

第3回となる今年は、会の企画を、創立メンバーLink森岡先生(UCSF)Link 、長尾先生(UCSF)、圓尾先生(兵庫医大)、私の4人ですることになり、全ての準備を森岡先生、当日の司会を私がしました。

参加者はOB20名(全国:九州〜北海道)、現役会員が8名(ベイエリア:サンフランシスコ〜サンノゼ)のトータル28名で、
全員からの1人2分の近況報告スライドと、日本5施設、ベイエリア4施設からの近況報告、
最後に、コロナ禍における米国留学についてディスカッションを15分、トータル2時間の中味の濃い会となりました。

この会は、たまたまですが、脊椎、脊損、医工連携、スポーツの専門家が揃っており、話題もさほどバラツキません。
そして何より、大きな決心をして、ベイエリアに留学したという共通点があります。

ディスカッションパートでは、いま米国留学の大きな壁となっている「コロナ」と「ヘイト」について、現地の生の声を聞くことができました。
いずれも回復の兆しがあり、ポジティブな方向で終われました。ワクチンは医学的にも精神的にも大きかったと思います。

昨年から留学が途絶えていましたが、2021年1〜5月の間に、神戸大、大阪大、佐賀大の整形外科から、スタンフォードへ留学しており、
さらに今後、九州大と北大の整形外科からも、スタンフォードとUCSFへの留学が予定されているそうです。
みんなたくましいな。とっても刺激をうけました。

留学したばかりの3人のコメントを聞くと、現地では初対面からzoomで、人間関係の形成は容易ではなさそうですが、
それでも、希望や闘志に満ちたキラキラした雰囲気を感じ取れました。応援してます。


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— posted by 千葉恒 at 09:04 pm   commentComment [3] 

骨折後の骨粗鬆症治療

脆弱性骨折を起こした方には、当然、骨粗鬆症治療をすべきですが、行われないことも多いです。

整形外科医の視点で考える大きな理由は、DPC(包括医療)とフォローアップです。

1)DPC(包括医療)
脆弱性骨折で入院している方には、理想的には入院中に骨粗鬆症治療を開始したいところです。

治療効果が高いのはロモソズマブやテリパラチドです。
しかしながら、薬価が高いため、DPC(包括医療)では、病院の減益になるため、避けられることが多いです。

月額に割れば手頃な薬価のデノスマブやゾレドロネートでも、投与日が入院中であれば、やはり高価です。
後述のフォローアップに難のある方には、1年間の効果が得られるゾレドロネートは良いとは思うのですがね。

DPC(包括医療)で妥当なところは、静注イバンドロネートか経口ビスホスホネートということになります。
または、入院中はリハビリに専念して、外来からロモソズマブやテリパラチド、デノスマブを始めるというパターンですね。

2)フォローアップ
大腿骨近位部骨折の患者さんは、ほとんどが80〜100歳で、本来は、術後2〜3ヶ月ぐらいでまず外来に来てもらうべきですが、
なかなか自力では来院できないため、外来フォローせずご家庭や施設で経過を見てもらってることも多いと思います。
その場合、骨粗鬆症治療をかかりつけ医にお願いすべきですが、連携が十分でないことが多いです。

椎体骨折や橈骨遠位端骨折の場合は、60〜80歳の、退院後も通院できる方も多いです。
これらの骨折はそもそも入院でなく外来治療も多いですので、前述のDPC問題もなく、最も骨粗鬆症の評価や治療の対象になるかと思います。

ただ、整形外科医は手術を終えると役割りを果たした気になり、かつ、フォローすることで自分の外来の予約数が増えることを避けがちで、
また、患者さん側も骨折が治ると骨粗鬆症自体には自覚症状がなく、かつ、薬を増やしたくない心理もありますので、
これらも大いにフォローアップをされない原因となってます。

まぁ、いろんな観点から根深く、簡単ではないです。

もし何でもして良いんだったら、
「骨粗鬆症の薬物治療を、専門の看護師が、入院中からできる」ようになれば、かなり解決するでしょうね。


— posted by 千葉恒 at 07:33 am   commentComment [2] 

稲佐山

先週末は稲佐山に行ってきました。

稲佐山は長崎市のシンボルのような山で、展望台からの夜景が有名です。
ちなみにゴールデンウィークの現在は、コロナのために閉鎖されています(怒)。

新しくできたスロープカーLink なるものに乗ったり、
カフェでかき氷を食べたり、野原で遊んだり、楽しいひとときでした。

お店がリニューアルLink されていて、
今まで訪れたことがある方も、もう一回行ってみることをおすすめしますよ。


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— posted by 千葉恒 at 08:45 am   commentComment [0] 

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