ASBMR @Vancouver -6

VancouverをWikiると、、
- バンクーバーを中心とする都市圏人口は246万人とカナダ国内第3位の都市圏を形成、バンクーバー市のみの人口では同国内で第8位の約64万人。
- 林業が同市最大の産業で、都市部ながら自然に囲まれた都市として知られていることから、観光業が発達しており、同市第2の産業。
- 2010年には第21回冬季オリンピック(バンクーバーオリンピック)が開催された。

観光業が発達とのことですが、私たち4人、あまり観光したい場所がなくて、
キャピラノ吊り橋という2時間ぐらいで回れる山歩きや、水上飛行機でバンクーバー上空を20分ほど巡るやつは体験してきました。
どちらもサクッと済ませれてオススメです。
あと、蒸気時計という、わかってはいたが、なかなかしょぼいスポットもあります。


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— posted by 千葉恒 at 04:07 pm   commentComment [0] 

ASBMR @Vancouver -5

今回の私たちの発表ですが、
長崎大学 整形外科から3題、内分泌代謝内科から1題の発表となりました。

1)千葉 オーラル Different effects of daily teriparatide and weekly high-dose teriparatide on cortical and trabecular BMD of vertebra and proximal femur: Sub-analysis by QCT from the TERABIT study
2)千葉 ポスター Denosumab improves bone mineral density and microarchitecture in patients with rheumatoid arthritis: randomized controlled trial by HR-pQCT
3)池永先生 ポスター Factors involved in the development of cortical porosity: a cross-sectional study in healthy subjects using HR-pQCT
4)重野先生 ポスター A Randomized Controlled Trial to Investigate the Effect of Luseogliflozin on Bone Microarchitecture in Elderly Patients with Type 2 Diabetes Using High-Resolution Peripheral Quantitative Computed Tomography (HR-pQCT)

池永先生は、大学院の研究で、皮質骨多孔性に関与する因子の検索をしていまして、加齢は最も大きい因子ですが、それ以外にも不思議な相関がでていて、それを解析中です。
重野先生は、糖尿病治療薬(SGLT2阻害薬)の骨に与える影響をRCTで研究しており、指導教官の堀江先生と共に今回はじめてASBMRに参加されました。

打ち上げを4人でブリュワリーでしたんですが、最初に行った場所があまりに危険地域で撤退し(ガスタウンの東側)、
2回目で無事に安全な観光地(Granville Island)で楽しく打ち上げできました。

若い先生2人とも海外出張で起きそうなプチトラブルを散発させながら、無事に帰国できました。良い思い出となってくれればと思います。



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— posted by 千葉恒 at 09:42 am   commentComment [0] 

ASBMR @Vancouver -4

2)
学会の動向、2つ目は、このブログでも何回かお伝えしていますが、STE(Surrogate threshold effect)です。
詳しくは過去記事Link に記載しています。

要は、新薬治験の際に、骨折を調査しなくても骨密度だけでOKとする考え方です。
予算を抑え、新薬開発を活性化することを意図しています。

2017年から始まったこのプロジェクト(FNIH-ASBMR SABRE Project:Study to Advance BMD as a Regulatory Endpoint)は、
これまでに、データ解析、エビデンス立証を積み重ね、現在、かなり終盤の段階にきているようです。

試算によると、治験に必要な症例数が、500例(250vs250)で十分となるらしく、
DXAで大腿骨の骨密度(Total hip BMD)が、24ヶ月間で1.5%以上増えれば、椎体骨折の抑制は確実となり、FDA承認されます。

治験にかかる費用が、500 million $(750億円)から20million $(30億円)に減少するとのことです。

FDAのQualificationが4段階あるそうで、2023年8月にその3段階目をクリアしたとのことです。
最後のステップは来年にクリアできると見込んでいるようで、大きな転換期になるかと思います。

ちなみにPIは、Dennis Black、Mary Bouxsein、Richard Eastell で、
特にDennis先生はUCSFで、家に遊び行ったりLink長崎来てもらったりLink した親交があり、今後も詳しいことを教えてもらえそうです。

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— posted by 千葉恒 at 05:15 am   commentComment [0] 

ASBMR @Vancouver -3

今回のASBMRで気づいたことは、この学会の方向性です。

骨粗鬆症の新薬は相変わらず出る気配はありません。
その状況を受けた今、大きく2つの方向性があると感じました。

1)
その1つは、Rare Bone Disease(RBD:希少疾患)です。

RBDはそのほとんどが難病ですが、近年かなり効果のある新薬が開発されてきました。

具体的には、
低リン血症性くる病・骨軟化症(X-linked hypophosphatemia や tumor-induced osteomalacia)に対する
抗FGF23抗体 ブロスマブ Burosumab(クリースビータ Crysvita:協和キリン)や、

低フォスファターゼ血症に対する
アスフォターゼ アルファ Asfotase alfa(ストレンジック STRENSIQ:アレクシオン)、

他には、骨形成不全症(Osteogenesis imperfecta:OI)に対する新薬治験Link も行われてるようです。

骨粗鬆症の新薬開発が終焉を迎え、学会は財源を年々失って行っています。
一方で、RBDはその名の通り患者数は少ないですが、単価の高い治療薬が多く、
製薬会社の参入が残されている分野です。そこで、その分野の後押しをしている印象があります。

— posted by 千葉恒 at 11:25 pm   commentComment [0] 

ASBMR @Vancouver -2

学会初日に最大のヤマがありまして、それは私のオーラル発表です。

このブログでたびたび登場するTERABIT study(テリパラチドのランダム化比較試験)が、
骨粗鬆症の世界で最も権威のあるこの学会の、オーラル発表に奇跡的に採択されたのです。
通知が来た時は、震えましたね。「恐怖」で。

ご存知の方も多いと思いますが、日本は基礎研究と比較すると、臨床研究が苦手分野で、長年の課題とされています。
ASBMRは、基礎だけでなく臨床研究の発表の場であり、骨粗鬆症の大型研究や新薬治験などは、この学会から世界に公開されます。
ほとんどの演題はポスターで採択されるのですが、オーラルは狭き門で、日本の臨床研究が採択されることは、極めて稀です。

10月1日に骨粗鬆症学会が終わって以降、毎日がとんでもないストレスで、気が気でない状態でした。
スライドのブラッシュアップもギリギリまで続き、原稿も何度も手直しをして暗記してきました。

当日の発表直前の緊張、あの光景は、一生忘れられないですね。

結果ですが、、まぁ、「撃沈」でしたね。
発表もカミカミで、質問にも綺麗に答えることはできませんでした。悲しい!!
いっとき悪夢がフラッシュバックしそうです。聞いてた日本人の皆さん、ごめんね。

ですが、内容には興味をもっていただいたようで、終わった後に、
多くの人から良いリアクションをいただき、爪痕は残せたかなと思います。
国際的なコラボ話も2件ほどいただいて、今後の展開も期待できそうです。

国際学会では、データをもっていることはとても大事です。
表面上の挨拶はできても、研究の本題の会話ができないと、いつまでも無名ですので。

国際学会でのオーラル発表は思い出すだけでも8回目で、今回も流暢にはできませんでしたが、
新たに学んだこと、次回に使いたい技がいくつか浮かびまして、来年以降もまた狙いたいと思います。


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— posted by 千葉恒 at 11:53 pm   commentComment [0] 

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